7月
07
1997

【宅建過去問】(平成09年問09)委任契約

【過去問本試験解説】発売中

Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、当該管理を業としていないBに対して委託した。この場合、民法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

  1. Bが無償で本件管理を受託している場合は、「善良なる管理者の注意」ではなく、「自己の財産におけると同一の注意」をもって事務を処理すれば足りる。
  2. Bが無償で本件管理を受託している場合は、Bだけでなく、Aも、いつでも本件管理委託契約を解除することができる。
  3. Bが有償で本件管理を受託している場合で、Bの責に帰すべからざる事由により本件管理委託契約が履行の中途で終了したときは、Bは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
  4. Bが有償で本件管理を受託している場合で、Bが死亡したときは、本件管理委託契約は終了し、Bの相続人は、当該契約の受託者たる地位を承継しない。

正解:1

1 誤り

委託の受任者は、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う(民法644条)。これは、報酬を受け取る(有償)場合でも、無報酬(無償)の場合でも、異ならない。
無償の委任契約だからといって、「自己の自己の財産におけると同一の注意」に軽減されるわけではない。

■類似過去問(受任者の注意義務)
  • 平成20年問07肢2(委託の受任者は、報酬の有無によらず、善管注意義務を負う:◯)
  • 平成14年問10肢3(受任者が善管注意義務を怠ったとしても、委任者は損害賠償請求をすることができない:×)
  • 平成09年問09肢1(無償の受託者は、善管注意義務ではなく、自己の財産におけると同一の注意義務で足りる:×)

2 正しい

委任契約は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(民法651条1項)。これは、報酬を受け取る(有償)場合でも、無報酬(無償)の場合でも、異ならない。

※ただし、相手方に不利な時期に解除したときは、やむを得ない場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない(民法651条2項)。

■類似過去問(委任契約:解除)
  • 平成18年問09肢1(委任契約は、各当事者がいつでも解除できるが、相手方に不利な時期に解除したときは、相手方に対して損害賠償責任を負う:◯)
  • 平成14年問10肢4(委任はいつでも解除でき、相手方が不利益を受けたときでも、損害賠償請求はできない:×)
  • 平成09年問09肢2(無償の準委任契約は、当事者の双方から、いつでも解除できる:◯)
  • 平成02年問08肢3(無償の委任契約においては、各当事者は、いつでも契約を解除することができ、その解除が相手方のために不利な時期でなければ、その損害を賠償する必要はない:◯)

3 正しい

委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる(民法648条3項)。

※受任者は、特約がない限り、報酬を請求することができない(同条1項)。

■類似過去問(受任者の報酬)
  • 平成14年問10肢2(受任者は、委任契約をする際、有償の合意をしない限り、報酬の請求をすることができないが、委任事務のために使った費用とその利息は、委任者に請求することができる:◯)
  • 平成09年問09肢3(有償で本件管理を受託している場合で、受任者の責に帰すべからざる事由により委任契約が履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる:◯)
  • 平成07年問09肢1(受任者は、特約がなくても、委任者に対して報酬の請求をすることができる:×)
■類似過去問(委任契約:終了)
  • 平成18年問09肢2(委任者が破産手続開始決定を受けた場合、委任契約は終了する:◯)
  • 平成18年問09肢3(委任契約が委任者の死亡により終了した場合、受任者は、委任者の相続人から終了についての承諾を得るときまで、委任事務を処理する義務を負う:×)
  • 平成18年問09肢4(委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う:◯)
  • 平成13年問06肢1(委任契約において、委任者又は受任者が死亡した場合、委任契約は終了する:◯)
  • 平成09年問09肢3(有償の準委任契約が、受託者の責めに帰することができない事由で中途終了したとき、受託者は既履行の割合に応じて報酬を請求できる:◯)
  • 平成09年問09肢4(有償の準委任契約は、受託者の死亡によって終了し、受託者の相続人はその地位を相続しない:◯)
  • 平成07年問09肢3(委任者が死亡したとき、委託契約は終了するが、急迫の事情がある場合においては、受任者は、その管理業務を行う必要がある:◯)

4 正しい

委任契約は、以下の事由によって終了する(民法653条)。

  1. 委任者or受任者の死亡
  2. 委任者or受任者の破産
  3. 受任者の後見開始

本肢では、受任者Bが死亡したことにより、委任契約は終了する。Bの相続人は、受託者たる地位を承継しない。

■類似過去問(委任契約:終了)
  • →肢3

>>年度目次に戻る

Written by 家坂 圭一 in: 平成09年過去問,民法 |

コメントはまだありません »

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes