10月
19
2008

【宅建過去問】(平成20年問41)8つの規制

【過去問本試験解説】発売中

宅地建物取引業者Aが自ら売主として、買主Bとの間で締結した売買契約に関して行う次に記述する行為のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反するものはどれか。

  1. Aは、宅地建物取引業者でないBとの間で建築工事完了前の建物を5,000万円で販売する契約を締結し、法第41条に規定する手付金等の保全措置を講じずに、200万円を手付金として受領した。
  2. Aは、宅地建物取引業者でないBとの間で建築工事が完了した建物を5,000万円で販売する契約を締結し、法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じずに、当該建物の引渡し前に700万円を手付金として受領した。
  3. Aは、宅地建物取引業者でないBとの間で建築工事完了前の建物を1億円で販売する契約を締結し、法第41条に規定する手付金等の保全措置を講じた上で、1,500万円を手付金として受領した。
  4. Aは、宅地建物取引業者であるBとの間で建築工事が完了した建物を1億円で販売する契約を締結し、法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じずに、当該建物の引渡し前に2,500万円を手付金として受領した。

正解:2

20-41-0

宅建業者が自ら売主となった場合の手付については、

  1. 手付金の額の制限
  2. 手付金等の保全措置

の2点に注目する必要がある。

まず、手付の額は、代金の20%以下に制限されている(宅地建物取引業法39条1項)。20%を超える額の手付は、保全措置の有無に関わらず、受領すること自体が宅建業法違反となる。
次に、手付金等の保全措置の要否が問題になる。工事完了前の物件と工事完了後の物件では、基準が異なるから、注意が必要である(同法41条、41条の2)。

工事完了に支払われる場合 代金の5%以下でかつ1,000万円以下
工事完了に支払われる場合 代金の10%以下でかつ1,000万円以下

最後に、以上2つのルールは、業者取引には適用されない点も重要である(同法78条2項)。業者間取引に関する選択肢を見つけた場合、計算も何も不要で一瞬で◯×を決めることができる。このチャンスを活用しよう。

【1】 ◯ 違反しない

手付の額の上限は、代金の20%(5,000万×20%=1,000万)である。
工事完了の物件なので、代金の5%(5,000万×5%=250万)を超える場合には、保全措置が必要である。

実際に受け取った手付金は200万円だから、額の制限にも違反しないし、保全措置の必要もない。したがって、宅建業法に違反しない。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了前の物件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
代金4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後に保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。
×
228-43-ア
代金3000万円/手付金600万円→保全措置が必要。
327-36-ウ代金2,400万円/手付金120万円以下→保全措置を講じずに受領できる。
427-40-イ代金3,000万円/手付金300万円。手付金等について保証保険契約を締結して、手付金を受領し、後日保険証券を交付した。×
527-40-ウ代金3,000万円/手付金150万円/中間金150万円→保全措置は不要。×
626-33-2代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
726-33-3代金5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
825-40-4代金4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
923-38-3代金3,000万円/代金に充当される申込証拠金5万円・手付金200万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1023-38-4代金3,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金についても保全措置が必要。
1121-39-3代金5,000万円/手付金500万円・中間金250万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1221-39-4代金5,000万円/手付金2,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。×
1320-41-1代金5,000万円/手付金200万円→保全措置を講じずに受領すると宅建業法に違反する。×
1420-41-3代金1億円/手付金1,500万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1519-43-2代金1億円/手付金1,500万円・中間金1,500万円→手付金・中間金それぞれにつき保全措置が必要。
1616-44-1代金の1/10以下で、かつ、1,000万円以下であれば、保全措置不要。×
1713-41-1代金4,000万円/申込証拠金10万・手付金300万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1813-41-4代金4,000万円/手付金300万円・中間金100万→中間金につき保全措置が必要。
1909-39-1代金5,000万円/手付金200万円→手付金につき保全措置は不要。
2005-43-3代金6,000万円/手付金500万円・中間金1,000万円→手付金について中間金受領の際にまとめて保全措置。×
2103-49-2代金1億5,000万円/申込証拠金30万円・手付金2,000万円・中間金6,000万円→保全措置の対象は2,000万円。×
2202-42-1代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円・残代金5,000万円/引渡し・登記の移転は残代金の支払いと同時→保全措置は不要。×
2301-42-1代金1億2,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円→中間金受領の際に保全措置を講じればよい。×

【2】 X 違反する

手付の額の上限は、代金の20%(5,000万×20%=1,000万)である。
工事完了の物件なので、代金の10%(5,000万×10%=500万)を超える場合には、保全措置が必要である。

