7月
11
1993

【宅建過去問】(平成05年問11)借地借家法(借地)

【過去問本試験解説】発売中

平成5年10月AがBのために新たに借地権を設定した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 借地権の存続期間は、契約で25年と定めようと、35年と定めようと、いずれの場合も30年となる。
  2. 「期間満了の際、AがBに対し相当の一定額の交付さえ行えば、Aは更新を拒絶できる」と特約してもその特約は、無効である。
  3. 「地代の増減は、A・Bの協議によって定める」と約定した場合、Aは、協議を尽くさなければ、地代の増減を請求することはできない。
  4. 「借地権の設定から30年経過後に、AがBの建物を時価で買い取り、契約は更新しない」と特約しても、その特約は、無効である。

正解:2

1 誤り

借地権の存続期間は、30年であるが、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とされる(借地借家法3条)。この規定よりも、借地権者に不利な特約は無効である(同法9条)。
したがって、借地権の存続期間を25年と定めた場合は、借地権者に不利な特約であるため、その定めは無効であり、法の原則通り、存続期間は30年となる。
一方、存続期間を35年と定めた場合、借地権者に有利な特約であるから、その定めは有効である。30年となるわけではない。

■類似過去問(借地権の存続期間)
  • 平成26年問11肢1(存続期間40年と定めた場合、書面で契約を締結しなければ期間が30年となる:×)
  • 平成26年問11肢1(存続期間40年と定めた場合、書面で契約を締結しなければ期間が30年となる:×)
  • 平成20年問13肢1(建物所有目的の賃貸借契約において、賃貸借契約の期間の上限は60年である:×)
  • 平成20年問13肢3(貸主は、契約開始から30年過ぎなければ、解約の申入れをできない:◯)
  • 平成19年問13肢4(期間の定めがない場合、貸主は、正当事由があればいつでも解約申入れできる:×)
  • 平成18年問13肢1(小売業を行う目的で公正証書によらず賃貸借契約を締結した場合、存続期間35年という約定は有効である:◯)
  • 平成07年問12肢1(期間の定めがない場合、堅固な建物については30年、非堅固な建物は20年となる:×)
  • 平成05年問11肢1(存続期間を25年・35年のいずれと定めようと、契約期間は30年となる:×)
  • 平成01年問12肢1(存続期間を10年と定めた場合、その約定はなかったものとみなされ、契約期間は20年となる:×)

2 正しい

借地権設定者の更新拒絶に正当な事由があるかどうかは、以下の3点から判断される(借地借家法6条)。

  1. 借地権設定者・借地権者が土地の使用を必要とする事情
  2. 借地に関する従前の経過及び土地の利用状 況
  3. 借地権設定者が申し出た立退料

「一定の立退料を交付すれば更新を拒絶できる」という特約は、法の規定よりも借地権者にとって不利であるため、無効となる。

■類似過去問(借地契約の更新請求等)
  • 平成25年問12肢2(借地権の存続期間が満了する際、借地権者の更新請求に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する:×)
  • 平成21年問11肢2(当初の存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べたとしても、異議の理由にかかわらず、借地契約を更新したものとみなされる:×)
  • 平成20年問13肢2(存続期間満了後に、借地権者が土地使用を継続した場合、契約更新とみなされることがある:◯)
  • 平成19年問13肢3(存続期間が満了した場合でも、借地権者が、建物収去・土地明渡しを請求できない場合がある:◯)
  • 平成10年問11肢2(存続期間満了時に借地権者が更新を請求し、借地権設定者が異議を述べたがその異議に正当事由がない場合、契約は更新され、その存続期間は30年である:×)
  • 平成05年問11肢2(「期間満了の際、借地権者に対し相当の一定額の交付さえ行えば、借地権設定者は更新を拒絶できる」と特約してもその特約は、無効である:◯)
  • 平成04年問10肢2(当初の存続期間内に、建物が滅失し再築しない場合、期間満了時に、借地権者が更新請求しても、借地権設定者が異議を述べたときは、契約は更新されない:◯)
  • 平成04年問10肢3(存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、借地権設定者が異議を述べなければ、期間の定めのない借地権が設定されたとみなされる:×)
  • 平成01年問12肢2(存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる:◯)
  • 平成01年問12肢3(存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる:◯)

3 誤り

地代増減請求権は、「契約の条件にかかわらず」行使できる権利である(借地借家法11条1項)。したがって、「協議で定める」旨を特約しても、その特約は無効である。
判例(最判昭46.10.14)も、旧借地法12条1項(借地借家法11条1項に相当)を強行規定であり、当事者が協議して定める旨の合意があったとしても、適用を排除することはできない。したがって、当事者は、協議を尽くさなくとも、さらには協議を経なくても、地代の増減を請求することができる。

4 誤り

借地権設定後30年以上を経過した日に、建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めた契約を建物譲渡特約付借地権という(借地借家法24条1項)。
つまり、本肢の特約は有効である。

■類似過去問(建物譲渡特約付借地権)
  • 平成12年問11肢1(建物譲渡特約は、必ずしも公正証書によって締結する必要はない:◯)
  • 平成12年問11肢2(建物譲渡特約が、当事者間の合意によらずに法定更新されることはない:◯)
  • 平成12年問11肢3(建物譲渡により賃借人の借地権が消滅した場合で、賃借人がその建物に居住しているときは、直ちに、建物を明け渡さなければならず、賃借の継続を請求することはできない:×)
  • 平成12年問11肢4(土地の賃借人から建物を賃借し、土地賃借人の借地権消滅後もそこに居住している建物賃借人が、土地の賃貸人に対して賃借の継続を請求したときは、一定の場合を除き、期間の定めのない建物賃貸借がされたものとみなされる:◯)
  • 平成05年問11肢4(「借地権の設定から30年経過後に、借地権設定者が借地権者の建物を時価で買い取り、契約は更新しない」と特約しても、その特約は、無効である:×)

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Written by 家坂 圭一 in: 借地借家法,平成05年過去問 |

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