7月
07
1997

【宅建過去問】(平成09年問39)手付

【過去問本試験解説】発売中

宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前の分譲住宅の売買契約(代金5,000万円、手付金200万円、中間金200万円)を締結した。この場合に、宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

  1. Aは、手付金を受け取る時点では、宅地建物取引業法第41条に規定する手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)を講ずる必要はない。
  2. 売買契約で手付金が解約手付であることを定めておかなかった場合でも、Aが契約の履行に着手していなければ、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができる。
  3. 売買契約で「手付放棄による契約の解除は、契約締結後30日以内に限る」旨の特約をしていた場合でも、契約締結から45日経過後にAが契約の履行に着手していなければ、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができる。
  4. 契約締結時の2月後で分譲住宅の引渡し及び登記前に、Aが中間金を受け取る場合で、中間金を受け取る時点では当該分譲住宅の建築工事が完了していたとき、Aは、手付金及び中間金について保全措置を講ずる必要はない。

正解:4

1 正しい

未完成物件の場合、保全措置が必要となるのは、代金の5%を超える金額を受領するときである(宅地建物取引業法41条1項)。具体的には、5,000万円×5%=250万円を超える金額を受領する場合に、保全措置が必要となる。
本問では、受領する手付金は200万円であるから、保全措置を講ずる必要はない。。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了前の物件)
  • 平成26年問33肢2(代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成26年問33肢3(代金5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない:×)
  • 平成25年問40肢4(代金4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要:×)
  • 平成23年問38肢3(代金3,000万円/代金に充当される申込証拠金5万円・手付金200万円→申込証拠金についても保全措置が必要:◯)
  • 平成23年問38肢4(代金3,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金についても保全措置が必要:◯)
  • 平成21年問39肢3(代金5,000万円/手付金500万円・中間金250万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成21年問39肢4(代金5,000万円/手付金2,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない:×)
  • 平成20年問41肢1(代金5,000万円/手付金200万円→保全措置を講じずに受領すると宅建業法に違反する:×)
  • 平成20年問41肢3(代金1億円/手付金1,500万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成19年問43肢2(代金1億円/手付金1,500万円・中間金1,500万円→手付金・中間金それぞれにつき保全措置が必要:◯)
  • 平成16年問44肢1(代金の1/10以下で、かつ、1,000万円以下であれば、保全措置不要:×)
  • 平成13年問41肢1(代金4,000万円/申込証拠金10万・手付金300万円→申込証拠金についても保全措置が必要:◯)
  • 平成13年問41肢4(代金4,000万円/手付金300万円・中間金100万→中間金についても保全措置が必要:◯)
  • 平成09年問39肢1(代金5,000万円/手付金200万円→手付金につき保全措置は不要:◯)
  • 平成05年問43肢3(代金6,000万円/手付金500万円・中間金1,000万円→中間金受領の際に手付金についてもまとめて保全措置:×)
  • 平成03年問49肢2(代金15,000万円/申込証拠金30万円・手付金2,000万円・中間金6,000万円→保全措置の対象は2,000万円:×)
  • 平成01年問42肢1(代金1億2,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円→中間金受領の際に保全措置を講じればよい:×)

2 正しい

宅建業者が自ら売主となる場合の手付は、特に定めがなかったとしても解約手付とされる。つまり、「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる」(宅地建物取引業法39条2項)。
本肢では、売主Aが履行に着手していないのだから、買主Bは、手付を放棄するだけで契約を解除することができる。

■類似過去問(手付解除できる当事者)
  • 平成26年問31肢ウ(「手付解除は契約後30日以内」と定めた場合、契約から30日経過したときは、売主が履行に着手していなかったとしても、買主は手付解除ができない:×)
  • 平成23年問37肢1(手付金+中間金を支払った買主からの手付解除は不可:×)
  • 平成22年問39肢4(手付金+内金を受け取った売主からの手付解除は不可:◯)
  • 平成22年問40肢3(「売主の着手後も買主からの手付解除が可能」という特約は無効:×)
  • 平成21年問39肢1(両者未着手の段階で、買主からの手付解除を拒む売主の行為は、宅建業法に違反しない:×)
  • 平成19年問43肢4(解約手付の定めがなくても、売主の着手前であれば、買主は手付解除が可能:◯)
  • 平成18年問40肢4(引渡債務の履行に着手した売主が買主の手付解除を拒否しても宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成14年問40肢2(買主が代金の一部支払後、売主からの手付解除は不可:◯)
  • 平成09年問39肢2(解約手付と定めていなくても、売主が履行に着手していなければ、買主は手付解除ができる:◯)
  • 平成09年問39肢3(「手付解除は契約後30日以内」と定めた場合、契約から45日経過したときであっても、売主が履行に着手していなければ、買主は手付解除ができる:◯)
  • 平成04年問44肢3(「売主が履行完了するまで、買主は手付解除ができる」という特約は、宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成03年問49肢3(売主が手付金等保全措置を講じた後は、買主から手付解除をすることができない:×)

3 正しい

「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる」というのが、宅建業法のルールである(宅地建物取引業法39条2項)。そして、これよりも、買主に不利な特約は、無効とされる(同法同条3項)。
本肢のような「手付解除は、契約締結後30日以内に限る」という特約は、宅建業法の規定よりも買主に不利なものであり、無効となる。すなわち、契約締結45日後であっても、買主は手付解除が可能である。

■類似過去問(手付解除できる当事者)
  • →肢2

4 誤り

手付金等の保全措置を講ずる必要がなくなるのは、買主への所有権移転登記をした場合である(宅地建物取引業法41条1項但書)。本肢では、建築工事が完了しているだけであって、移転登記はなされていない。
そして、手付金と中間金を加えると450万円であり、売買代金(5,000万円)の5%である250万円を超えている。
したがって、保全措置が必要である。

■類似過去問(手付金等の保全措置:所有権移転登記がされたとき)
  • 平成26年問33肢4(買主への所有権移転登記が完了したときは、保全措置を講じなくてもよい:◯)
  • 平成19年問34肢3(買主への所有権移転登記がされたときは、保全措置を講じなくてもよい:◯)
  • 平成19年問43肢2(引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合、手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて、保全措置を講じなければならない:◯)
  • 平成18年問39肢4(買主への所有権移転登記をすれば、金額を問わず保全措置を講ずる必要はない:◯)
  • 平成14年問40肢3(手付が代金の1/10を超え、かつ1,000万円を超える場合、いかなる場合も保全措置を行わなければならない:×)
  • 平成09年問39肢4(住宅の引渡し及び登記前でも、建築工事が完了している場合には、保全措置は不要:×)
  • 平成04年問41肢3(手付金を受領する際に銀行と保証委託契約を締結したが、その後売主への所有権移転登記を行ったので、保証委託契約を解約した場合、宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成03年問49肢4(残代金を所有権移転登記完了後に支払う場合、残代金の受領については、手付金等保全措置を講ずる必要はない:◯)
  • 平成02年問42肢1(宅地の引渡し及び登記の移転を残代金の支払いと同時とした場合、保全措置を講ずることなく、手付金及び中間金を受領することができる:×)

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