【宅建過去問】(平成14年問07)損害賠償額の予定

AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 賠償請求を受けたBは、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
  2. Bが、Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を考慮することができる。
  3. 裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。
  4. Aは、賠償請求に際して、Bの履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額の主張・立証をする必要はない。

正解:3

【1】正しい

損害賠償義務は、履行遅滞があった場合に限って発生する。このことは損害賠償額の予定条項(民法420条)があったからといって変わるものではない。
したがってBは、自己に帰責事由のないことを主張・立証すれば免責される。

■類似過去問(債務不履行の発生)
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 年-問-肢内容正誤
128-09-4
売主が信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった場合、買主は、売主に対して、この説明義務違反を理由に、売買契約上の債務不履行責任を追及することはできない。
226-01-3債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨は、民法の条文に規定されている。×
324-08-1AがBと契約を締結する前に、信義則上の説明義務に違反して契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった場合、Bが契約を締結したことにより被った損害につき、Aは、不法行為による賠償責任を負うことはあっても、債務不履行による賠償責任を負うことはない。
424-08-3売主が不動産を二重譲渡して第二の買主が登記を具備した場合、第一買主は売主に対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。
523-02-4停止条件が成就しなかったことにつき、債務者に帰責事由がなくても、債務不履行責任を負う。×
619-10-2売買契約の目的物である建物が、売主の責めに帰すべき火災で滅失した場合、有効に成立した売買契約は、債務不履行により無効となる。×
718-08-1代金債務につき弁済の提供をしないと、履行遅滞に陥り、遅延損害金支払債務を負う。
814-07-1履行を遅滞しているとして、損害賠償請求を受けた債務者は、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
■類似過去問(損害賠償額の予定)
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 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗に違反する場合でも、裁判所は減額できない。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
608-46-3損害賠償を10%と予定しても、実際の損害が大きければ20%まで請求できる。×
706-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
804-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
902-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
1002-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1102-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

【2】正しい

賠償額の予定条項がある場合でも、債権者に過失があったときは、これを斟酌(考慮)すべきである(最判平06.04.21)。
したがって、過失相殺(民法418条)が行われることになる。

■類似過去問(過失相殺)
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 年-問-肢内容正誤
127-01-4債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨は、民法の条文に規定されている。
222-06-4債務者から主張がなければ、裁判所は過失相殺を考慮することができない。×
314-07-2賠償額の予定があっても、裁判所は過失相殺の考慮が可能。

【3】誤り

賠償額の予定がある場合、裁判所といえどもその額を増減することができないのが原則である(民法420条1項)。
しかし、賠償額の予定条項が暴利行為にあたる場合には、善良の風俗に反する限度において無効である(大判昭19.03.14)。
したがって、裁判所は賠償額の減額をすることができる。

■類似過去問(損害賠償額の予定)
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 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗に違反する場合でも、裁判所は減額できない。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
608-46-3損害賠償を10%と予定しても、実際の損害が大きければ20%まで請求できる。×
706-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
804-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
902-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
1002-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1102-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

【4】正しい

賠償額の予定条項がある場合、債権者は債務不履行があったことを主張・立証すれば足りる。
この場合、債務者は、損害の有無・多少を問わず、予定の賠償額を支払わなければならない(大判大11.07.26)。

■類似過去問(損害賠償額の予定)
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 年-問-肢内容正誤
126-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されている。
216-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
314-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
414-07-3賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗に違反する場合でも、裁判所は減額できない。×
514-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
608-46-3損害賠償を10%と予定しても、実際の損害が大きければ20%まで請求できる。×
706-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
804-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
902-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
1002-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
1102-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

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