10月
29
2007

【宅建過去問】(平成19年問38)広告・契約時期の制限

【過去問本試験解説】発売中

宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、実在しない宅地について広告又は虚偽の表示を行ってはならないが、実在する宅地については、実際に販売する意思がなくても、当該宅地の広告の表示に誤りがなければ、その広告を行うことができる。
  2. Aは、新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない。
  3. 都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について、Bが開発行為を行い貸主として貸借をしようとする場合、Aは、Bがその許可を受ける前であっても、Bの依頼により当該宅地の貸借の広告をすることができるが、当該宅地の貸借の媒介をすることはできない。
  4. Aは、都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について開発行為を行いCに売却する場合、Cが宅地建物取引業者であれば、その許可を受ける前であっても当該宅地の売買の予約を締結することができる。

正解:2

完成前の物件に関する広告開始時期、契約締結時期に関する制限の違いを先にまとめておく。

【広告の開始時期の制限】
宅地造成・建物建築に関する工事の完了前においては、開発許可・建築確認があった後でなければ、宅地・建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない(宅地建物取引業法33条)。
⇒売買だけでなく、貸借に関する広告もすることができない。

【契約の締結時期の制限】
宅地造成・建物建築に関する工事の完了前においては、開発許可・建築確認があった後でなければ、宅地・建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない(同法36条)。
⇒売買(交換)契約はできないが、貸借契約の代理・媒介はできることになる。
(自ら賃貸する行為はそもそも宅建業にあたらない。)

広告開始 契約締結
売買・交換 × ×
貸借 ×

【1】 X 誤り

実在する宅地であっても、売る意思のない物件を広告することは「おとり広告」(誇大広告)にあたる(宅地建物取引業法32条、解釈・運用の考え方)。

おとり広告 顧客を集めるために売る意思のない条件の良い物件を広告し、実際は他の物件を販売しようとする
虚偽広告 実際には存在しない物件等の広告
■類似過去問(誇大広告になるもの)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
126-30-2宅地の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした場合、注文がなく、売買が成立しなかったときであっても、監督処分及び罰則の対象となる。
224-28-ウネット上で既に契約成立済の物件を広告しても、誇大広告にはならない。×
322-32-ア宅地・建物の利用制限の一部を表示しないことも、誇大広告になる。
422-32-イテレビ・ネット広告は規制の対象にならない。×
519-38-1実在していれば、販売する意思のない物件を広告してもよい。×
616-36-4
実在しない低家賃の賃貸物件を広告することは、誇大広告になる。
713-34-ア「市街化調整区域内の土地がすぐにでも市街化区域に変更される」という広告は、宅建業法に違反する。
712-38-4誇大広告をインターネットで行ったときでも、監督処分の対象となる。
910-42-1実在しない土地・取引意思がない土地につき広告することはできない。
1009-43-3実際には人を誤認させなくても、通常誤認させるような表示であれば、誇大広告に該当する。
1109-43-4販売意思のない物件の広告は、誇大広告に該当する。
1107-41-4法人業者の代表者が誇大広告を行った場合、実際に被害を受けた人がいないときでも代表者だけでなく、当該法人が罰金の刑に処せられることがある。
1306-40-3物件が実在し、表示に誤りがなければ、取引意思のない物件を広告してもさしつかえない。×
1406-40-4他業者が作成した広告を、そのまま自社名義の広告として配布した場合でも、内容につき責任を問われることがある。
1505-42-1取引意思のない物件を広告した場合、6月以下の懲役に処されることがある。

