10月
28
2007

【宅建過去問】(平成19年問37)営業保証金

【過去問本試験解説】発売中

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、Aは、甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。

  1. Aが販売する新築分譲マンションの広告を受託した広告代理店は、その広告代金債権に関し、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。
  2. Aは、免許の有効期間の満了に伴い、営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
  3. Aは、マンション3棟を分譲するための現地出張所を甲県内に設置した場合、営業保証金を追加して供託しなければ、当該出張所でマンションの売買契約を締結することはできない。
  4. Aの支店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,500万円を限度として、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。

正解:3

【1】 ◯ 正しい

営業保証金から弁済を受ける対象となる取引は、宅建業に関するものに限られる(宅地建物取引業法27条1項)。
広告代理店との広告に関する取引は宅建業に関する取引ではないので、還付の対象とはならない。

還付の対象にならない取引として、過去に出題されたもの。

  1. 電気工事代金
  2. 内装工事代金
  3. 広告代金
  4. 印刷代金
■類似過去問(弁済の対象となる債権)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
126-39-4建物の貸借の媒介を依頼したことから生じた債権→弁済の対象とならない。×
221-30-3電気工事業者の工事代金債権→弁済の対象となる。×
319-37-1広告代理店の広告代金債権→弁済の対象とならない。
417-33-2賃貸物件管理者の預かり家賃の支払請求権→弁済の対象となる。×
517-33-3印刷業者の印刷物の代金請求権→弁済の対象となる。×
613-33-4内装業者の内装工事代金債権→弁済の対象とならない。
713-40-3広告代理店のチラシ制作代金債権→弁済の対象となる。×
811-38-3広告受託者の広告代金債権→弁済の対象となる。×
905-45-3マンションの売主である宅建業者が破産した場合の損害→弁済の対象となる。
1002-36-3広告業者の広告代金債権→弁済の対象とならない。

【2】 ◯ 正しい

免許の有効期間の満了に伴う営業保証金の取戻しには、公告が必要である(宅地建物取引業法30条1項)。
この公告をした旨を、遅滞なく、免許権者である甲県知事に届け出なければならない(営業保証金規則8条3項)。

※公告不要で営業保証金が取り戻せるのは、以下のケースに限られる。

  1. 主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変更した場合(宅地建物取引業法30条2項カッコ書き)
  2. 営業保証金を取りもどすことができる事由発生から10年経過した場合(同法30条2項ただし書き)
  3. 保証協会の社員となった場合(同法64条の14第1項)
■類似過去問(営業保証金の取戻し)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-40-4
本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
×
227-42-2一部の事務所を廃止した場合において、営業保証金を取り戻すときは、還付請求権者に対して官報で公告しなければならない。
325-27-1不正手段により免許を受けたことを理由に免許を取り消された場合であっても、営業保証金を取り戻すことができる。
423-30-3廃業の場合、公告が必要。支店の廃止の場合、公告は不要。×
523-30-4廃業により免許が効力を失った後、取引が結了した場合、廃業から10年経過していれば、公告なしで営業保証金を取り戻すことができる。×
622-31-1免許取消しを受けたときでも、営業保証金を取り戻すことができる。
722-31-2免許期間満了の場合、公告は不要。×
822-31-3支店の廃止の場合、公告は不要。×
922-31-4保証協会の社員となった場合、公告は不要。
1019-37-2免許期間満了の場合は、公告が必要で、公告の旨を免許権者に届け出なければならない。
1116-35-2支店の廃止の場合、公告は不要。×
1215-34-43ヵ月以内に申し出るべき旨の公告をしたが、申出がなかったので、営業保証金を取り戻した場合、宅建業法に違反しない。
1309-34-4支店を廃止し、営業保証金の額が必要額を超えた場合、公告を経た上で超過額を取り戻すことができる。×
1409-35-2保証協会の社員となった場合、公告が必要。×
1507-36-4保証協会の社員となった場合、公告は不要。
1604-43-3宅建業に関し不正な行為をしたため、免許取消しを受けたとき。は、営業保証金を取り戻すことができない×
1703-48-4保証協会の社員となった場合、公告が必要。×
1801-43-4保証協会の社員となった場合、公告は不要。
■類似過去問(営業保証金の取戻し(公告の届出))
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
119-37-2公告をしたときは、遅滞なく、その旨を免許権者に届け出なければならない。
216-35-3公告をしたときは、2週間以内に、その旨を免許権者に届け出なければならない。×
310-37-4公告をしたときは、遅滞なく、その旨を免許権者に届け出なければならない。

【3】 X 誤り

営業保証金供託の対象となるのは事務所だけである(宅地建物取引業法25条2項)。つまり、主たる事務所(本店)と従たる事務所(支店)だけを基準に、必要となる営業保証金の額を計算する。具体的には、以下の金額である。

本店 1,000万円
支店 1か所につき500万円

算定の基本となるのは、あくまで「事務所の数」である。現地出張所を設置したとしても、営業保証金の追加供託は不要である。

■類似過去問(営業保証金算定の基礎となる「事務所」)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
119-37-3マンション分譲のための現地出張所を設置した場合、営業保証金を追加供託しなければ、出張所で売買契約をすることはできない。×
215-34-1マンション分譲を行う案内所を設置し、営業保証金を追加供託せずに分譲を開始したとしても、宅建業法に違反しない。
304-43-2一団の宅地を分譲するため、専任の宅建士を設置すべき案内所を設けた場合、その業務を開始するまでに、その案内所に係る営業保証金を供託し、その旨を届け出なければならない。×

【4】 ◯ 正しい

Aが供託している営業保証金は、本店につき1,000万円、支店につき500万円の合計1,500万円である(宅地建物取引業法25条2項、同法施行令2条の4。肢3の表)。
したがって、Aと宅建業に関する取引をした者は、供託された1,500万円を限度として、営業保証金から債権の弁済を受けることができる(同法27条1項)。

※支店で取引したからといって、支店分として供託した営業保証金(500万円)の範囲に限定されるわけではない。

■類似過去問(営業保証金の金額)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
127-42-3本店と支店3か所で2,500万円を供託。
224-33-3本店と支店5か所で210万円を供託。×
319-37-4本店と支店1か所で1,500万円を供託。
417-33-1支店2か所新設で1,000万円の地方債証券を供託。×
516-35-1新たに2つの支店を設置し、同時に1つの支店を廃止→500万の営業保証金を供託。
609-34-3新たな支店の設置と同時に従来の支店を廃止→営業保証金を供託する必要はない。
708-47-2宅建業者(事務所数1)が金銭と地方債証券を供託する場合で、地方債証券の額面金額が1,000万円→金銭の額は100万円。
808-47-3支店1か所新設で500万円を供託。
905-46-1本店と支店2か所で2,000万円を供託。

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