7月
08
1996

【宅建過去問】(平成08年問37)免許の欠格要件

【過去問本試験解説】発売中

次に掲げる法人のうち、宅地建物取引業の免許を受けることができるものはどれか。

  1. A社-その支店の代表者が、刑法の傷害罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了したが、その満了の日から5年を経過していない。
  2. B社-その代表取締役が、刑法の暴行罪で罰金の略式命令を受け罰金を納付したが、その刑の執行を終わった日から5年を経過していない。
  3. C社-不正の手段により宅地建物取引業の免許を受けたとして免許の取消処分の聴聞を受けた後で、処分に係る決定前に、相当の理由なく宅地建物取引業を廃止した旨の届出をしたが、その届出の日から5年を経過していない。
  4. D社-その取締役の1人で非常勤である者が、宅地建物取引業以外の業務に関し刑法の脅迫罪で罰金の判決を受け罰金を納付したが、その刑の執行を終わった日から5年を経過していない。

正解:1

1 免許を受けることができる

支店の代表者は、「政令で定める使用人」に該当する(宅地建物取引業法5条7号、同法施行令2条の2)。そして、懲役刑(禁錮以上の刑)に処せられることは、免許の欠格要件に該当する(宅地建物取引業法5条1項3号)。
しかし、執行猶予期間の満了により、刑の言渡し自体が、効力を失うから(刑法27条)、その後に免許を受けることには何ら問題がない。 したがって、その者を支店代表者としていても、A社は、免許を受けることができる(宅地建物取引業法5条1項7号)。

■類似過去問(免許の欠格要件:政令で定める使用人)
  • 平成25年問26肢2(支店代表者である使用人が、背任罪で罰金刑→免許を取り消されることはない:×)
  • 平成25年問43肢3(政令で定める使用人が、懲役刑に処せられ、刑執行終了から5年経過していない場合、法人は免許を受けることができる:×)
  • 平成08年問37肢1(支店の代表者が、刑法の傷害罪で懲役1年執行猶予2年の刑に処せられ、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を満了したが、その満了の日から5年を経過していないA社は、免許を受けることができる:◯)
■類似過去問(免許の欠格要件:執行猶予)
  • 平成25年問26肢4(代表取締役が執行猶予付懲役刑に処せられたとしても、法人が免許を取り消されることはない:×)
  • 平成24年問26肢1(期間満了から5年経過しなくても免許を受けられる:◯)
  • 平成22年問27肢3(期間満了から5年経過しないと免許を受けられない:×)
  • 平成20年問31肢1(執行猶予期間中の者を役員にすることは免許取消事由にならない:×)
  • 平成20年問31肢4(期間満了から5年経過しないと免許を受けられない:×)
  • 平成18年問30肢1(期間満了から5年経過しないと免許を受けられない:×)
  • 平成17年問31肢1(執行猶予付懲役刑に処せられた取締役が退任した後であっても、その執行猶予期間が満了するまでは、免許を受けられない:×)
  • 平成17年問31肢3(期間満了から5年経過しないと免許を受けられない:×)
  • 平成16年問31肢2(期間満了から5年経過しないと免許を受けられない:×)
  • 平成15年問31肢2(執行猶予期間中であっても免許を受けることができる:×)
  • 平成10年問31肢1(取締役が執行猶予付懲役刑に処せられたとしても、免許を取り消されることはない:×)
  • 平成08年問37肢1(期間満了から5年経過しなくても免許を受けられる:◯)
  • 平成03年問39肢エ(期間満了から1年経過していれば免許を受けられる:◯)
  • 平成01年問39肢3(執行猶予期間中であっても免許を受けることができる:×)

2 免許を受けることができない

会社の代表取締役(役員)が、暴行罪(刑法208条)で罰金刑に処せられることは、免許の欠格要件にあたる。したがって、罰金納付の日(刑の執行を終えた日)から5年経過しないと、B社は、免許を受けることができない(宅地建物取引業法5条7号、同条同項3号の2)。