【2】 ◯ 正しい

工事完了前の建物の売買に関しては、建築確認を受けない限り、広告をすることも、売買契約を締結することもできない(宅地建物取引業法33条、36条)。

■類似過去問(広告開始時期の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-32-1
宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行うことができる。
227-37-2建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として建物を販売する広告をすることができる。×
327-37-3建築確認を受けた後でなければ、建物の貸借の代理を行う旨の広告をしてはならない。
426-30-1建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。×
525-32-ア建築確認前の賃貸住宅の貸主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。×
625-32-エ建築確認前の建売住宅の売主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。×
724-28-イ建築確認申請中の建物について、貸借の媒介の依頼を受けた場合、広告はできない。
824-28-エ建築確認申請中である旨を表示すれば、広告ができる。×
923-36-1開発許可・建築確認を受けなければ、売買その他の業務の広告はできない。
1020-32-2工事完了前は、開発許可・建築確認を申請した後でなければ、売買その他の業務の広告をしてはならない。×
1119-38-2建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。
1219-38-3開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。×
1317-34-2宅地造成工事の完了検査を受けるまで、広告はできない。×
1416-36-1開発許可を受けていれば、検査済証の交付を受けていなくても、広告ができる。
1514-32-3「建築確認申請中のため、建築確認を受けるまでは、売買契約はできません」と表示すれば広告ができる。×
1613-34-ウ「建築確認を受けることができるのは確実である」旨表示した広告は宅建業法に違反する。
1712-38-1開発許可を必要とする宅地の分譲をする場合、許可を受ける前であっても、許可申請中である旨表示して、広告することができる。×
1811-40-1「建築確認申請済」と表示して広告を行い、販売の契約は建築確認後に締結した場合、宅建業法に違反しない。×
1910-42-4宅建業者が、広告開始時期の制限に違反した場合、免許権者は、必要な指示ができ、その指示に従わないとき業務停止処分ができる。
2009-43-2「契約は、建築確認を受けた後に締結」と明記して広告を行った場合、宅建業法に違反する。
2108-45-1国土法の事前届出をする必要がある場合、届出後でなければ、分譲の広告をしてはならない。×
2208-50-4建築確認を受ける前にマンション分譲の広告をした場合、指示処分の対象になる。
2306-40-1契約締結時期を建築確認後にするのであれば、「建築確認申請中」であることを表示して広告ができる。×
2406-44-2開発許可取得後に分譲パンフレットを郵送することは宅建業法に違反する。×
2505-42-4建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告した場合、50万円以下の罰金に処せられることがある。×
2604-37-2建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告し、契約は建築確認後だった場合、宅建業法に違反しない。×
2702-47-1「建築確認前」である旨を表示すれば、販売広告が可能である。×
■類似過去問(契約締結時期の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-32-2
新築マンションを分譲するに当たり、建築確認申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。
×
227-37-1建築確認を受けた後でなければ、貸借の媒介をしてはならない。×
327-37-4建築確認の申請中は、建築確認を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
426-30-1建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。×
525-32-イ建築確認を受ける前であっても、住宅の貸借の代理をすることができる。
625-32-ウ建築確認後であれば建築工事完了前であっても、売主と専任媒介契約を締結し、媒介業務を行うことができる。
719-38-2建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。
819-38-3開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。×
919-38-4業者間取引であれば、開発許可を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1019-43-1開発許可を受けていない場合でも、許可を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
1118-38-2業者間取引であれば、建築確認を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1213-42-3業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約が可能。×
1311-40-2業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約の予約が可能。×
1407-41-3建築工事着手前でも、確認を受けることを停止条件とした売買契約が可能。×
1504-37-1業者間取引であれば、建築確認の取得を条件とした売買契約が可能。×

【3】 X 誤り

工事完了前の宅地の貸借に関しては、開発許可を受けない限り、広告をすることはできない(宅地建物取引業法33条)。
しかし、貸借の媒介をすることは禁止されていない(同法36条)。
本肢は「できる」「できない」が逆転している。

