10月
19
2008

【宅建過去問】(平成20年問38)業務上の義務と禁止事項

【過去問本試験解説】発売中

次に記述する宅地建物取引業者Aが行う業務に関する行為のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

  1. 宅地の売買の媒介において、当該宅地の周辺環境について買主の判断に重要な影響を及ぼす事実があったため、買主を現地に案内した際に、取引主任者でないAの従業者が当該事実について説明した。
  2. 建物の貸借の媒介において、申込者が自己都合で申込みを撤回し賃貸借契約が成立しなかったため、Aは、既に受領していた預り金から媒介報酬に相当する金額を差し引いて、申込者に返還した。
  3. Aの従業者は、宅地の販売の勧誘に際し、買主に対して「この付近に鉄道の新駅ができる」と説明したが、実際には新駅設置計画は存在せず、当該従業者の思い込みであったことが判明し、契約の締結には至らなかった。
  4. Aは、自ら売主として、宅地の売却を行うに際し、買主が手付金100万円を用意していなかったため、後日支払うことを約して、手付金を100万円とする売買契約を締結した。

正解:1

【1】 ◯ 違反しない

買主の判断に重要な影響を及ぼす事実について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為は禁止されている(宅地建物取引業法47条1号ニ)。
しかし本肢では、このような事実について説明しているのであるから問題はなく、宅建業法違反とはならない。

※重要事項の説明ではないから、「取引主任者が説明しなければならない」という制限はない。

■類似過去問(重要事項不告知の禁止)
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 年-問-肢内容正誤
128-34-1
宅建業者が、賃貸アパートの媒介に当たり、入居申込者が無収入であることを知っており、入居申込書の収入欄に「年収700万円」とあるのは虚偽の記載であることを認識したまま、その事実を告げずに貸主に提出した行為は宅建業法に違反する。
220-38-1宅地の周辺環境について買主の判断に重要な影響を及ぼす事実を、宅建士でない従業者が説明しても、宅建業法に違反しない。
319-36-4建物の利用制限に関する事項で買主の判断に重要な影響を及ぼすものを故意に告げなかった場合、宅建業法に違反し、宅建業者に1億円以下の罰金が課せられることがある。
416-44-4契約に係る重要な事項について故意に事実を告げない行為は禁止されており、行為を行った代表者には懲役刑、宅建業者には罰金刑が科されることがある。
513-37-1更地を希望する買主に対しては、未登記の古い空き家の存在を告げる必要はない。×
612-35-1近隣にゴミ集積場所の設置計画がある場合で、それを借主が知らないと重大な不利益を被るおそれがあるときに、その計画について故意に借主に対し告げなかったとしても、宅建業法に違反しない。×
711-42-3対抗力ある借地権が存在するが、それが登記されていなかったので、告知しなかった場合、宅建業法47条に違反する。

【2】 X 違反する

「既に受領した預り金を返還することを拒むこと」は宅建業法に違反する(宅地建物取引業法47条の2第3項、同法施行規則16条の12第2号) 。

■類似過去問(預り金の返還拒否)
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年-問-肢内容正誤 
127-41-ア「お預かりした申込証拠金10万円のうち、社内規程上、お客様の個人情報保護のため、申込書の処分手数料として、5,000円はお返しできませんが、残金につきましては法令に従いお返しします。」という発言は、宅建業法に違反しない。×
224-32-1重要事項説明をしていたので、申込証拠金の返還を拒否×
321-40-2売主に交付していたので返還せず×
420-38-2媒介報酬相当額を差し引いて返還×
518-41-2貸主に交付していたので返還せず×
612-35-3家主に交付していたので返還せず×

【3】 X 違反する

契約の目的物である宅地・建物の将来の環境・交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること」は、禁止されている(宅地建物取引業法47条の2第3項、同法施行規則16条の12第1号イ)。
従業員の思い込みだったからといって免責されないし、契約締結に至らなかったとしても違法性がなくなるわけではない。

