7月
07
1998

【宅建過去問】(平成10年問36)8つの規制

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宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと宅地の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 売買契約の締結に際し、AがBから預り金の名義をもって50万円を受領しようとする場合で、当該預り金が売買代金に充当されないものであるとき、Aは、国土交通省令で定める保全措置を講じなければならない。
  2. 売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を売買代金の額の2割と予定した場合には、違約金を定めることはできない。
  3. BがAの事務所で買受けの申込みをし、1週間後にBの自宅の近所の喫茶店で売買契約を締結した場合、Bは、当該契約を締結した日から8日以内であれば、宅地建物取引業法第37条の2の規定により契約を解除することができる。
  4. 売買契約でAの債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定した場合は、Aの宅地の瑕疵を担保すべき責任に関し、その宅地の引渡しの日から1年となる特約をすることができる。

正解:2

1 誤り

「支払金又は預り金」の保全措置を講ずるかどうか、は任意であって、「講じなければならない」という局面は存在しない。

※宅建業法が規定しているのは、「支払金・預り金の保全措置を講ずるかどうか、講ずる場合はその概要」を重要事項説明書(35条書面)に記載しなければならない、ということだけである(宅地建物取引業法35条1項11号)。

■類似過去問(35条書面:支払金又は預り金)
  • 平成10年問36肢1(売買契約の締結に際し、売主である宅建業者Aが宅建業者でない買主Bから預り金の名義をもって50万円を受領しようとする場合で、当該預り金が売買代金に充当されないものであるとき、Aは、国土交通省令で定める保全措置を講じなければならない:×)
  • 平成09年問37肢3(50万円未満の額の預り金を授受する場合の当該預り金の保全措置の概要を重要事項として説明しなければならない:×)
  • 平成03年問45肢1(取引の対象となる宅地又は建物に関し50万円の預り金を受領しようとする場合において、宅地建物取引業法第64条の3第2項の規定による保証の措置等を講ずるかどうか、を重要事項として説明しなければならない:◯)

2 正しい

損害賠償の予定額と違約金の額を合算した額が代金の10分の2を超えることは禁止されている(宅地建物取引業法38条1項)。
したがって、損害賠償額を代金の2割と予定した場合には、違約金を定めることができない。

■類似過去問(損害賠償の予定等の制限)
  • 平成25年問38肢イ(損害賠償の予定額と違約金の合計額を20%とする特約は有効:◯)
  • 平成24年問38肢イ(損害賠償10%+違約金20%の特約をした場合、違約金については全て無効:×)
  • 平成23年問37肢3(損害賠償+違約金で10%の特約が可能:◯)
  • 平成22年問39肢2(損害賠償20%+違約金10%の特約は有効:×)
  • 平成22年問40肢2(損害賠償15%+違約金15%の特約が可能:×)
  • 平成21年問37肢1(手付金5%を受け取った場合、損害賠償の予定を15%とすることはできない:×)
  • 平成20年問40肢2(売主の違約金を30%とする特約が可能:×)
  • 平成18年問39肢2(損害賠償+違約金が20%を超える特約は不可:◯)
  • 平成17年問43肢2(損害賠償40%とする特約が可能:×)
  • 平成15年問38肢4(損害賠償+違約金で33%の特約は違法:◯)
  • 平成12年問40肢4(代金の20%の手付金を違約手付とする特約を定めた場合、別途損害賠償の予定を定めることができる:×)
  • 平成10年問36肢2(損害賠償を20%と予定した場合、違約金を定めることはできない:◯)
  • 平成08年問46肢3(損害賠償を10%と予定しても、実際の損害が大きければ20%まで請求できる:×)
  • 平成07年問43肢2(損害賠償の予定額20%、別に違約金10%という特約をすることはできない:◯)
  • 平成07年問45肢4(損害賠償の予定額として、5%の手付に加え、20%を支払うという特約は有効である:×)
  • 平成05年問43肢2(違約金20%とする特約が可能:◯)
  • 平成04年問44肢4(違約金と損害賠償額の予定を合わせて20%超としても、宅建業法に違反しない:×)

