【宅建過去問】(平成09年問04)消滅時効

AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. Aが弁済期を定めないで貸し付けた場合、Aの債権は、いつまでも時効によって消滅することはない。
  2. AB間に裁判上の和解が成立し、Bが1年後に100万円を支払うことになった場合、Aの債権の消滅時効期間は、和解成立の時から10年となる。
  3. Cが自己所有の不動産にAの債権の担保として抵当権を設定(物上保証)している場合、Cは、Aの債権の消滅時効を援用してAに抵当権の抹消を求めることができる。
  4. AがBの不動産に抵当権を有している場合に、Dがこの不動産に対して強制執行の手続を行ったときは、Aがその手続に債権の届出をしただけで、Aの債権の時効は中断する。

正解:3

1 誤り

消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する(民法166条1項)。
そして、弁済期を定めていない債権では、債権者はいつでも請求できるから、債権成立の時から時効が進行する。
「いつまでも時効消滅しない」わけではない。

期限の定め 消滅時効の起算点
確定期限の定めのある債権 期限到来の時
不確定期限の定めのある債権 期限到来の時
期限の定めがない債権 債権成立のとき
■類似過去問(消滅時効の進行)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
127-01-1債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨は、民法の条文に規定されている。×
226-03-3売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の適用があり、買主が目的物の引渡しを受けた時から進行する。
322-06-3履行不能による損害賠償債務の消滅時効は、本来の債務を請求し得る時から進行する。
409-04-1弁済期を定めない貸金債権は、時効によって消滅しない。×
509-04-2裁判上の和解で1年後の弁済を定めた場合、消滅時効は和解成立の時から10年である。×
602-03-2
返済期を定めていない貸金債権の消滅時効は、貸主の催告の有無にかかわらず、貸し付けたときから起算される。

2 誤り

確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。裁判上の和解、調停など確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様である(民法174条の2第1項)。

しかし、この10年の時効期間の起算点は、権利を行使することができる時である(民法166条1項)。したがって、本肢のケースでは、和解の1年後から起算して10年間が消滅時効期間である。
「和解の時から」カウントするわけではない。

■類似過去問(判決で確定した権利の消滅時効)
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 年-問-肢内容正誤
109‐04‐2裁判上の和解が成立し1年後に支払うことになった場合、消滅時効期間は、和解成立から10年となる。×
201‐02‐2勝訴判決が確定した場合、時効は新たに進行を開始し、その時効期間は10年となる。
■類似過去問(消滅時効の進行)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
127-01-1債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨は、民法の条文に規定されている。×
226-03-3売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の適用があり、買主が目的物の引渡しを受けた時から進行する。
322-06-3履行不能による損害賠償債務の消滅時効は、本来の債務を請求し得る時から進行する。
409-04-1弁済期を定めない貸金債権は、時効によって消滅しない。×
509-04-2裁判上の和解で1年後の弁済を定めた場合、消滅時効は和解成立の時から10年である。×
602-03-2
返済期を定めていない貸金債権の消滅時効は、貸主の催告の有無にかかわらず、貸し付けたときから起算される。

3 正しい

時効の援用権者である「民法145条の当事者」とは、「時効により直接に利益を受ける者」をいう。そして、判例によれば、物上保証人は時効の援用権者にあたる(最判昭43.09.26)。
したがって、C(物上保証人)は、B(債務者)の債権の消滅時効を援用し、A(債権者)に対して、抵当権の抹消を請求することができる。

■類似過去問(時効の援用権者:物上保証人)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
112-02-1
物上保証人は、主たる債務者の消滅時効を援用できる。
209-04-3
物上保証人は、債権の消滅時効を援用して債権者に抵当権の抹消を求めることができる。

4 誤り

不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しない(民法147条。最判平01.10.13)。
したがって、Aが強制執行手続に債権の届出をしただけでは、Aの債権の時効は中断しない。

■類似過去問(時効の中断事由:裁判上の請求)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
109-04-4不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当する。×
207-03-2
債権者が債務者に対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は、時効中断の効力は生じない。
301-02-3
金銭債権の債権者Aが訴えを取り下げた場合、Aの金銭債権は、Aがその取下げをした日から5年間権利を行使しないとき、消滅する。×

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