実際に受け取った手付金は700万円であり、額の制限には違反しないものの、保全措置なしに受領できる金額ではない。
本肢では、「保全措置を講じずに」受領しているから、宅建業法に違反する。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了後の物件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
124-34-ア代金2,000万円/手付金200万円・中間金100万円→中間金受領後に保全措置×
224-34-イ代金2,000万円/代金に充当される申込証拠金10万円・手付金200万円→保全措置を講じた上で手付金を受領
324-38-ウ代金3,000万円/手付金300万円→保全措置を講じなければ受領できない×
420-41-2代金5,000万円/手付金700万円→保全措置を講じずに受領できる×
517-42-1代金4,000万円/手付金400万円→保全措置を講じずに受領できる
617-42-2代金4,000万円/手付金100万円・中間金600万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
715-38-2手付金20%→保全措置を講じた上で受領
814-40-3手付が代金の1/10を超え、かつ、1,000万円を超える→いかなる場合も保全措置が必要×
909-44-1手付金が代金の10%を超えるが、営業保証金の額の範囲内→保全措置は不要×
1009-44-4手付金が本体価額(税引価格)の10%を超えるが、売買代金(税込価格)の10%以下→保全措置は不要
1104-41-1代金4,500万円/手付金400万円・中間金2000万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
1202-42-4代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円/引渡し・登記の移転は中間金の支払いと同時→保全措置なしで、手付金を受領できない×
1301-42-2代金12,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円・残代金6,000万円/引渡し・登記移転は中間金の支払いと同時 →手付金の受領前に保全措置が必要

【3】 ◯ 違反しない

手付の額の上限は、代金の20%(1億×20%=2,000万)である。
工事完了前の物件なので、代金の5%(1億×5%=500万)を超える場合には、保全措置が必要である。

実際に受け取った手付金は1,500万円だから、額の制限には違反しない。保全措置を講じた上で受領している以上、宅建業法に違反しない。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了前の物件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
代金4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後に保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。
×
228-43-ア
代金3000万円/手付金600万円→保全措置が必要。
327-36-ウ代金2,400万円/手付金120万円以下→保全措置を講じずに受領できる。
427-40-イ代金3,000万円/手付金300万円。手付金等について保証保険契約を締結して、手付金を受領し、後日保険証券を交付した。×
527-40-ウ代金3,000万円/手付金150万円/中間金150万円→保全措置は不要。×
626-33-2代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
726-33-3代金5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
825-40-4代金4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
923-38-3代金3,000万円/代金に充当される申込証拠金5万円・手付金200万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1023-38-4代金3,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金についても保全措置が必要。
1121-39-3代金5,000万円/手付金500万円・中間金250万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1221-39-4代金5,000万円/手付金2,000万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。×
1320-41-1代金5,000万円/手付金200万円→保全措置を講じずに受領すると宅建業法に違反する。×
1420-41-3代金1億円/手付金1,500万円→保全措置の上で受領すれば宅建業法に違反しない。
1519-43-2代金1億円/手付金1,500万円・中間金1,500万円→手付金・中間金それぞれにつき保全措置が必要。
1616-44-1代金の1/10以下で、かつ、1,000万円以下であれば、保全措置不要。×
1713-41-1代金4,000万円/申込証拠金10万・手付金300万円→申込証拠金についても保全措置が必要。
1813-41-4代金4,000万円/手付金300万円・中間金100万→中間金につき保全措置が必要。
1909-39-1代金5,000万円/手付金200万円→手付金につき保全措置は不要。
2005-43-3代金6,000万円/手付金500万円・中間金1,000万円→手付金について中間金受領の際にまとめて保全措置。×
2103-49-2代金1億5,000万円/申込証拠金30万円・手付金2,000万円・中間金6,000万円→保全措置の対象は2,000万円。×
2202-42-1代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円・残代金5,000万円/引渡し・登記の移転は残代金の支払いと同時→保全措置は不要。×
2301-42-1代金1億2,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円→中間金受領の際に保全措置を講じればよい。×

【4】 ◯ 違反しない

手付金の保全措置(宅地建物取引業法41条、41条の2)や手付金額の制限(宅地建物取引業法39条)は、業者間取引には適用されない(宅地建物取引業法78条2項)。

したがって、手付金額にも上限はないし、保全措置を講ずる必要もない。

■類似過去問(業者間取引と手付の額の制限)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
126-33-1業者間取引で、代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置を講じずに受領できる
220-41-4業者間取引で、代金1億円/手付金2,500万円→保全措置を講じずに受領できる
318-38-1業者間取引で、代金の3/10の手付を受領できる
416-40-3業者間取引に、手付の額の制限が適用される×
513-42-1業者間取引で、手付の額が代金の2割を超える場合、手付金保全措置が必要である×
507-42-4業者間取引で、代金の3/10の手付を受領できる
601-48-2業者間取引では、代金の5割の手付金を受領しても、宅建業法違反とならない
■類似過去問(業者間取引と手付金等の保全措置)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
126-33-1業者間取引で、代金5,000万円/手付金1,000万円→保全措置を講じずに受領できる
225-40-3未完成物件の業者間取引で、代金5000万/手付金500万円→保全措置を講じずに受領できる
320-41-4業者間取引で、代金1億円/手付金2,500万円→保全措置を講じずに受領できる
416-40-4業者間取引に、手付金等の保全措置の規定が適用される×
507-42-4業者間取引では、手付金等の保全措置を講ずる必要はない
606-44-4業者間取引で、手付金等の保全措置を講じなかった場合、宅建業法に違反する×
701-42-4業者間取引でも、手付金等の保全措置を講じなければならない×

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