3 誤り

宅建業者の事務所で買受けの申込みをした以上、クーリング・オフの対象にはならない(宅地建物取引業法37条の2第1項)。
※「買受けの申込み」が事務所等で行われた以上、契約締結場所がどこであってもクーリング・オフは成立しない。

買受けの申込みを
事務所等で それ以外で
契約の締結を 事務所等で ×
それ以外で ×
■類似過去問(事務所等で買受けの申込み→事務所等以外で契約締結)
  • 平成24年問37肢4(事務所で買受けの申込み→レストランで契約締結|クーリング・オフ可能:×)
  • 平成17年問41肢1(モデルルームで買受けの申込み→喫茶店で契約締結|クーリング・オフ不可:◯)
  • 平成17年問41肢2(事務所で買受けの申込み|クーリング・オフ不可:◯)
  • 平成14年問45肢1(買主の申出により自宅で買受けの申込み→ホテルのロビーで契約締結|クーリング・オフ不可:◯)
  • 平成13年問43肢4(専任の主任者がいる現地案内所で買受けの申込み|クーリング・オフ可能:×)
  • 平成10年問36肢3(事務所で買受けの申込み→喫茶店で契約締結|クーリング・オフ可能:×)

4 誤り

瑕疵担保責任に関する特約として認められているのは、「目的物の引渡しの日から2年以上」となるものだけである(宅地建物取引業法40条1項)。
本肢の「引渡しの時から1年」という特約は、この宅建業法の規定に比べて買主に不利であるから宅建業法の規定に違反し、無効となる(宅地建物取引業法40条2項)。

※「損害賠償額の予定」をするかどうか、は結論と全く無関係。

※特約が無効となる結果、民法の担保に関する規定が適用され、瑕疵担保期間は「買主が瑕疵を知った時から1年」となる(民法570条、民法566条3項)。

■類似過去問(瑕疵担保責任を負う期間)
  • 平成26年問31肢ア(「引渡しから3年」とする特約は無効:×)
  • 平成24年問39肢3(「引渡しから2年」という特約は有効:◯)
  • 平成23年問37肢4(「瑕疵発見から2年」という特約は有効:◯)
  • 平成22年問40肢1(「引渡しから3年」という特約は有効:◯)
  • 平成21年問40肢4(「引渡しから2年」という特約は有効:◯)
  • 平成20年問40肢4(「引渡しから2年かつ瑕疵発見から30日」という特約は有効:×)
  • 平成17年問42肢3(「契約締結から2年」という特約は有効:×)
  • 平成15年問41肢4(「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる:×)
  • 平成14年問41肢1(「引渡しから半年」という特約は有効:×)
  • 平成12年問40肢1(「引渡しから1年」という特約は無効で、「瑕疵発見から1年」となる:◯)
  • 平成11年問33肢3(「引渡しから2年、買主の知っている瑕疵は担保しない」という特約は有効:◯)
  • 平成10年問36肢4(損害賠償額を予定した場合、「引渡しから1年」という特約は有効:×)
  • 平成09年問41肢3(「契約締結から2年、その期間内に瑕疵修補請求権も行使できる」という特約は有効:×)
  • 平成09年問41肢4(「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる:×)
  • 平成08年問48肢2(「引渡しから1年」という特約は業者間では有効だが、業者以外を売主・業者を買主とする売買契約では無効:×)
  • 平成07年問43肢1(「引渡しから2年」という特約をしたときでも、瑕疵発見から1年は瑕疵担保責任を負う:×)
  • 平成07年問45肢1(「瑕疵発見から1年半」という特約は有効:◯)
  • 平成06年問43肢1(「瑕疵の事実を知ってから1年」と定めても、「引渡しから2年」は責任を負う:×)

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