■類似過去問(免許の欠格要件:暴行罪)
■類似過去問(免許の欠格要件:罰金刑)
  • 平成25年問26肢1(代表取締役が、道路交通法違反で罰金刑→免許を取り消されることはない:◯)
  • 平成25年問26肢2(支店代表者である使用人が、背任罪で罰金刑→免許を取り消されることはない:×)
  • 平成25年問26肢3(非常勤役員が、凶器準備集合・結集罪で罰金刑→免許を取り消されることはない:×)
  • 平成24年問26肢2(非常勤役員が、傷害現場助勢罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成23年問27肢2(役員が、詐欺罪で罰金刑→免許を受けられない:×)
  • 平成22年問27肢2(役員が、業法違反で罰金刑→免許を受けられない:◯)
  • 平成21年問27肢イ(取締役が、業法違反で罰金刑→免許を受けられない:◯)
  • 平成19年問33肢2(取締役が、過失傷害罪で罰金刑→免許を取り消される:×)
  • 平成17年問31肢2(取締役が、贈賄罪で罰金刑→免許を受けられない:×)
  • 平成17年問31肢4(取締役が、暴行罪で罰金刑→免許を取り消される:◯)
  • 平成16年問31肢1(政令で定める使用人が、背任罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成15年問31肢1(役員が、私文書偽造罪で罰金刑→免許を受けられない:×)
  • 平成15年問31肢3(役員が、業法違反で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成15年問31肢4(役員が、傷害罪で罰金刑→免許を受けられない:◯)
  • 平成10年問31肢2(取締役と同等の支配力を有する非常勤顧問が、背任罪で罰金刑→免許が取り消されることはない:×)
  • 平成09年問33肢4(役員が、過失傷害罪で罰金刑→免許を取り消される:×)
  • 平成08年問37肢2(代表取締役が、暴行罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成08年問37肢4(非常勤取締役が、脅迫罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成06年問35肢4(代表取締役が、道交法違反で罰金刑→免許を受けられない:×)
  • 平成06年問50肢1(役員が、業法違反で罰金刑→免許を取り消される:◯)
  • 平成05年問36肢1(取締役が、業務妨害罪で罰金刑→免許を受けられる:◯)
  • 平成03年問39肢イ(代表取締役が、業務上過失致傷罪で罰金刑→免許を受けられる:◯)
  • 平成02年問44肢ア(取締役が、傷害罪で罰金刑→免許を取り消される:◯)
  • 平成01年問39肢1(未成年者で成年者と同一の能力がなく、法定代理人が背任罪で罰金刑→免許を受けられる:×)

3 免許を受けることができない

免許取消処分の前提となる聴聞の期日・場所の公示日から処分決定日までの間に宅建業廃止の届出をした場合には、届出の日から5年を経過しなければ免許を受けることができない(宅地建物取引業法5条1項2号の2、宅地建物取引業法66条1項8号・9号)。

■類似過去問(免許の欠格要件:免許取消処分の前に廃業した場合)
  • 平成21年問27肢ウ(業務停止に先立つ聴聞が公示された日から処分決定の日までの間に廃業届出→届出から5年経たないと免許が受けられない:×)
  • 平成18年問30肢4(業務停止に先立つ聴聞が公示された日から処分決定の日までの間に廃業届出→届出から5年経たないと免許が受けられない:×)
  • 平成08年問37肢3(免許取消処分の聴聞を受けた後、処分前に、相当の理由なく宅建業を廃止した旨の届出をしたが、その届出の日から5年を経過していない者は、免許を受けられる:×)
  • 平成01年問39肢2(業務停止に先立つ聴聞が公示された日から処分決定の日までの間に廃業届出→届出から5年経たないと免許が受けられない:×)

4 免許を受けることができない

非常勤であっても、取締役である以上、「役員」に該当する。この者が、脅迫罪(刑法222条)で罰金刑に処せられることは、免許の欠格要件にあたる。したがって、罰金納付の日(刑の執行を終えた日)から5年経過しないと、D社は、免許を受けることができない(宅地建物取引業法5条7号、同条同項3号の2)。

■類似過去問(免許の欠格要件:役員)
  • 平成25年問26肢3(非常勤役員が、凶器準備集合・結集罪で罰金刑→免許を取り消されることはない:×)
  • 平成24年問26肢2(非常勤役員が、傷害現場助勢罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
  • 平成10年問31肢2(取締役と同等の支配力を有する非常勤顧問が、背任罪で罰金刑→免許が取り消されることはない:×)
  • 平成08年問37肢4(非常勤取締役が、脅迫罪で罰金刑→免許を受けられる:×)
■類似過去問(免許の欠格要件:罰金刑)
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