【宅建過去問】(平成21年問19)建築基準法

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する地方公共団体の条例において定められた内容に適合するものでなければならない。
  2. 認可の公告のあった建築協定は、その公告のあった日以後に協定の目的となっている土地の所有権を取得した者に対しても、効力がある。
  3. 商業地域内にある建築物については、法第56条の2第1項の規定による日影規制は、適用されない。ただし、冬至日において日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせる、高さ10mを超える建築物については、この限りでない。
  4. 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。

正解:1

1 誤り

高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合させる必要があります(建築基準法58条)。
「地方公共団体の条例」で定めるわけではありません。

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高度地区・高度利用地区(都市計画法[02]3(5))
年-問-肢内容正誤


高度地区
1R05-15-2高度利用地区は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、都市計画に、建築物の高さの最低限度を定める地区とされている。×
2R04-15-3高度地区については、都市計画に、建築物の容積率の最高限度又は最低限度を定めるものとされている。×
3R01-15-1高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とされている。
4H28-16-3高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。×
5H21-19-1
高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する地方公共団体の条例において定められた内容に適合するものでなければならない。×
6H19-18-1高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
7H15-17-3高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。×
8H14-18-2高度地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、少なくとも建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度を定めなければならない。×
9H11-21-3高度地区内においては、容積率は、高度地区に関する都市計画で定められた内容に適合しなければならない。×
10H03-18-1高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、容積率の最高限度又は最低限度を定める地区である。×
高度利用地区
1R05-15-2高度利用地区は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、都市計画に、建築物の高さの最低限度を定める地区とされている。×
2H28-16-3高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。×
3H26-15-2高度利用地区は、市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため定められる地区であり、用途地域内において定めることができる。
4H15-17-3高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。×
5H14-18-2高度地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、少なくとも建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度を定めなければならない。×

2 正しい

建築協定について認可の公告があった場合、それ以降に建築協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても、建築協定の効力が及びます(建築基準法75条)。

建築協定の効力

■参照項目&類似過去問
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建築協定(建築基準法[10])
年-問-肢内容正誤
目的
1H15-21-2建築協定においては、建築協定区域内における建築物の用途に関する基準を定めることができない。×
2H05-24-3建築協定は、建築物の敷地、位置及び構造に関して定めることができるが、用途に関しては定めることができない。×
締結・変更・廃止
1H24-19-4建築協定区域内の土地の所有者等は、特定行政庁から認可を受けた建築協定を変更又は廃止しようとする場合においては、土地所有者等の過半数の合意をもってその旨を定め、特定行政庁の認可を受けなければならない。×
2H05-24-1建築協定を締結するには、当該建築協定区域内の土地(借地権の目的となっている土地はないものとする。)の所有者の、全員の合意が必要である。
一人協定
1H05-24-2建築協定は、当該建築協定区域内の土地の所有者が1人の場合でも、定めることができる。
効力
1H21-19-2認可の公告のあった建築協定は、その公告のあった日以後に協定の目的となっている土地の所有権を取得した者に対しても、効力がある。
2H05-24-4建築協定は、特定行政庁の認可を受ければ、その認可の公告の日以後新たに当該建築協定区域内の土地の所有者となった者に対しても、その効力が及ぶ。
建築物の借主の地位
1H27-18-4建築協定の目的となっている建築物に関する基準が建築物の借主の権限に係る場合においては、その建築協定については、当該建築物の借主は、土地の所有者等とみなす。

3 正しい

商業地域・工業地域・工業専用地域は、日影規制の対象区域として指定することができません(建築基準法56条の2第1項)。したがって、商業地域内の建物については、原則として、日影規制が適用されないことになります。
ただし、対象区域外の建築物であっても、高さが10mを超え、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものについては、対象区域内にある建築物とみなして、日影規制が適用されます(同条4項)。

日影規制

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日影規制(建築基準法[07]3(5))
年-問-肢内容正誤
1R05-18-4冬至日において、法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせるものであっても、対象区域外にある建築物であれば一律に、同項の規定は適用されない。×
2R02-18-4日影による中高層の建築物の高さの制限に係る日影時間の測定は、夏至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間について行われる。×
3H21-19-3商業地域内にある建築物については、法第56条の2第1項の規定による日影規制は、適用されない。ただし、冬至日において日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせる、高さ10mを超える建築物については、この限りでない。
4H18-22-4法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域は地方公共団体が条例で指定することとされているが、商業地域、工業地域及び工業専用地域においては、日影規制の対象区域として指定することができない。
5H07-24-1日影規制の対象となる区域については、その区域の存する地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して、都市計画で定められる。×
6H07-24-2第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域において、日影規制の対象となるのは、軒の高さが7m又は高さが10mを超える建築物である。×
7H07-24-3同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、日影規制が適用される。
8H07-24-4建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合であっても日影規制の緩和に関する措置はない。×
9H05-23-4日影制限(建築基準法第56条の2の制限をいう。)は、商業地域内においても、適用される。×
10H04-23-3近隣商業地域と第二種住居地域にまたがる敷地に建築物を建築する場合、日影規制が対象されることはない。×
11H03-24-4第二種中高層住居専用地域内においても、高さが9mの建築物であれば、日影による中高層の建築物の高さの制限を受けない。
12H02-24-4第一種低層住居専用地域内の建築物のうち、地階を除く階数が2以下で、かつ、軒の高さが7m以下のものは、日影による中高層の建築物の高さの制限を受けない。

4 正しい

特別用途地区とは、「用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区」のことです(都市計画法9条14項)。
特別用途地区内においては、建築物の建築の制限や禁止について、地方公共団体の条例で定めます(建築基準法49条1項)。地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、用途制限を緩和することができます(同条2項)。

※特別用途地区と特定用途制限地域をゴチャゴチャにする問題が頻出です。比較・整理しておきましょう。

特別用途地区と特定用途制限地域

■参照項目&類似過去問
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特別用途地区・特定用途制限地域(都市計画法[02]3(2)建築基準法[04]4
年-問-肢内容正誤
特別用途地区
1R05-15-3
特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。×
2R02s-18-2
準都市計画区域については、都市計画に、特別用途地区を定めることができる。
3R02s-18-2
特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
4R01-15-4
特別用途地区は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地区とされている。×
5H26-18-3
特別用途地区内においては、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
6H22-16-4特定用途制限地域は、用途地域内の一定の区域における当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定めるものとされている。×
7H21-19-4特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
8H18-18-4特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区である。
9H14-18-3特別用途地区は、文教地区、観光地区などの11類型の総称であり、主として用途地域による用途規制を強化したり、緩和することにより当該地区の特性にふさわしい特別の目的の実現を図るものである。×
10H11-17-3特別用途地区は、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るために定める地区であり、用途地域内においてのみ定めることができる。
11H10-17-2特別用途地区は、土地の利用の増進、環境の保護等を図るため定める地区であることから、その区域内においては、用途地域で定める建築物の用途に関する制限を強化することができるが、制限を緩和することはできない。×
12H07-18-1特別用途地区とは、一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため定める地区であり、用途地域が定められていない区域において定められるものである。×
13H03-18-2特別用途地区は、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区で、用途地域外であっても、定めることができる。×
特定用途制限地域
1R05-15-3
特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。×
2R03s-15-3
第一種低層住居専用地域については、都市計画に特定用途制限地域を定めることができる場合がある。×
3R01-15-4
特別用途地区は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地区とされている。
×
4H25-15-2用途地域の一つである特定用途制限地域は、良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。×
5H22-16-4特定用途制限地域は、用途地域内の一定の区域における当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定めるものとされている。×

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