【宅建過去問】(平成19年問49)地盤の特徴

地盤の特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。
  2. 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。
  3. 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。
  4. 旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。

正解:1

本問は、川が形づくる地形に関するものである。そこで、最初に概略をまとめておこう。

19-49-0

■谷
川の源流は通常、山地にある。山地は傾斜が急であるため、水流は早く、また、地面を侵食する力や土砂を運搬する力が強い。そのため、川は、地面を深く削り、谷を刻むことになる。

■扇状地
山地から平野に出てくると、地面の傾斜は突然に小さくなる。川の運搬力も衰えるので、ここに砂礫が堆積する。堆積した砂礫は、扇型(等高線は同心円状)の平坦地を形成し、これを扇状地という。砂礫で構成されていることで分かるように、扇状地は水はけがよく、地下水位が深い。このため、建築物の基礎として十分な支持力を持つ。しかし、谷の出口であるため、土石流などのリスクが高く、この点には注意が必要である。

■氾濫原

(1)自然堤防・後背湿地
平地では、川の流れる経路は一定しない。地形のわずかな傾斜にしたがい、東へ西へと蛇行する。
蛇行する川のカーブの外側に砂や小礫が堆積し、周囲よりも高くなった土地(微高地)を自然堤防という。ここは、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地としての利用価値が高い。
川の水流が増大すると、自然堤防を乗り越えてしまうことがある。この場合、あふれた水は、もともとの川に戻ることができず、そのままの位置に長期間とどまる。この場所を後背湿地という。ここは、排水性が悪いため、宅地には不適切である。水はけの悪さを逆手にとって、水田として利用されることが多い。

(2)旧河道・三日月湖
洪水などをきっかけに、蛇行していた川の流れが直線上にショートカットされ、その直線上の流れが以後の本流となることがある。この場合、もともと川が流れていたところを旧河道と呼ぶ。もともとは川であったのだから、粘土質であるなど地盤は軟弱である。また、旧河道が取り残されて、湖となったものを、その形状から三日月湖と呼んでいる。

 19-49-2  19-49-4

■三角州
19-49-3平野を流れた川は、最終的に海に達する。その河口部に、川を流れてきた砂が堆積し、三角形に近い地形が形成される。これを三角州という。この地点で堆積するのは、細かい砂や粘土が中心である。したがって、排水性が悪く、液状化のリスクも高い。

 

【1】誤り

19-49-1山地を流れる川の流れが急であれば、流れは、強い侵食力を発揮し、垂直方向に谷を刻みこんでいく。この結果、形成されたV字型の地形をV字谷と呼ぶ。

川の流れが緩やかになってくると、垂直方向に谷を彫り込む力は衰え、水流は左右に揺れ動くようになる。段々と左右の谷が削られ、やがて平野が形成される。これを谷底平野という。このような経緯で形成された谷底平野は、地盤がゆるく、液状化のリスクも高い。したがって、住宅地には不適切である。

【2】正しい

冒頭の説明参照。後背湿地は、軟弱な地盤であり、水田とするのには適しているが、宅地としての利用は少ない。

■類似過去問(自然堤防・後背湿地)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
119-49-2後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。
218-50-4自然堤防とは、河川からの砂や小礫の供給が少ない場所に形成され、細かい粘性土や泥炭などが堆積した地盤である。×
314-49-3河川近傍の低平地で盛土を施した古い家屋が周辺に多いのは、洪水常習地帯である可能性が高い。
412-49-4自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。
508-01-3自然堤防は、主に砂や小礫からなり、排水性がよく地盤の支持力もあるため、宅地として良好な土地であることが多い。
607-01-3自然堤防に囲まれた低地は、地盤が安定していることが多い。×
703-01-3旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。

【3】正しい

冒頭の説明参照。三角州は、河川が山などから運んできた土砂が堆積して形成される地形である。地震時の液状化現象に注意しなければならない。

※液状化現象とは、大きな地震の揺れにより、地盤が液体状となることである。この現象により、家・電柱が沈んだり、下水管が浮き上がったりする。液状化現象は、粒径のそろった砂地盤で、地下水位の高い、地表から浅い地域で発生しやすい。

■類似過去問(液状化)
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 年-問-肢内容正誤
127-49-3台地上の池沼を埋め立てた地盤は、液状化に対して安全である。×
226-49-2地盤の液状化は、地盤の条件と地震の揺れ方により、発生することがある。
325-49-4低地は、国土面積の約25%であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は低い。×
424-49-2台地や段丘上の浅い谷に見られる小さな池沼を埋め立てた所では、地震の際に液状化が生じる可能性がある。
524-49-3丘陵地帯で地下水位が深く、砂質土で形成された地盤では、地震の際に液状化する可能性が高い。×
619-49-3三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。
714-49-4丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。×
803-01-1液状化現象は、比較的粒径のそろった砂地盤で、地下水位の高い、地表から浅い地域で発生しやすい。

【4】正しい

冒頭の説明参照。旧河道は、かつて川が流れていた場所であり、その地盤は軟弱である。したがって、建物の不同沈下(不等沈下)が発生しやすい。

■類似過去問(旧河道)
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 年-問-肢内容正誤
127-49-1我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。
226-49-1旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い所である。
319-49-4旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。
416-50-1旧河道は軟弱で水はけの悪い土が堆積していることが多く、宅地として選定する場合は注意を要する。
514-49-1旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるときは、軟弱地盤である可能性が高い。
608-01-4旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるとき、軟弱地盤となって地盤の支持力が小さく、宅地には不適当であることが多い。
707-01-4旧河道は、地盤が軟弱、低湿で、地震や洪水による被害を受けることが多い。
806-01-4旧河道は、なだらかな丘陵地より宅地として不適切である。
903-01-3旧河道は軟弱地盤となっている所が多いが、自然堤防は、砂質や砂礫質の土からなり、比較的宅地に適している。
■類似過去問(地盤沈下)
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 年-問-肢内容正誤
119-49-4旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。
217-50-1盛土をする場合には、地表水の浸透により、地盤にゆるみ、沈下又は崩壊が生じないように締め固める。
317-50-4造成して平坦にした宅地では、一般に盛土部分に比べて切土部分で地盤沈下量が大きくなる。×
413-49-4丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、その境目では地盤の強度が異なるため、不同沈下が起こりやすい。
512-49-4自然堤防の背後に広がる低平地は、軟弱な地盤であることが多く、盛土の沈下が問題になりやすい。
609-50-1丘陵地や台地内の小さな谷間は、軟弱地盤であることが多く、これを埋土して造成された宅地では、地盤沈下や排水不良を生じることが多い。
709-50-3丘陵地を切り盛りして平坦化した宅地において、切土部と盛土部にまたがる区域では、沈下量の違いにより不同沈下を生じやすい。
805-01-3高含水性の粘性土等が堆積している軟弱地盤は、盛土や建物の荷重によって大きな沈下を生じたり、側方に滑動したりすることがあるので、開発事業に当たっては、十分注意しなければならない。
905-01-4産業廃棄物の処分場跡地を宅地に利用する場合は、あらかじめ、長時間をかけて、ガス抜き、浸出水の浄化、地盤沈下等の観測等を行わなければならない。
1003-01-4建物や構造物の不等沈下は、一般に切土部よりも盛土部で起こりやすい。

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