9月
16
2000

【宅建過去問】(平成12年問07)解約手付

【過去問本試験解説】発売中

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

  1. 手付の額が売買代金の額に比べて僅少である場合には、本件約定は、効力を有しない。
  2. Aが、売買代金の一部を支払う等売買契約の履行に着手した場合は、Bが履行に着手していないときでも、Aは、本件約定に基づき手付を放棄して売買契約を解除することができない。
  3. Aが本件約定に基づき売買契約を解除した場合で、Aに債務不履行はなかったが、Bが手付の額を超える額の損害を受けたことを立証できるとき、Bは、その損害全部の賠償を請求することができる。
  4. Bが本件約定に基づき売買契約を解除する場合は、Bは、Aに対して、単に口頭で手付の額の倍額を償還することを告げて受領を催告するだけでは足りず、これを現実に提供しなければならない。

正解:4

【1】 X 誤り

手付の額について特に制限はない。
したがって、売買代金の額に比べて手付の額が僅少であっても、解約手付の約定をすることができる。

■類似過去問(手付解除)
  • 平成12年問07肢1(手付の額が売買代金の額に比べて僅少である場合には、解約手付とする約定は、効力を有しない:×)
  • 平成12年問07肢3(手付解除した場合で、買主に債務不履行はなかったが、売主が手付の額を超える額の損害を受けたことを立証できるとき、売主は、その損害全部の賠償を請求することができる:×)
  • 平成06年問06肢3(買主の債務不履行を理由に契約が解除された場合、買主は、売主に対し違約金を支払わなければならないが、手付の返還を求めることはできる:◯)
  • 平成04年問07肢1(不動産の売買契約が宅建業者の媒介による場合、契約に別段の定めがあっても、手付は解約手付となる:×)
  • 平成04年問07肢2(解約手付の契約は、売買契約と同時に締結しなければ、効力を生じない:×)

【2】 X 誤り

自らが履行に着手していても、相手方が履行に着手していなければ、解約手付による解除をすることができる(民法557条1項、最判昭40.11.24)。
したがって、Bが履行に着手していなければ、Aが着手していたとしても、Aから解約することは可能である。

■類似過去問(履行の着手と手付解除)
  • 平成21年問10肢2(売主が履行に着手していなくても、買主が履行に着手していれば、買主は契約を解除できない:×)
  • 平成17年問09肢4(売主は、自らが履行に着手するまでは、買主が履行に着手していても、契約を解除できる:×)
  • 平成16年問04肢2(売主が履行に着手した場合、買主が履行に着手したかどうかにかかわらず、売主は契約を解除できない:×)
  • 平成12年問07肢2(買主が履行に着手した場合、売主が履行に着手していないときでも、買主は契約を解除できない:×)
  • 平成06年問06肢2(買主は、売主が履行に着手するまでは、自らが履行に着手していても、契約を解除できる:◯)
  • 平成04年問07肢3(買主は、自らが履行に着手していても、売主が履行に着手していなければ、契約を解除できる:◯)

【3】 X 誤り

解約手付による解除があった場合、当事者は相手方に対して損害賠償を請求することはできない。

■類似過去問(手付解除)
  • →肢1

【4】 ◯ 正しい

売主が手付けの倍額を償還して売買契約を解除するためには、買主に対して現実の提供をすることを要する(最判平06.03.22)。
受領を催告するだけでは、解除の効果は生じない。


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Written by 家坂 圭一 in: 平成12年過去問,民法 |

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