■類似過去問(広告開始時期の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-32-1
宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行うことができる。
227-37-2建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として建物を販売する広告をすることができる。×
327-37-3建築確認を受けた後でなければ、建物の貸借の代理を行う旨の広告をしてはならない。
426-30-1建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。×
525-32-ア建築確認前の賃貸住宅の貸主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。×
625-32-エ建築確認前の建売住宅の売主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。×
724-28-イ建築確認申請中の建物について、貸借の媒介の依頼を受けた場合、広告はできない。
824-28-エ建築確認申請中である旨を表示すれば、広告ができる。×
923-36-1開発許可・建築確認を受けなければ、売買その他の業務の広告はできない。
1020-32-2工事完了前は、開発許可・建築確認を申請した後でなければ、売買その他の業務の広告をしてはならない。×
1119-38-2建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。
1219-38-3開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。×
1317-34-2宅地造成工事の完了検査を受けるまで、広告はできない。×
1416-36-1開発許可を受けていれば、検査済証の交付を受けていなくても、広告ができる。
1514-32-3「建築確認申請中のため、建築確認を受けるまでは、売買契約はできません」と表示すれば広告ができる。×
1613-34-ウ「建築確認を受けることができるのは確実である」旨表示した広告は宅建業法に違反する。
1712-38-1開発許可を必要とする宅地の分譲をする場合、許可を受ける前であっても、許可申請中である旨表示して、広告することができる。×
1811-40-1「建築確認申請済」と表示して広告を行い、販売の契約は建築確認後に締結した場合、宅建業法に違反しない。×
1910-42-4宅建業者が、広告開始時期の制限に違反した場合、免許権者は、必要な指示ができ、その指示に従わないとき業務停止処分ができる。
2009-43-2「契約は、建築確認を受けた後に締結」と明記して広告を行った場合、宅建業法に違反する。
2108-45-1国土法の事前届出をする必要がある場合、届出後でなければ、分譲の広告をしてはならない。×
2208-50-4建築確認を受ける前にマンション分譲の広告をした場合、指示処分の対象になる。
2306-40-1契約締結時期を建築確認後にするのであれば、「建築確認申請中」であることを表示して広告ができる。×
2406-44-2開発許可取得後に分譲パンフレットを郵送することは宅建業法に違反する。×
2505-42-4建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告した場合、50万円以下の罰金に処せられることがある。×
2604-37-2建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告し、契約は建築確認後だった場合、宅建業法に違反しない。×
2702-47-1「建築確認前」である旨を表示すれば、販売広告が可能である。×
■類似過去問(契約締結時期の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-32-2
新築マンションを分譲するに当たり、建築確認申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。
×
227-37-1建築確認を受けた後でなければ、貸借の媒介をしてはならない。×
327-37-4建築確認の申請中は、建築確認を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
426-30-1建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。×
525-32-イ建築確認を受ける前であっても、住宅の貸借の代理をすることができる。
625-32-ウ建築確認後であれば建築工事完了前であっても、売主と専任媒介契約を締結し、媒介業務を行うことができる。
719-38-2建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。
819-38-3開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。×
919-38-4業者間取引であれば、開発許可を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1019-43-1開発許可を受けていない場合でも、許可を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
1118-38-2業者間取引であれば、建築確認を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1213-42-3業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約が可能。×
1311-40-2業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約の予約が可能。×
1407-41-3建築工事着手前でも、確認を受けることを停止条件とした売買契約が可能。×
1504-37-1業者間取引であれば、建築確認の取得を条件とした売買契約が可能。×

【4】 X 誤り

契約締結時期の制限(宅地建物取引業法36条)は、いわゆる「8つの規制」に含まれていないから、業者間取引においても同様に適用される(同法78条2項参照)。
したがって、買主が業者であっても、開発許可を受ける前の宅地について売買契約を締結することはできない。

■類似過去問(契約締結時期の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-32-2
新築マンションを分譲するに当たり、建築確認申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。
×
227-37-1建築確認を受けた後でなければ、貸借の媒介をしてはならない。×
327-37-4建築確認の申請中は、建築確認を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
426-30-1建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。×
525-32-イ建築確認を受ける前であっても、住宅の貸借の代理をすることができる。
625-32-ウ建築確認後であれば建築工事完了前であっても、売主と専任媒介契約を締結し、媒介業務を行うことができる。
719-38-2建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。
819-38-3開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。×
919-38-4業者間取引であれば、開発許可を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1019-43-1開発許可を受けていない場合でも、許可を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。×
1118-38-2業者間取引であれば、建築確認を受けていない場合でも、売買契約が可能。×
1213-42-3業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約が可能。×
1311-40-2業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約の予約が可能。×
1407-41-3建築工事着手前でも、確認を受けることを停止条件とした売買契約が可能。×
1504-37-1業者間取引であれば、建築確認の取得を条件とした売買契約が可能。×

>>年度目次に戻る

コメントはまだありません »

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005- 株式会社ビーグッド教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress | Aeros Theme | TheBuckmaker.com WordPress Themes