■類似過去問(勧誘の規制)
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年-問-肢内容正誤 
▲イ号
128-34-2
宅建業者が、分譲マンションの購入を勧誘するに際し、うわさをもとに「3年後には間違いなく徒歩5分の距離に新しく私鉄の駅ができる」と告げた場合、そのような計画はなかったとしても、故意にだましたわけではないので宅建業法には違反しない。
×
227-41-ア「隣接地は、市有地で、現在、建築計画や売却の予定がないことを市に確認しました。将来、建つとしても公共施設なので、市が眺望を遮るような建物を建てることは絶対ありません。ご安心ください。」という発言は、宅建業法に違反しない。×
326-43-4「近所に幹線道路の建設計画がある」と説明したが、実際には建設計画は存在せず、従業者の思い込みであった場合、宅建業法に違反しない。×
424-32-4交通整備の見通しにつき、新聞報道を示しながら、未確定の話として説明した場合、宅建業法に違反しない。
524-41-イ断定的判断を提供した従業員に故意がない場合、宅建業法に違反しない。×
620-38-3存在しない新駅設置計画を説明したが、契約には至らなかった場合、宅建業法に違反しない。×
716-44-2過失で断定的判断を提供した場合でも免責されない。
808-45-410年後開通予定の駅候補地の1つが徒歩5分の場所にある場合、「地下鉄新駅まで徒歩5分」と広告しても、宅建業法に違反しない。×
▲ハ号
126-43-2相手方に事前の連絡をしないまま自宅を訪問したが、勧誘に先立って、業者名・自己の氏名・契約締結の勧誘が目的である旨を告げた上で勧誘を行った場合、宅建業法に違反しない。
224-41-ア勧誘に先立って商号・自らの氏名を告げてから勧誘を行ったが、勧誘の目的が投資用マンションの売買契約の締結である旨を告げなかった場合、宅建業法に違反しない。×
▲ニ号
126-41-2相手方が明確に買う意思がない旨を表明した場合、別の従業者をして、再度勧誘を行わせることは法に違反しない。×
226-43-3土地の買受けの勧誘に当たり、売却の意思は一切ない旨を告げられたが、その翌日、再度の勧誘を行った場合、宅建業法に違反しない。×
▲ホ号
124-41-エ「午後3時に訪問されるのは迷惑である。」と事前に聞いていたが、深夜でなければ迷惑にはならないだろうと判断し、午後3時に当該相手方を訪問して勧誘を行った。×
▲ヘ号
123-41-イ建物の販売に際して、短時間であったが、私生活の平穏を害するような方法により電話勧誘を行い、相手方を困惑させた。×

【4】 X 違反する

手付金を実際には受け取っていないのに、受け取ったものとして売買契約を締結することは「手付についての信用の供与」にあたり、宅建業法に違反する(宅地建物取引業法47条3号、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(第47条第3号関係))。

■類似過去問(手付貸与による契約誘引)
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 年-問-肢内容正誤
128-29-イ
宅建業者が、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買は成立しなかった場合、宅建業法に違反しない。
×
228-34-4
宅建業者が、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても宅建業法に違反する。
327-41-イ「弊社と提携している銀行の担当者から、手付金も融資の対象になっていると聞いております。ご検討ください。」という発言は、宅建業法に違反しない。
426-43-1手付金を複数回に分けて受領することとし、契約締結を誘引するのは、宅建業法に違反しない。×
524-34-ウ手付の貸付により契約を誘引するのは、宅建業法に違反する。
624-41-ウ売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した場合、宅建業法に違反する。×
723-41-ア手付の貸付により契約を誘引するのは、宅建業法に違反する。
821-40-1手付の貸付を告知し契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
920-38-4手付を後日支払うこととして、売買契約を締結するのは、宅建業法に違反しない。×
1018-40-3手付の貸付を告知し契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
1115-38-3手付金の一部を貸付け、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。×
1213-42-2業者間取引であれば、買主に対し手付金を貸し付けて契約の締結を誘引してもさしつかえない。×
1312-35-4手付金に関し買主と銀行との間の金銭の貸借のあっせんをして、売買契約を締結させたとしても、宅建業法に違反しない。
1412-40-3買主の要求に応じ、手付金を分割払とすることができる。×
1511-42-2手付の貸付を条件に契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
1611-42-4手付金額を減額することで契約を誘引し、契約が成立した場合、宅建業法に違反しない。
1709-38-1「手付金の不足額は契約成立後に支払う」旨説明して契約を成立させたとしても、宅建業法に違反しない。×
1809-40-1手付金の不足額を宅建業者が立て替えて契約を成立させたとしても、宅建業法に違反しない。×
1904-44-1手付金を分割払としても、宅建業法に違反しない。×
2001-48-1手付の貸付により契約締結を誘引しても、宅建業法違反とならない。×

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