8月
30
2001

【宅建過去問】(平成13年問01)共有

【過去問本試験解説】発売中

A・B・Cが、持分を6・2・2の割合とする建物の共有をしている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. Aが、B・Cに無断で、この建物を自己の所有としてDに売却した場合は、その売買契約は有効であるが、B・Cの持分については、他人の権利の売買となる。
  2. Bが、その持分に基づいて単独でこの建物全部を使用している場合は、A・Cは、Bに対して、理由を明らかにすることなく当然に、その明渡しを求めることができる。
  3. この建物をEが不法占有している場合には、B・Cは単独でEに明渡しを求めることはできないが、Aなら明渡しを求めることができる。
  4. 裁判による共有物の分割では、Aに建物を取得させ、AからB・Cに対して適正価格で賠償させる方法によることは許されない。

正解:1

【1】 ◯ 正しい

【自己(A)の持分に関して】
共有持分権の処分は共有者が単独で行うことができる。 したがって、本肢の売買契約はAの持分に関しては問題なく有効である。

【他人(B・C)の持分に関して】
Aは他の共有者の持分に関しては処分する権限を有しない。
しかし、他人の所有物や持分であっても、契約の対象とすることは可能であり、その売買契約は有効である(他人物売買。民法560条)。

■類似過去問(共有持分権の処分)
  • 平成15年問04肢1(共有者の一人は、他の共有者の同意を得なければ、共有持分権を売却できない:×)
  • 平成13年問01肢1(共有者の一人が、他の共有者に無断で、共有する建物を自己の所有として売却した場合、その売買契約は有効であるが、他の共有者の持分については、他人の権利の売買となる:◯)
  • 平成09年問02肢1(共有者の一人は、他の共有者の同意を得なければ、自己の持分を他に譲渡できない:×)
■類似過去問(他人物売買の有効性)
  • 平成21年問10肢3(他人の所有物を目的物とした場合、売買契約は無効である:×)
  • 平成13年問01肢1(共有者の一人が共有物全体を売却した場合、売買契約は有効である:◯)
  • 平成11年問10肢1(所有者に売却意思がなくても、他人物の売買契約は有効に成立する:◯)
  • 平成01年問04肢1(売買契約の目的物である土地が第三者の所有であって、当該第三者に譲渡の意思がないときは、契約は無効となる:×)

【2】 X 誤り

各共有者はその持分に応じて、共有物(建物)を使用する権利を有している(民法249条)。
したがって、共有物の持分の過半数を超える者(A・C)であっても、他の共有者Bに対して明渡を請求することはできない(最判昭41.05.19)。

■類似過去問(共有物の使用)
  • 平成24年問10肢2(共同相続人の一人が相続財産である建物全部を占有する場合、他の相続人は明渡請求ができる:×)
  • 平成23年問03肢4(共有者の一人が共有物全部を占有する場合、他の共有者は単独で明渡請求ができる:×)
  • 平成19年問04肢1(共有者の一人から占有使用を承認された者は、承認した者の持分の限度で占有使用できる:◯)
  • 平成13年問01肢2(共有者の一人が共有物全体を使用している場合、他の共有者はその明渡しを請求できる:×)
  • 平成09年問02肢3(共有者は、その持分割合に応じて、共有物全体を使用する権利を有する:◯)

【3】 X 誤り

共有物の不法占有者に対して明渡しを請求するのは保存行為にあたる(大判大10.06.13)。したがって、各共有者が単独で行うことができる(民法252条但書)。
したがって、Aのみならず、B・Cも単独で明渡しを請求することができる。

■類似過去問(不法占拠者の排除)
  • 平成23年問03肢3(共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能:◯)
  • 平成18年問04肢1(共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能:◯)
  • 平成13年問01肢3(共有物の不法占有者に対する明渡請求は、共有者の過半数の同意が必要:×)
  • 平成06年問03肢3(共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能:◯)
  • 平成04年問12肢2(共有物の不法占有者に対する明渡請求は、各共有者が単独で可能:◯)

【4】 X 誤り

共有物の分割にあたり、裁判所は、共有物全体を共有者の一人Aの所有とし、他の共有者B・Cには持分の価格を取得させるという方法(全面的価格賠償)をとることができる(民法258条。最判平08.10.31)。

■類似過去問(裁判による共有物の分割)
  • 平成23年問03肢2(分割により価値が著しく減少する場合、裁判所は競売を命じることができる:◯)
  • 平成18年問04肢3(共有物の分割にあたり、全面的価額賠償も認められる:◯)
  • 平成13年問01肢4(共有物の分割にあたり、全面的価額賠償は許されない:×)
  • 平成06年問03肢4(共有者間で共有物分割に関する協議がととのわないときは、裁判所に請求できる:◯)

>>年度目次に戻る

Written by 家坂 圭一 in: 平成13年過去問,民法 |

コメントはまだありません »

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes