7月
18
2007

【宅建過去問】(平成18年問01)民法の基本原則

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次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 契約締結交渉中の一方の当事者が契約交渉を打ち切ったとしても、契約締結に至っていない契約準備段階である以上、損害賠償責任が発生することはない。
  2. 民法第1条第2項が規定する信義誠実の原則は、契約解釈の際の基準であり、信義誠実の原則に反しても、権利の行使や義務の履行そのものは制約を受けない。
  3. 時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。
  4. 所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合には、妨害排除請求が認められることはない。

正解:4

1 誤り

18-01-1

契約締結後の履行段階における債務不履行が損害賠償責任の対象になるのは、当然である(民法415条)。

判例は、これに加え、契約準備段階における責任をも認めている。すなわち、契約が締結されていない場合でも、双方は信義則上の注意義務を負う。この注意義務に違反した場合、その当事者は、相手方の損害を賠償しなければならない(同法1条2項。最判昭59.09.18)。

2 誤り

民法1条2項は、「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」としている。つまり、信義誠実の原則は、もともと、権利行使や義務履行における基準であった。
判例は、さらに加えて、「信義誠実の原則は、単に権利の行使、義務の履行についてのみならず、契約の趣旨の解釈についてもその基準となる。」と言っている(最判昭32.07.05)。つまり、信義誠実の原則(信義則)が「契約趣旨の解釈基準」としての意義をも有することを認めたのである。

3 誤り

消滅時効の援用が権利の濫用となることがありうる(民法1条3項。最判昭51.05.25)。

4 正しい

所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合もありうる。この場合、妨害排除請求は認められない(民法1条3項。宇奈月温泉事件)。

18-01-4


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Written by 家坂 圭一 in: 平成18年過去問,民法 |

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