7月
04
1999

【宅建過去問】(平成11年問10)売主の担保責任

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AからBが建物を買い受ける契約を締結した場合(売主の担保責任についての特約はない。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. この建物がCの所有で、CにはAB間の契約締結時からこれを他に売却する意思がなく、AがBにその所有権を移転することができない場合でも、AB間の契約は有効に成立する。
  2. Aが、この建物がAの所有に属しないことを知らず、それを取得してBに移転できない場合は、BがAの所有に属しないことを知っていたときでも、Aは、Bの受けた損害を賠償しなければ、AB間の契約を解除することができない。
  3. AがDに設定していた抵当権の実行を免れるため、BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合で、BがAB間の契約締結時に抵当権の存在を知っていたとき、Bは、Aに対し、損害の賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はすることができる。
  4. Bが、この建物の引渡し後、建物の柱の数本に、しろありによる被害があることを発見した場合は、AがAB間の契約締結時にこのことを知っていたときでないと、Bは、Aに損害賠償の請求をすることはできない。

正解:1

【1】 ◯ 正しい

他人物売買契約も、当事者間(AB間)においては有効である(民法560条)。
目的物の所有者Cに売却の意思が全くなかったとしても、この結論には変わりがない(最判昭25.10.26)。
の意思とは関係がない。

■類似過去問(他人物売買の有効性)
  • 平成21年問10肢3(他人の所有物を目的物とした場合、売買契約は無効である:×)
  • 平成13年問01肢1(共有者の一人が共有物全体を売却した場合、売買契約は有効である:◯)
  • 平成11年問10肢1(所有者に売却意思がなくても、他人物の売買契約は有効に成立する:◯)
  • 平成01年問04肢1(売買契約の目的物である土地が第三者の所有であって、当該第三者に譲渡の意思がないときは、契約は無効となる:×)

【2】 X 誤り

売主が、他人物であることについて善意(知らない)の場合、売主の方から解除をすることができる(民法562条1項)。
この際、買主が悪意(知っている)であれば、損害賠償をする必要はない(民法562条2項)。

【3】 X 誤り

買主Bが、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主Aに対し、その費用の償還を請求することができる(民法567条2項)。
さらに損害があった場合には損害賠償を請求することができる(民法567条3項)。
※これは、買主が抵当権の存在を知っていた(悪意)か、知らなかった(善意)か、に関わらず発生する売主の担保責任である。

■類似過去問(抵当権等がある場合における売主の担保責任)
  • 平成20年問09肢2(抵当権が設定された土地の購入者が、抵当権の実行により所有権を失った場合、抵当権の設定につき悪意であっても、契約を解除できる:◯)
  • 平成17年問09肢3(抵当権が設定された不動産の購入者が、抵当権の実行により所有権を失った場合、抵当権の設定につき悪意であるときは、契約を解除できるが、損害賠償請求はできない:✕
  • 平成11年問10肢3(抵当権が設定された不動産の購入者が、抵当債務を弁済した場合、抵当権の設定につき悪意であるときは、損害賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はできる:×)
  • 平成08年問08肢3(抵当権の目的となっている土地の購入者が、抵当権の実行により所有権を失った場合、契約を解除できる:◯)
  • 平成04年問06肢3(抵当権の存在を知らなかった建物の購入者は、抵当権の実行前でも、契約を解除できる:×)
  • 平成02年問06肢1(土地の買主Aは、契約の際Cの抵当権のあることを知らなくても、その理由だけでは、Aと売主Bとの間の売買契約を解除することはできない:◯)
  • 平成01年問04肢4(売買の目的物である土地に抵当権が設定されていて、買主がそのことを知らなかったときは、買主は、その事実を知ったとき、抵当権行使の有無に関係なく、契約を解除することができる:×)

【4】 X 誤り

瑕疵担保責任は売主が追う無過失責任である(民法570条、民法566条)。
「しろあり被害」という「瑕疵」があった以上、Aは瑕疵担保責任を負う。
Aがこのことを知っていたか否かで結論は異ならない。

■類似過去問(瑕疵担保責任:無過失責任)
  • 平成21年問10肢1(瑕疵につき売主が善意で、買主が善意無過失の場合、売主は瑕疵担保責任を負わない:×)
  • 平成14年問09肢1(買主が、売主の帰責性を証明した場合に限り、瑕疵担保責任を追及できる:×)
  • 平成11年問10肢4(売主が瑕疵につき契約時に悪意でないと、瑕疵担保責任を追及できない:×)

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Written by 家坂 圭一 in: 平成11年過去問,民法 |

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