7月
03
1999

【宅建過去問】(平成11年問05)弁済

【過去問本試験解説】発売中

Aが、Bに対して不動産を売却し、所有権移転登記及び引渡しをした場合のBの代金の弁済に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. Bの親友Cが、Aに直接代金の支払いを済ませても、それがBの意思に反する弁済である場合には、Bの代金債務は消滅しない。
  2. Aが、Bに対し代金債権より先に弁済期の到来した別口の貸金債権を有する場合に、Bから代金債権の弁済として代金額の支払いを受けたとき、Aは、Bの意思に反しても、代金債権より先にその貸金債権に充当することができる。
  3. Bが、「AからDに対して代金債権を譲渡した」旨記載された偽造の文書を持参した代金債権の準占有者Dに弁済した場合で、Bが善意無過失であるとき、Bは、代金債務を免れる。
  4. Bの友人Eが、代金債務を連帯保証していたためAに全額弁済した場合、Eは、Aの承諾がないときでも、Aに代位する。

正解:2

【1】 ◯ 正しい

利害関係を有しない第三者も弁済をすることができるが、当事者の意思に反してまで弁済をすることはできない(民法474条2項)。
親友というだけでは「法律上の利害関係を有する第三者」とはいえない。
このような利害関係のない第三者による弁済は債務者の意思に反してはなし得ず、無効となる。
したがってBの代金債務は消滅しない。

■類似過去問(第三者の弁済)
  • 平成20年問08肢1(借地上の建物の賃借人は、借地人の意思に反しても、地代を弁済できる:◯)
  • 平成20年問08肢4(借地上の建物の賃借人が土地賃借人に代わって地代を弁済した場合、土地賃貸人は地代不払を理由に借地契約を解除できない:◯)
  • 平成17年問07肢1(借地上の建物の賃借人は、借地人の意思に反して、地代を弁済することができない:×)
  • 平成16年問04肢1(利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反しても、弁済することができる:×)
  • 平成11年問05肢1(債務者の親友が、債務者の意思に反して弁済しても、債務は消滅しない:◯)
  • 平成11年問05肢4(連帯保証人が債務全額を弁済した場合、連帯保証人は、債権者の承諾がないときでも、債権者に代位する:◯)
  • 平成05年問06肢1(債務者の兄は、債務者が反対しても、債権者が承諾すれば、弁済できる:×)
  • 平成04年問06肢4(抵当不動産の第三取得者は、債権者・債務者の反対の意思表示のないときは、Bの債務を弁済して、抵当権を消滅させることができる:◯)
  • 平成02年問06肢4(抵当不動産の第三取得者は、債務者の債権者に対する債務を弁済することができる:◯)

【2】 X 誤り

弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りない場合、その弁済をどの債務に充当するかは 弁済者(本肢のB)が指定する(民法488条1項)。
※弁済受領者(本肢のA)が指定するのは、弁済者が指定しなかった場合である(民法488条2項)。

本肢では、弁済者であるBが「代金債権の弁済として」支払いをしている以上、この弁済は代金債権に充当される。弁済受領者Aの判断で貸金債権に充当することはできない。

【3】 ◯ 正しい

債権の準占有者に対して、善意無過失でなした弁済は有効になる(民法478条)。
Aは、Bの弁済受領権限について善意かつ無過失なので、その弁済は有効となる。

■類似過去問(準占有者に対する弁済)
  • 平成17年問07肢2(債権者の代理人と称する者に対して弁済した場合、その者に弁済受領権原の外観があり、弁済者が善意無過失であれば、弁済は有効である:◯)
  • 平成11年問05肢3(偽造文書を持参した債権の準占有者に弁済した場合、弁済者は、善意無過失であれば、債務を免れる:◯)

【4】 ◯ 正しい

連帯保証人EはBの弁済について「法律上の利害関係」を有する第三者である。
したがってEは、Bの意思に反しても、債務の弁済をすることができる(民法474条2項)。
また、連帯保証人Eは、「弁済をするについて正当な利益を有する者」にあたるので、弁済によって当然に債権者に代位する(民法500条)。

■類似過去問(第三者の弁済)
  • →肢1
■類似過去問(弁済による代位)
  • 平成11年問05肢4(連帯保証人が債務全額を弁済した場合、連帯保証人は、債権者の承諾がないときでも、債権者に代位する:◯)
  • 平成10年問04肢4(連帯保証人が債権者に対して全額弁済した場合に、主債務者に対して債権者が有する抵当権を代位行使するためには、連帯保証人は、債権者の承諾を得る必要がある:×)
  • 平成06年問05肢3(連帯保証人は、債務者に対して債権者に代位できるが、第三取得者に対して代位するには、代位の付記登記が必要である:◯)
  • 平成06年問05肢4(第三取得者が弁済した場合、債務者及び連帯保証人に対して債権者に代位できる:×)
  • 平成05年問06肢2(主債務者の保証人が債権者に弁済した場合、保証人は、債権者の承諾がなくても、債権者に代位することができる:◯)
  • 平成02年問06肢4(抵当不動産の第三取得者が債務者に代わって弁済した場合、債務者に対して支払いを請求できる:◯)

>>年度目次に戻る

Written by 家坂 圭一 in: 平成11年過去問,民法 |

2 Comments »

  • りょうすけ

    2の解説、途中の()内のABが入れ替わってませんか?

    Comment | 2008/02/22
  • 家坂@クイック

    りょうすけ様

    講師の家坂です。
    ご指摘ありがとうございます。
    返信が遅くなり大変申し訳ございません。

    ご指摘の通り、肢2の解説において、AとBとが全面的に入れ違ってます。
    正しくは弁済者がB、弁済受領者がAです。

    解説は既に訂正させていただきました。
    この度はご指摘いただき、ありがとうございました。
    また何かありましたら、宜しくお願い申し上げます。

    Comment | 2008/03/13

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes