7月
08
1996

【宅建過去問】(平成08年問04)連帯債務

【過去問本試験解説】発売中

AとBが、Cから土地を購入し、Cに対する代金債務については連帯して負担する契約を締結した場合で、AとBの共有持分及び代金債務の負担部分はそれぞれ1/2とする旨の約定があるときに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. Cは、AとBに対して、同時に、それぞれ代金全額の支払いを請求することができる。
  2. Cが、Aに対し代金の支払いを請求した場合、その効力はBにも及ぶ。
  3. Cが、Aに対して代金債務の全額の免除をした場合でも、Bに対して代金の1/2の支払いを請求することができる。
  4. Cが、本件売買契約を解除する意思表示をAに対してした場合、その効力はBにも及ぶ。

正解:4

1 正しい

数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる(民法432条)。
したがって、Cは、AとBに対して、同時に代金全額の支払いを請求することができる。

■類似過去問(連帯債務:基本構造)
  • 平成16年問06肢1(債権者は、連帯債務者に対し、それぞれ負担部分の範囲でしか請求できない:×)
  • 平成13年問04肢1(債権者は、連帯債務者の一人に全額請求した場合、他の連帯債務者には全く請求することができない:×)
  • 平成13年問04肢2(連帯債務者の一人は、債権者から全額請求されても、負担部分だけ支払えばよい:×)
  • 平成08年問04肢1(債権者は、連帯債務者のそれぞれに対して、同時に、代金全額の支払いを請求できる:◯)

2 正しい

連帯債務において、履行の請求は、絶対効を有する。すなわち、連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる(民法434条)。
したがって、Cが、Aに対し代金の支払いを請求した場合、その効力はBにも及ぶ

■類似過去問(連帯債務:履行の請求)
  • 平成20年問06肢2(連帯債務者の一人に履行を請求すれば、他の連帯債務者にも効力を生ずる:◯)
  • 平成08年問04肢2(連帯債務者の一人に履行を請求すれば、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ:◯)
  • 平成03年問06肢3(連帯債務者の一人に履行を請求して、その消滅時効を中断すれば、他の連帯債務者の時効も中断される:◯)
  • 平成02年問07肢4(BとCが連帯債務を負う場合、債権者AのBに対する履行の請求は、Cに対しても効力を生じる:◯)
  • 平成01年問10肢1(債権者が連帯債務者の一人に対して代金支払いの請求をしても、代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者については中断されない:×)

3 正しい

連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる(民法437条)。
本肢の場合、CはAに対して、債務全額の免除をしている。その結果、Aの負担部分(1/2)については、Cも債務を免除されることになる。したがって、Cが、Bに請求できるのは代金の1/2に限られる。

■類似過去問(連帯債務:免除)
  • 平成20年問06肢1(連帯債務者の一人が免除を受ければ、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる:◯)
  • 平成16年問06肢2(連帯債務者の一人が免除を受ければ、その負担部分につき、他の連帯債務者も債務を免れる:◯)
  • 平成08年問04肢3(連帯債務者の一人に債務全額の免除をした場合でも、その債務者の負担部分を除いた金額について、他の連帯債務者に請求することはできる:◯)

4 誤り

当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる(解除の不可分性。民法544条1項)。
そして、連帯債務について、解除の不可分性に関する特則は定められていない。
したがって、解除の意思表示は、相対効しか有しない(同法440条)。すなわち、Aに対して解除の意思表示をしたとしても、その効力はBに及ばない。

■類似過去問(連帯債務:相対的効力の原則)
  • 平成16年問06肢4(連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の時効の進行には影響しない:◯)
  • 平成08年問04肢4(連帯債務者の一人に解除の意思表示をした場合、その効力は他の連帯債務者にも及ぶ:×)
  • 平成03年問06肢2(連帯債務者の一人に期限を猶予したときは、他の連帯債務者も期限を猶予される:×)
  • 平成03年問06肢4(連帯債務者の一人が債務を承認して時効が中断しても、他の連帯債務者の債務については中断されない:◯)
  • 平成01年問10肢2(売買契約を締結する際、連帯債務者の一人Aに錯誤があって、Aと債権者Cとの間の売買契約が無効であったとしても、他の連帯債務者BとCとの間の売買契約は、無効とはならない:◯)
  • 平成01年問10肢3(連帯債務者の一人Aが債権者Cに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、他の連帯債務者Bについても中断される:×)

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Written by 家坂 圭一 in: 平成08年過去問,民法 |

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