7月
05
1999

【宅建過去問】(平成11年問34)重要事項説明

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宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと土地付建物の売買契約を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「重要事項説明書」とは、同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面をいうものとする。

  1. 当該建物の敷地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため、甲市に払下げを申請中である場合、Aは、重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し、その旨をBに説明すれば、売買契約を締結することができる。
  2. Bが、当該建物の近所に長年住んでおり、その建物に関する事項を熟知していると言っている場合、Aは、Bに対して重要事項説明書を交付すれば、重要事項の説明を行うことなく、売買契約を締結することができる。
  3. 損害賠償額の予定及び違約金について、Bから提示された内容のとおりとする場合、Aは、重要事項説明書に記載してその内容を説明することなく、売買契約を締結することができる。
  4. Aが、遠隔地に住んでいるBの了承を得て、「Bが希望する時期に説明をする」旨の条件付きで重要事項説明書を郵送した場合で、Bから希望する時期を明示されないときでも、Aは、重要事項の説明を行った後に限り、売買契約を締結することができる。

正解:4

1 誤り

宅建業者は、自己の所有に属しない宅地・建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む)を締結することができない(宅地建物取引業法33条の2)。
例外は以下の場合である。

(1) 宅建業者がその宅地・建物を取得する契約を締結しているとき。
(予約を含む。契約の効力発生が条件に係るものは除く。)
(2) 宅建業者がその宅地・建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令で定めるとき。
(3) その宅地・建物の売買が法41条第1項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第1号又は第2号に掲げる措置が講じられているとき。
(工事完了前の物件に関し手付金等の保全措置が講じられている場合)

本肢では、「甲市に払下げを申請中」というだけであり、甲市との間で取得契約が締結されているわけではない(ルール(1))。したがって、Bとの間で売買契約を締結することはできない。

※「重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し,その旨をBに説明」したとしても、契約ができることになるわけではない。

■類似過去問(取得契約が存在しない場合)
  • 平成26年問31肢イ(売却予定の宅地の一部に市所有の土地が含まれていた場合でも、払下を申請済であり、その旨を重要事項説明書に払下申請書の写しを添付して説明したときは、売買契約を締結できる:×)
  • 平成21年問31肢ア(造成完了後の土地については、取得契約締結の有無に関わらず、転売契約を締結できる:×)
  • 平成13年問34肢エ(競売開始が決定した物件であれば、入札前であっても、転売契約が可能である:×)
  • 平成13年問45肢イ(他人所有の宅地・建物につき、自ら売主となる売買の予約を締結することは、宅建業法により禁止されている:◯)
  • 平成11年問34肢1(払下げ申請中の場合、重要事項説明書に払下げ申請書の写しを添付し説明すれば、転売契約が可能である:×)

2 誤り

重要事項説明では、単に書面を交付するだけでは不十分で、取引主任者がその内容を説明をしなければならない(宅地建物取引業法35条1項)。
相手方が、物件に関して熟知しているからといって、説明義務が免除されることはない。

■類似過去問(35条書面:説明)
  • 平成26年問35肢3(主任者証の有効期間が満了している場合、35条書面に記名押印できるが、取引の相手方に対し説明はできない:×)
  • 平成26年問36肢1(取引主任者ではないが宅建業者の最高責任者である代表取締役は、重要事項説明をする者として問題ない:×)
  • 平成26年問36肢2(物件の契約条件についてチラシに詳しく書いた場合、重要事項説明を省略することができ、重要事項説明書は、入居後、郵便受けに入れる方法で交付すればよい。:×)
  • 平成26年問36肢3(物件担当の取引主任者が急用で対応できなくなった場合、重要事項説明書にある取引主任者欄を訂正の上、別の取引主任者が記名押印をし、取引主任者証を提示した上で、重要事項説明をすることができる:◯)
  • 平成26年問40肢イ(37条書面の交付に当たっては、取引主任者をして、書面に記名押印の上、内容を説明させなければならない:×)
  • 平成23年問33肢1(主任者でない宅建業者の代表者が重要事項説明を行っても宅建業法に違反しない:×)
  • 平成23年問33肢2(有効期間満了後の主任者証を提示して重要事項説明を行っても宅建業法に違反しない:×)
  • 平成19年問40肢1(35条書面・37条書面のいずれの交付に際しても、主任者の記名押印と内容説明が必要である:×)
  • 平成16年問34肢4(有効期間内に主任者証を更新しなかった主任者が、重要事項説明をした場合、宅建業者は、業務停止処分を受けることがある:◯)
  • 平成13年問43肢1(35条書面の説明を行うのは、専任の取引主任者でなければならない:×)
  • 平成12年問31肢1(35条書面の説明を行うのは、必ずしも成年者である専任の主任者である必要はない:◯)
  • 平成11年問34肢2(買主が物件を熟知してる場合、重要事項説明書を交付すれば、説明を省略できる:×)
  • 平成10年問39肢1(複数の宅建業者が媒介した場合、いずれかの業者の主任者が重要事項説明すればよい:◯)
  • 平成04年問42肢3(35条書面・37条書面のいずれの交付に際しても、交付前に、主任者をして内容説明をさせなければならない:×)

3 誤り

「損害賠償額の予定又は違約金に関する事項」は、重要事項に当たる(宅地建物取引業法35条1項9号)。したがって、35条書面に記載するとともに、説明をしなければならない。
買主の提示通りであるからといって、記載・説明の義務が免除されるわけではない。

■類似過去問(35条書面:損害賠償額の予定)
  • 平成16年問38肢3(損害賠償額の予定は重要事項として説明しなければならない:◯)
  • 平成11年問34肢3(損害賠償額の予定及び違約金について、顧客から提示された内容のとおりとする場合、重要事項として説明する必要はない:×)
  • 平成01年問47肢4(損害賠償の予定額については、37条書面で説明することとし、説明を省略した:×)

4 正しい

重要事項の説明は、契約が成立するまでの間に行わなければならない(宅地建物取引業法35条1項)。
本肢では、重要事項説明書を郵送しており、この段階では説明はなされていない。しかし、結局、「重要事項の説明を行った後に限り、売買契約を締結することができる」というのであり、宅建業法のルールは厳守されている。

■類似過去問(35条書面:タイミング)
  • 平成26年問36肢4(この物件は人気物件ですので、申込みをいただいた時点で契約成立とさせていただきます。後日、重要事項説明書を兼ねた契約書を送付いたしますので、署名押印の上、返送していただければ、手続は全て完了いたします。:×)
  • 平成24年問32肢2(買主の要求により、35条書面の交付・説明に先立って契約を締結し37条書面を交付しても、宅建業法に違反しない:×)
  • 平成23年問33肢3(買主の申出により、契約締結後に重要事項を説明した場合、宅建業法に違反しない:×)
  • 平成23年問33肢4(35条書面を先に交付し、その後契約締結前に重要事項説明を行った場合、宅建業法に違反しない:◯)
  • 平成17年問39肢4(売主・買主双方の了解を得て、契約締結後に重要事項説明をしても、宅建業法に違反しない:×)
  • 平成11年問34肢4(重要事項説明書を郵送した場合、その説明を行った後に限り、契約を締結することができる:◯)
  • 平成09年問38肢4(重要事項の口頭説明の後、契約を成立させ、その後に重要事項説明書を郵送した場合、宅建業法に違反しない:×)
  • 平成04年問37肢3(宅建業者である売主が、「建物の形状・構造については、工事が完了した後に説明する」と重要事項説明を行った上で売買契約を締結した場合、宅建業法に違反する:◯)

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