【宅建過去問】(平成03年問06)連帯債務

A及びBは、Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し、連帯して代金を支払う債務を負担している。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

  1. Aの債務が時効により消滅したときは、Bは、Aの負担部分について支払いを免れる。
  2. CがAに対して期限の猶予をしたときは、Bの債務についても、期限が猶予される。
  3. CがBに対して支払いを請求して、Cの代金債権の消滅時効が中断されたときは、Aの債務についても、中断される。
  4. Aが債務を承認して、Cの代金債権の消滅時効が中断されたときでも、Bの債務については、中断されない。

正解:2

1 正しい

時効が完成した連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者もその義務を免れる(民法439条)。
したがって、本問では、Aの消滅時効が完成すれ、Bは、Aの負担部分について支払いを免れる。

■類似過去問(連帯債務者の一人に生じた事由)
内容を見る
民法[18]4
全体について絶対効が生じる場合
 年-問-肢内容正誤
履行の請求
129-08-1(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。
×
220-06-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、他の連帯債務者にも効力を生ずる。
308-04-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。
403-06-3連帯債務者の一人に履行を請求して、その消滅時効を中断すれば、他の連帯債務者の時効も中断される。
502-07-4BとCが連帯債務を負う場合、債権者AのBに対する履行の請求は、Cに対しても効力を生じる。
601-10-1債権者が連帯債務者の一人に対して代金支払いの請求をしても、代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者については中断されない。×
相殺
129-08-2(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。
213-04-4(C所有の土地をA・Bが共同購入し、連帯債務を負っている。)Cから請求を受けたBは、Aが、Cに対して有する債権をもって相殺しない以上、Aの負担部分についても、Bからこれをもって相殺することはできない。×
混同
101-10-4債権者が死亡し、連帯債務者の1人がその相続人としてその代金債権を承継しても、他の連帯債務者の代金支払債務は、消滅しない。×

2 誤り

履行の請求・更改・相殺など、民法が絶対効を認めた一定のケースを除いては、連帯債務者の一人に生じた事由は、他の連帯債務者に効力を及ぼさない。これを相対効の原則という(民法440条)。
期限の猶予は、絶対効のリストに入っていないので、原則通り相対効しか持たない。したがって、CがAに対して期限を猶予したとしても、Bの期限は猶予されない。

■類似過去問(連帯債務:相対的効力の原則)
内容を見る
民法[18]4(4)
連帯債務:相対的効力の原則
 年-問-肢内容正誤
116-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の時効の進行には影響しない。
208-04-4連帯債務者の一人に解除の意思表示をした場合、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。×
303-06-2連帯債務者の一人に期限を猶予したときは、他の連帯債務者も期限を猶予される。×
403-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の債務については中断されない。
501-10-3連帯債務者の一人Aが債権者Cに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者Bについても中断される。×

3 正しい

連帯債務において、履行の請求は、絶対効を有する。すなわち、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる(民法434条)。
したがって、CがBに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対しても履行を請求をしたことになる。この請求により、Aの債務の消滅時効も中断される(同法147条)。

■類似過去問(連帯債務者の一人に生じた事由)
内容を見る
民法[18]4
全体について絶対効が生じる場合
 年-問-肢内容正誤
履行の請求
129-08-1(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。
×
220-06-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、他の連帯債務者にも効力を生ずる。
308-04-2連帯債務者の一人に履行を請求すれば、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。
403-06-3連帯債務者の一人に履行を請求して、その消滅時効を中断すれば、他の連帯債務者の時効も中断される。
502-07-4BとCが連帯債務を負う場合、債権者AのBに対する履行の請求は、Cに対しても効力を生じる。
601-10-1債権者が連帯債務者の一人に対して代金支払いの請求をしても、代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者については中断されない。×
相殺
129-08-2(A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。)Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。
213-04-4(C所有の土地をA・Bが共同購入し、連帯債務を負っている。)Cから請求を受けたBは、Aが、Cに対して有する債権をもって相殺しない以上、Aの負担部分についても、Bからこれをもって相殺することはできない。×
混同
101-10-4債権者が死亡し、連帯債務者の1人がその相続人としてその代金債権を承継しても、他の連帯債務者の代金支払債務は、消滅しない。×

4 正しい

債務の承認による時効中断は、連帯債務者間においては相対効を持つに過ぎない(肢2参照。民法440条)。
したがって、連帯債務者の1人Aが債務を承認して時効が中断したとしても、他の連帯債務者Bには影響を及ぼさない。

※債権者からの請求による時効中断が絶対効を持つことと区別すること(民法434条)。

■類似過去問(連帯債務:相対的効力の原則)
内容を見る
民法[18]4(4)
連帯債務:相対的効力の原則
 年-問-肢内容正誤
116-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の時効の進行には影響しない。
208-04-4連帯債務者の一人に解除の意思表示をした場合、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ。×
303-06-2連帯債務者の一人に期限を猶予したときは、他の連帯債務者も期限を猶予される。×
403-06-4連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の債務については中断されない。
501-10-3連帯債務者の一人Aが債権者Cに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者Bについても中断される。×

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