10月
27
2007

【宅建過去問】(平成19年問02)復代理

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Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し、売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Bは、やむを得ない事由があるときは、Aの許諾を得なくとも、復代理人を選任することができる。
  2. Bが、Bの友人Cを復代理人として選任することにつき、Aの許諾を得たときは、Bはその選任に関し過失があったとしても、Aに対し責任を負わない。
  3. Bが、Aの許諾及び指名に基づき、Dを復代理人として選任したときは、Bは、Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合、Aに対し責任を負う。
  4. Bが復代理人Eを適法に選任したときは、EはAに対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、Bの代理権は消滅する。

正解:1

最初に代理、さらに復代理の構造を確認しておこう。

19-02-0■代理の構造
本人Aが代理人Bに代理権を与え、代理人Bが本人のためにすることを示して(顕名)、意思表示をした場合、その意思表示の効果は、Bではなく、Aに帰属する。これが代理の基本構造である。

■復代理の構造
代理人Bがさらに別人を選任し、その人に代理行為をさせることを復代理、選任された人を復代理人という。どういう場合に復代理人を選任できるか、選任した場合に代理人はどの範囲で責任を負うか、は、元々の代理人が法定代理人か任意代理人か、で大きく異なる。以下の表でまとめておこう。

  選任できる場合  代理人の責任 
原則 例外
法定代理人 常に可能 無過失の全責任 選任・監督責任のみ
任意代理人 (1)本人の許諾を得たとき
(2)やむを得ない事由があるとき
やむを得ない事由あり
→選任・監督責任のみ
本人の指名で選任した場合
→責任を負わない
【例外の例外】
復代理人が不適任・不誠実であることを知りながら、
本人への通知・解任を怠ったとき

※本問では、「妻の父B」が代理人であるが、特別扱いする必要はない。単なる「任意代理人の復代理」の問題である。

■類似過去問(復代理人)
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 年-問-肢内容正誤
124-02-4法定代理人は、やむを得ない事由がなくとも、復代理人を選任することができる。
221-02-3任意代理人は、自ら選任・監督すれば、本人の意向にかかわらず復代理人を選任できる。×
319-02-1任意代理人は、やむを得ない事由があれば、本人の許諾を得なくても復代理人を選任できる。
419-02-2任意代理人が、復代理人の選任につき本人の許諾を得たときは、選任に過失があったとしても責任を負わない。×
519-02-3任意代理人が、本人の許諾・指名に基づき復代理人を選任した場合、復代理人の不誠実さを見抜けなかったことに過失があったときは、本人に対し責任を負う。×
619-02-4任意代理人が復代理人を適法に選任したときは、復代理人は本人に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、代理人の代理権は消滅する。×
713-08-4任意代理人は、やむを得ない事情があっても、本人の承諾がなければ、復代理人を選任できない。×
812-01-2任意代理人は、自己の責任により、自由に復代理人の選任ができる。×
907-09-4賃貸人から賃料取立て等の代理権を与えられた受託者が、地震のため重傷を負った場合、賃貸人の承諾を得ることなく、復受託人に委託して賃料の取立てをさせることができる。

【1】 ◯ 正しい

任意代理の場合は、原則として復代理人を選任することができない。
例外的に選任できるのは、以下のどちらかの場合に限られる(民法104条)。

  1. 本人の許諾を得たとき、
  2. やむを得ない事由があるとき。

やむを得ない事情のある本肢のケースでは、たとえ本人の承諾がなくても、Bは復代理人を選任することができる。

【2】 X 誤り

本人Aの許諾を得れば、任意代理の場合にも適法に復代理人Cを選任することができる(民法104条)。
しかし、本人Aが復代理人の選任を許諾した場合であっても、代理人Bは復代理人Cの選任および監督に関して責任を負う(民法105条1項)。
したがって、復代理人Cの選任に関して代理人Bに過失があれば、Bは本人Aに対して責任を負うことになる。

【3】 X 誤り

本人Aの指名に従って復代理人Dを選任した場合、代理人Bは復代理人の選任・監督に関する責任を負わない(民法105条2項本文)。
責任を負うのは、「代理人が、復代理人が不適任・不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し、または復代理人を解任することを怠ったとき」に限られる(同法105条2項本文。

本肢の代理人Bは、「Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった」だけであり、不誠実であることを知っていたわけではない。
したがって、代理人Bは本人Aに対して責任を負わない。

【4】 X 誤り

19-02-4代理人Bが復代理人Eを適法に選任した場合、復代理人Eは本人Aに対して代理人と同一の権利を有し、義務を負う(民法107条)。
しかし、この場合でも、代理人Bの代理権が消滅するわけではない。


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Written by 家坂 圭一 in: 平成19年過去問,民法 |

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