【宅建過去問】(平成14年問50)建物に関する知識

建築物の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。
  2. 鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面にできる限り近づけて設けるのがよい。
  3. 免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパー(油の粘性を利用して振動や衝撃を和らげる装置)が使用される。
  4. 鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。

正解:3

1 誤り

木造の建築物において、圧縮力を負担する筋かいには、木材を使用しなければならない(建築基準法施行令45条2項)。
しかし、引張り力を負担する筋かいには、木材または鉄筋を使用することができる(建築基準法施行令45条1項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
木造建築物(免除科目[04]2)
年-問-肢内容正誤
1R02s-50-2木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。
2H18-49-1木造建築物において、木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用しなければならない。
3H18-49-32階建ての木造建築物の土台は、例外なく、基礎に緊結しなければならない。×
4H18-49-4木造建築物において、はり、けたその他の横架材の中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをする場合は、その部分を補強しなければならない。×
5H14-50-1木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。×
6H12-50-3木造建築物の継手及び仕口は、外部に露出しているため意匠の面を最も重視しなければならない。×
7H12-50-4木造建築物の柱は、張り間方向及びけた行方向それぞれについて小径を独立に算出したうえで、どちらか大きな方の値の正方形としなければならない。×
8H10-48-2木造建築物の設計においては、クリープ(一定過重のもとで時間の経過とともに歪みが増大する現象)を考慮する必要がある。
9H10-48-4木造建築物を鉄筋コンクリート造の布基礎とすれば、耐震性を向上させることができる。
10H09-49-1木造2階建の建築物で、隅柱を通し柱としない場合、柱とけた等との接合部を金物で補強することにより、通し柱と同等以上の耐力をもつようにすることができる。
11H09-49-2平面形状が長方形の木造建築物の壁は、多くの場合張り間方向とけた行方向とで風圧力を受ける面積が異なるので、それぞれ所定の計算方式により算出して耐力壁の長さを決める必要がある。
12H08-22-2木造建築物の構造設計用の荷重として、地震力より風圧力の方が大きく設定される場合がある。
13H08-22-3木造建築物の耐震性を向上させるには、軸組に筋かいを入れるほか、合板を打ち付ける方法がある。
14H08-22-4木造建築物において、地震力の大きさは、見付面積の大きさより屋根の重さに大きく影響を受ける。
15H02-01-4
延べ面積5,000㎡の建築物は、主要構造部のうち床を木造としてよい。
在来軸組工法(免除科目[04]2(2)①)
年-問-肢内容正誤
1R04-50-1木構造は、主要構造を木質系材料で構成するものであり、在来軸組構法での主要構造は、一般に軸組、小屋組、床組からなる。
2R04-50-2在来軸組構法の軸組は、通常、水平材である土台、桁、胴差と、垂直材の柱及び耐力壁からなる。
3R04-50-3小屋組は、屋根の骨組であり、小屋梁、小屋束、母屋、垂木等の部材を組み合わせた和小屋と、陸梁、束、方杖等の部材で形成するトラス構造の洋小屋がある。
4R04-50-4軸組に仕上げを施した壁には、真壁と大壁があり、真壁のみで構成する洋風構造と、大壁のみで構成する和風構造があるが、これらを併用する場合はない。×
5H17-49-4筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行ったときは、この限りでない。
6H14-50-1木造の建築物に、鉄筋の筋かいを使用してはならない。×
7H08-22-3木造建築物の耐震性を向上させるには、軸組に筋かいを入れるほか、合板を打ち付ける方法がある。

2 誤り

鉄筋はコンクリートの表面に近づけると中性化が進行し、鉄筋が早く錆びてしまうので、危険である。適切なかぶり厚さを保たなければならない(建築基準法施行令79条)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
鉄筋コンクリート造:コンクリートのかぶり厚さ(免除科目[04]4(3)②)
年-問-肢内容正誤
1H24-50-3鉄筋コンクリート構造のかぶり厚さとは、鉄筋の表面からこれを覆うコンクリート表面までの最短寸法をいう。
2H16-49-4鉄筋コンクリート造の建築物においては、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁にあっては3cm以上としなければならないが、耐久性上必要な措置をした場合には、2cm以上とすることができる。×
3H14-50-2鉄筋コンクリート造に使用される鉄筋は、コンクリートの表面にできる限り近づけて設けるのがよい。×

3 正しい

免震建築物とは積層ゴムなどを用いるアイソレータとダンパーを併せ持つものをいう。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
地震対策(免除科目[04]7)
年-問-肢内容正誤
耐震構造
1R01-50-1地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方がある。
2R01-50-4耐震は、建物の強度や粘り強さで地震に耐える技術であるが、既存不適格建築物の地震に対する補強には利用されていない。×
3H25-50-1耐震構造は、建物の柱、はり、耐震壁などで剛性を高め、地震に対して十分耐えられるようにした構造である。
免震構造
1R01-50-1地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方がある。
2R01-50-3免震はゴムなどの免震装置を設置し、上部構造の揺れを減らす技術である。
3H25-50-2免震構造は、建物の下部構造と上部構造との間に積層ゴムなどを設置し、揺れを減らす構造である。
4H25-50-4既存不適格建築物の耐震補強として、制震構造や免震構造を用いることは適していない。×
5H14-50-3免震建築物の免震層には、積層ゴムやオイルダンパー(油の粘性を利用して振動や衝撃を和らげる装置)が使用される。
制震構造
1R01-50-1地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方がある。
2R01-50-2制震は制振ダンパーなどの制振装置を設置し、地震等の周期に建物が共振することで起きる大きな揺れを制御する技術である。
3H25-50-3制震構造は、制震ダンパーなどを設置し、揺れを制御する構造である。
4H25-50-4既存不適格建築物の耐震補強として、制震構造や免震構造を用いることは適していない。×
既存不適格建築物の補強
1R01-50-4耐震は、建物の強度や粘り強さで地震に耐える技術であるが、既存不適格建築物の地震に対する補強には利用されていない。×
2H25-50-4既存不適格建築物の耐震補強として、制震構造や免震構造を用いることは適していない。×

4 誤り

鉄骨造では、溶接のほか、高力ボルト接合やリベット結合も認められている(建築基準法施行令67条1項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
鉄骨造(免除科目[04]3)
年-問-肢内容正誤
1R03-50-1鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。
2R03-50-2鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。
3R03-50-3鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があり、現在は住宅、店舗等の建物には用いられていない。×
4R03-50-4鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。
5R02s-50-3鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。×
6H30-50-3鉄骨構造は、不燃構造であり、耐火材料による耐火被覆がなくても耐火構造にすることができる。×
7H28-50-1鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。×
8H24-50-4鉄骨構造は、不燃構造であるが、火熱に遭うと耐力が減少するので、耐火構造にするためには、耐火材料で被覆する必要がある。
9H21-50-1鉄骨構造の特徴は、自重が重く、耐火被覆しなくても耐火構造にすることができる。×
10H14-50-4鉄骨造では、必ず溶接によって接合しなければならない。×
11H09-49-3鉄骨造は、自重が重く、靭性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐火構造とすることができる。×

>>年度目次に戻る

LINEアカウントで質問・相談

家坂講師に気軽に受験相談や質問ができるLINEアカウントを運営しています。
お気軽に「友だち追加」してください。
友だち追加
PCの場合は、「友だち検索」でID"@e-takken"を検索してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です