7月
08
2007

【宅建過去問】(平成17年問02) 錯誤

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AがBに対し土地の売却の意思表示をしたが、その意思表示は錯誤によるものであった。この場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 錯誤が、売却の意思表示の内容の重要な部分に関するものであり、法律行為の要素の錯誤と認められる場合であっても、この売却の意思表示が無効となることはない。
  2. 錯誤が、売却の意思表示をなすについての動機に関するものであり、それを当該意思表示の内容としてAがBに対して表示した場合であっても、この売却の意思表示が無効となることはない。
  3. 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が無効となる場合、意思表示者であるAに重過失があるときは、Aは自らその無効を主張することができない。
  4. 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が無効となる場合、意思表示者であるAがその錯誤を認めていないときは、Bはこの売却の意思表示の無効を主張できる。

正解:3

1 誤り

意思表示の重要な部分に関する錯誤があることを、要素の錯誤という。意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効となる(民法95条本文)。

※表意者に重大な過失があったときは、無効を主張することができない(同条但書。肢3参照)。

■類似過去問(錯誤:要素の錯誤)
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 年-問-肢内容正誤
117-02-1要素の錯誤を理由に、意思表示が無効となることはない。×
213-02-1要素の錯誤に該当し、重過失がない場合、無効の主張ができる。
310-07-4要素の錯誤があれば無効主張できるが、重過失ある場合には主張できない。
402-04-3売主Aが要素の錯誤により契約をした場合、Aは、重大な過失がないときは、Aと買主B間の契約の無効を主張し、転得者Cに対して所有権を主張することができる。

2 誤り

動機に錯誤があったとしても、原則として意思表示は錯誤無効とならない。
しかし、表意者が、動機を意思表示の内容に加える意思を明示または黙示的に表示した場合には、動機もまた、法律行為の要素となる(民法95条、最判昭29.11.26)。この場合には、錯誤が成立し、意思表示は無効となる。

■類似過去問(錯誤:動機の錯誤)
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 年-問-肢内容正誤
128-03-4
売主Aと買主Bとの間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。
×
223-01-1動機が表示されない場合でも、動機の錯誤を主張できる。×
321-01-3動機は、明示的に表示された場合、法律行為の要素となる。
421-01-4動機は、黙示的に表示された場合、法律行為の要素とならない。×
517-02-2動機が表示された場合でも、意思表示が無効となることはない。×
613-02-3動機が表示されない場合、錯誤無効を主張できない。

3 正しい

法律行為の要素に錯誤があった場合でも、表意者に重大な過失があるときは、錯誤無効を主張することができない(民法95条但書)。

■類似過去問(錯誤:重過失がある場合)
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 年-問-肢内容正誤
121-01-1表意者に重過失がある場合、無効主張はできない。
217-02-3表意者に重過失がある場合、無効主張はできない。
313-02-1要素の錯誤に該当し、重過失がない場合、無効の主張ができる。
413-02-4表意者に重過失がある場合、無効主張はできない。
510-07-4要素の錯誤があれば無効主張できるが、重過失ある場合には主張できない。
606-02-2無過失のときに限り、錯誤無効を主張できる。×
702-04-3売主Aが要素の錯誤により契約をした場合、Aは、重大な過失がないときは、Aと買主B間の契約の無効を主張し、転得者Cに対して所有権を主張することができる。

4 誤り

錯誤無効の制度は、錯誤に陥った表意者を保護する制度である。したがって、表意者Aが錯誤を認めていない以上、相手方Bが錯誤無効を主張することはできない(民法95条。最判昭40.09.10)。

■類似過去問(錯誤:表意者以外による無効主張)
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 年-問-肢内容正誤
128-03-4
売主Aと買主Bとの間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。
×
221-01-2表意者に無効主張の意思がない場合、第三者が無効主張できない。
317-02-4表意者が錯誤を認めていない場合でも、相手方が無効主張できる。×
413-02-2表意者が錯誤を認めず、無効主張の意思がない場合、表意者の債権者が債権者代位権を行使できる。×

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Written by 家坂 圭一 in: 平成17年過去問,民法 |

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