【宅建過去問】(平成18年問41)業務の規制

宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

  1. Aは、自ら売主として売買契約を締結したが、履行の着手前に買主から手付放棄による契約解除の申出を受けた際、違約金の支払を要求した。
  2. Aは、建物の貸借の媒介において、契約の申込時に預り金を受領していたが、契約の成立前に申込みの撤回がなされたときに、既に貸主に預り金を手渡していることから、返金を断った。
  3. Aは、自ら売主として行う造成済みの宅地の売買において、買主である宅地建物取引業者と、「Aは瑕疵を担保する責任を一切負わない」旨の特約を記載した売買契約を締結した。
  4. Aは、自ら売主として工事完了前の土地付建物の売買契約を締結するとき、契約書の記載事項のうち、当該物件の引渡時期が確定しないので、その記載を省略した。

正解:3

1 違反する

18-39-3売主Aが履行に着手する前であれば、買主Bは、手付を放棄するだけで契約を解除することができる(宅地建物取引業法39条2項)。これに加えて、「違約金の支払を要求する」ことはできない。

売主Aが履行に着手していない 買主からの手付解除は可能
買主が履行に着手ていない 売主Aからの手付解除は可能
■類似過去問(手付解除の方式)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ウ
宅建業者が買主から手付金500万円を受領した場合、買主に当該手付金500万円を償還して、契約を一方的に解除することができる。
×
227-40-ア3,000万円の建物の売買に関し「売主が履行に着手するまで、買主は、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、特約は有効。×
325-38-ウ当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、売主は買主に手付金・中間金の倍額を支払い、買主は売主に手付金・中間金を放棄して、契約を解除できる旨の特約は有効である。×
422-39-3売主が、売買契約の解除を行う場合、買主に対して「手付の倍額を償還して、契約を解除する。」という意思表示を書面で行うことのみをもって、契約を解除できる。×
521-37-2買主に不利な特約がある場合でも、売主は、買主の手付放棄による契約解除を拒否できる。×
620-40-1売主は、解除にあたり、手付の3倍返しが必要という特約は有効。
719-34-1売主は、手付を償還すれば解除できる。×
818-39-3売主は、手付を償還すれば解除できるという特約は無効。
918-41-1売主は、手付解除をした買主に対し、違約金の請求が可能。×
1015-41-1「相手方が履行に着手するまで、買主は手付金の半額を放棄し、売主は手付金の倍額を償還して、契約を解除できる」という特約は、有効である。
1113-41-3売主は、手付を返還すれば解除できるという特約は有効。×
1211-33-1「当事者の一方が契約の履行に着手するまで、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の2.5倍を償還して、契約を解除できる」旨の定めは無効である。×
1308-49-4「引渡しがあるまで、いつでも手付解除が可能」という特約がある場合、買主は、売主が履行に着手していても、手付解除できる。
1407-43-3「買主は手付金の半額を放棄すれば解除できる」という特約があっても、手付金全額を放棄しなければ解除できない。×
1507-45-2「買主は手付金・中間金を放棄し、売主はそれらの倍額を償還して、契約を解除できる」という特約は、有効である。×
1606-43-3「買主は手付の半額を放棄し、売主は手付全額を償還して、契約を解除できる」と定めても、売主は手付の倍返しが必要。
1706-43-4「買主が履行に着手するまで、売主は手付の3倍額を償還して解除できる」と定めた場合、売主は手付の倍額償還だけでは解除できない。
1805-43-1「買主は手付金を放棄し、売主はその3倍額を償還して、契約を解除できる」という特約は、宅建業法に違反する。×

2 違反する

買主が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むことは禁止されている(宅地建物取引業法47条の2第3項、同法施行規則16条の12第2号)。

■類似過去問(預り金の返還拒否)
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年-問-肢内容正誤 
127-41-エ「お預かりした申込証拠金10万円のうち、社内規程上、お客様の個人情報保護のため、申込書の処分手数料として、5,000円はお返しできませんが、残金につきましては法令に従いお返しします。」という発言は、宅建業法に違反しない。×
224-32-1重要事項説明をしていたので、申込証拠金の返還を拒否×
321-40-2売主に交付していたので返還せず×
420-38-2媒介報酬相当額を差し引いて返還×
518-41-2貸主に交付していたので返還せず×
612-35-3家主に交付していたので返還せず×

3 違反しない

瑕疵担保責任に関する特約の制限は、8つの規制の一種であり、業者間取引には適用されない(宅地建物取引業法40条、78条2項)。
したがって、瑕疵担保責任を一切負わない旨の特約をしても、宅建業法には違反しない。

■類似過去問(業者間取引と瑕疵担保責任)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
124-39-2業者間取引で「瑕疵担保責任を負わない」という特約は業法に違反しない
223-39-4業者間取引で「瑕疵担保責任は引渡しから1年に限る」という特約は業法に違反しない
318-38-4業者間取引で「瑕疵担保責任を負わない」という特約は業法に違反しない
418-41-3業者間取引で「瑕疵担保責任を負わない」という特約は業法に違反しない
513-42-4業者間取引で「瑕疵担保責任の期間は引渡しから6月間」という特約は有効である
608-48-2業者間取引で「瑕疵担保責任の期間は引渡しから1年」という特約は有効である
702-40-1業者間取引で「瑕疵担保責任の期間は引渡しから1年」という特約は宅建業法に違反しない
801-44-1業者間取引で「瑕疵担保責任を負わない」という特約は業法に違反しない

4 違反する

契約書面 重要事項
説明書
売買 貸借
×

物件の引渡時期は、売買・貸借の双方において、契約書面の必要的記載事項である(宅地建物取引業法37条1項4号)。
確定していないからといって、記載を省略することはできない。

■類似過去問(37条書面:引渡しの時期)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-42-1
宅建業者Aは、宅建業者Bと宅建業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。
×
227-38-イ媒介により建物売買契約を締結させた場合、引渡しの時期又は移転登記の申請の時期のいずれかを37条書面に記載しなければならない。×
326-40-ウ自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、買主が宅建業者であっても、37条書面に引渡しの時期を記載しなければならない。
425-35-イ建物の引渡しの時期は、建物貸借契約における37条書面の必要的記載事項である。
524-31-4貸借で記載義務なし。×
622-37-3業者間の売買で記載を省略。×
721-36-337条書面に建物の所在・代金の額・引渡時期は記載したが、移転登記の申請の時期は記載しなかった場合、宅建業法に違反しない。×
818-41-4未確定なため記載を省略。×
913-39-3引渡時期を定めなかったため、重要事項説明書にはその旨記載・説明したが、契約書面には記載しなかった場合、宅建業法に違反しない。×
1010-43-2契約時に完成時期が未確定の場合で、買主の了解を得たときは、引渡時期の記載を省略できる。×
1102-49-1工事完了前の物件で、完成時期が未定の場合、買主の承諾を得て、引渡時期の記載を省略できる。×

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