9月
16
2000

【宅建過去問】(平成12年問05)根抵当権

【過去問本試験解説】発売中

根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で、設定することができる。
  2. 根抵当権の極度額は、いったん登記がされた後は、後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得た場合でも、増額することはできない。
  3. 登記された極度額が1億円の場合、根抵当権者は、元本1億円とそれに対する最後の2年分の利息及び損害金の合計額につき、優先弁済を主張できる。
  4. 根抵当権の被担保債権に属する個別の債権が、元本の確定前に、根抵当権者から第三者に譲渡された場合、その第三者は、当該根抵当権に基づく優先弁済を主張できない。

正解:4

1 誤り

根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するものである(民法398条の2)。
あくまでも、「一定の範囲」に属する必要があり、「現在及び将来の全ての債権を担保する」という内容で根抵当権を設定することはできない。

■類似過去問(根抵当権:被担保債権の特定)
  • 平成26年問04肢1(普通抵当権では被担保債権の特定が必要だが、根抵当権ではあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権にできる:×)
  • 平成26年問04肢1(普通抵当権では被担保債権の特定が必要だが、根抵当権ではあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権にできる:×)
  • 平成15年問06肢1(普通抵当権でも、根抵当権でも、被担保債権の特定が必要である:×)
  • 平成15年問06肢2(普通抵当権でも、根抵当権でも、現在は発生しておらず、将来発生する可能性がある債権を被担保債権とすることができる:◯)
  • 平成12年問05肢1(根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で、設定することができる:×)
  • 平成08年問07肢1(根抵当権は、将来有することとなる不特定の貸付金債権であっても、一定の種類の取引によって生ずるものに限定されているときは、設定することができる:◯)
  • 平成03年問07肢2(不動産を目的とする担保物権の中には、被担保債権が将来のものであっても存在するものがある:◯)

2 誤り

利害関係者の承諾を得れば、根抵当権の極度額を変更することができる(民法398条の5)。

時期 利害関係人の承諾
被担保債権の範囲 元本確定前 不要
債務者
確定期日 確定期日前
極度額 確定後も可能 必要

※被担保債権の範囲、債務者、元本確定期日などを変更する場合、後順位抵当権者の承諾は不要である(同法398条の4、398条の6)。後順位抵当権者は、先順位の根抵当権者が極度額の範囲で根抵当権を有していることを覚悟している。そのため、これらの事項に変化があったとしても、後順位抵当権者の利害には影響がないからである。これに対し、極度額を変更した場合には、利害関係者に影響を及ぼす。したがって、極度額の変更については、利害関係者の承諾を得なければならない(同法398条の5)。

■類似過去問(根抵当権の変更)
  • 平成19年問08肢1(元本確定前に、被担保債権の範囲を変更するには、後順位抵当権者の承諾が必要である:×)
  • 平成12年問05肢2(根抵当権の極度額は、いったん登記がされた後は、後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得た場合でも、増額することはできない:×)
  • 平成01年問05肢2(根抵当権者は、後順位抵当権者の承諾を得ることなく、担保すべき債権の範囲を変更できる:◯)
  • 平成01年問05肢4(根抵当権者は、元本の確定後においても、利害関係を有する者の承諾を得て、根抵当権の極度額の変更をすることができる:◯)

3 誤り

根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額(1億円)の限度で優先弁済を受けることができる(民法398条の3第1項)。
利息・損害金があったとしても、極度額を超えて優先弁済を受けることはできない。

※通常の抵当権(根抵当でない場合)では、利息・損害金について、最後の2年分についてのみ行使することができる(民法375条)。

■類似過去問(根抵当権:被担保債権の範囲)
  • 平成23年問04肢1(極度額の範囲内でも、遅延損害金として満期となった最後の2年分の利息しか請求できない:×)
  • 平成19年問08肢3(極度額を超えても、遅延損害金として満期となった最後の2年分の利息を請求できる:×)
  • 平成15年問06肢4(普通抵当権でも、根抵当権でも、遅延損害金は最後の2年分の利息の範囲内に限られる:×)
  • 平成12年問05肢3(極度額が1億円の場合、根抵当権者は、元本1億円とそれに対する最後の2年分の利息及び損害金の合計額につき、優先弁済を主張できる:×)
  • 平成08年問07肢2(極度額に加え、遅延損害金として満期となった最後の2年分の利息を請求できる:×)
  • 平成08年問07肢3(確定期日後の利息・損害金も極度額の範囲で優先弁済される:◯)

4 正しい

元本の確定前は、被担保債権に属する個別の債権を譲り受けても、譲受人は根抵当権を行使することができない(民法398条の7第1項)。
一般の抵当権とは異なり、元本確定前の根抵当権には随伴性がないのである。

■類似過去問(根抵当権:被担保債権の譲渡)
  • 平成23年問04肢2(元本確定前に被担保債権を譲り受けても、根抵当権を行使できない:◯)
  • 平成19年問08肢2(元本確定前に被担保債権を譲り受けた者は、確定日付のある証書で債権譲渡通知をすれば、根抵当権を行使できる:×)
  • 平成15年問06肢3(普通抵当権にも、根抵当権にも、随伴性がある:×)
  • 平成12年問05肢4(元本確定前に被担保債権を譲り受けても、根抵当権を行使できない:◯)

>>年度目次に戻る

Written by 家坂 圭一 in: 平成12年過去問,民法 |

コメントはまだありません »

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes