10月
27
2007

【宅建過去問】(平成19年問04)共有

【過去問本試験解説】発売中

A、B及びCが、持分を各3分の1とする甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 共有者の協議に基づかないでAから甲土地の占有使用を承認されたDは、Aの持分に基づくものと認められる限度で甲土地を占有使用することができる。
  2. A、B及びCが甲土地について、Eと賃貸借契約を締結している場合、AとBが合意すれば、Cの合意はなくとも、賃貸借契約を解除することができる。
  3. A、B及びCは、5年を超えない期間内は甲土地を分割しない旨の契約を締結することができる。
  4. Aがその持分を放棄した場合には、その持分は所有者のない不動産として、国庫に帰属する。

正解:4

【1】 ◯ 正しい

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(民法249条)。そして、各共有者は、自己の持分につき、他者に譲渡したり、占有使用を承認したりすることができる。このことについて、他の共有者と協議する必要はない。

したがって、共有者の協議に基づかない場合であっても、共有者Aから共有物の占有を承認された第三者Dは、Aの持分について、共有物を占有使用する権限を有する(最判昭63.05.20)。

■類似過去問(共有物の使用)
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 年-問-肢内容正誤
124-10-2共同相続人の一人が相続財産である建物全部を占有する場合、他の相続人は明渡請求ができる。×
223-03-4共有者の一人が共有物全部を占有する場合、他の共有者は単独で明渡請求ができる。×
319-04-1共有者の一人から占有使用を承認された者は、承認した者の持分の限度で占有使用できる。
413-01-2共有者の一人が共有物全体を使用している場合、他の共有者はその明渡しを請求できる。×
509-02-3共有者は、その持分割合に応じて、共有物全体を使用する権利を有する。

【2】 ◯ 正しい

共有目的物である土地を賃貸借したり、その賃貸借契約を解除する行為は「管理」行為にあたり、その解除について、「解除は全員からまたは全員に対してのみすることができる」という規定(民法544条1項)は適用されない(最判昭39.02.25)。
したがって、各共有者の持分の価値に従い、その過半数で決することになる(民法252条)。

保存 各共有者が単独で可能
管理(利用・改良) 持分価格の過半数
変更 全員の同意

AとBの持分を合計すると全体の3分の2になり過半数を超える。
したがって、AとBは、Cの合意を得ることなく、Eとの賃貸借契約を解除することができる。

■類似過去問(共有物を目的とする賃貸借契約の解除)
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 年-問-肢内容正誤
119-04-2共有物に関する賃貸借契約の解除は、共有者の持分の過半数で決定できる。
203-05-2共有物に関する賃貸借契約の解除は、共有者(持分1/3)が単独ですることができる。×

【3】 ◯ 正しい

各共有者は、原則として、いつでも共有物の分割を請求することができる(民法256条1項本文)。
ただし、5年を超えない期間内であれば分割をしない旨の契約をすることも可能である(同項但書)。

■類似過去問(共有物の分割請求)
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 年-問-肢内容正誤
123-03-1各共有者はいつでも分割請求可能。5年を超えない期間で不分割契約も可能。
219-04-35年を超えない期間で不分割契約が可能。
315-04-4各共有者はいつでも分割請求可能。5年を超えない期間で不分割契約も可能。
409-02-4持分が過半数に満たない共有者も分割請求が可能。
506-03-4各共有者はいつでも分割請求可能。協議が調わなければ、裁判所に請求可能。
604-12-4各共有者はいつでも分割請求可能。
703-05-3不分割特約の期間は5年を超えることができず、また、更新することができない。×

【4】 X 誤り

共有者の一人がその持分を放棄したとき、その共有者の持分は他の共有者に帰属する(民法255条)。
「所有者のない不動産」になるわけでも、「国庫に帰属」するわけでもない。

■類似過去問(持分の放棄・共有者の死亡)
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 年-問-肢内容正誤
119-04-4共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、国庫に帰属する。×
218-04-4共有者の一人が死亡し、相続人の不存在が確定した場合、その持分は特別縁故者に対する財産分与の対象となり、その財産分与がなされない場合は、他の共有者に帰属する。
315-04-3共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、他の共有者に帰属する。
409-02-2共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は、他の共有者に帰属する。
504-12-3共有者の一人が相続人なくして死亡し、特別縁故者に対する財産分与もなされない場合、その持分は、他の共有者に帰属する。

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Written by 家坂 圭一 in: 平成19年過去問,民法 |

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