6月
14
2013

【宅建過去問】(平成23年問11)借地借家法(借地)

【過去問本試験解説】発売中

借地借家法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 建物の用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更その他の事情の変更により、現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
  2. 賃貸借契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて残存すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
  3. 借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
  4. 第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

正解:3

借地条件の変更等に関する裁判所の許可制度につき、申立権者の点を中心にまとめておく。

ケース 申立権者 借地借家法 本問
借地条件の変更の許可 当事者(借地権設定者・借地権者) 17条1項 肢1
増改築の許可 借地権者 17条2項
契約更新後の建物再築の許可 借地権者 18条1項 肢2
建物譲渡の場合の借地権の譲渡・転貸の許可 借地権者(=建物の譲渡人) 19条1項 肢3
競売の場合の借地権の譲渡の許可 競売による建物の買受人 20条1項 肢4

【1】 ◯ 正しい

建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる(借地借家法17条1項)。

■類似過去問(借地条件の変更の許可)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
123-11-1借地条件の変更は、当事者が申立て可能。
209-11-1借地条件変更の申立てができるのは借地権者のみ 。×
309-11-2増改築禁止の借地条件がある場合に、借地権設定者の承諾に代わる許可の裁判をするとき、裁判所は、借地権の存続期間の延長まですることはできない。×

【2】 ◯ 正しい

契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法18条1項)。

【3】 X 誤り

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法19条1項)。
「譲渡を受けようとする第三者」が申立てることはできない。

■類似過去問(借地権譲渡・転貸の許可)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
123-11-3借地権譲渡・転貸の許可は、建物を譲り受けた第三者が申立て可能。×
217-13-2借地権譲渡・転貸の許可は、借地権者が申立て可能。
315-13-3借地権譲渡・転貸の許可は、借地権者が申立て可能。
409-11-4借地権譲渡・転貸の許可は、建物を譲り受けた第三者が申立て可能。×
506-11-1借地権譲渡・転貸の許可は、建物を譲り受けた第三者が申立て可能。×
603-12-2借地権譲渡・転貸には、土地所有者または裁判所の許可が必要。
▲関連過去問(建物賃借権の譲渡・転貸の許可)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
112-12-2借家人が建物を第三者に転貸しようとする場合に、その転貸により建物所有者に不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾を与えないときは、裁判所は、借家人の申立てにより、建物所有者の承諾に代わる許可を与えることができる。×
201-13-2借家人が建物を第三者に転貸する場合、建物所有者の承諾を得る必要があるが、建物所有者が承諾を与えないときは、借家人は、建物所有者の承諾に代わる許可の裁判を裁判所に対して申し立てることができる。×

【4】 ◯ 正しい

第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法20条1項)。

■類似過去問(競売の場合における借地権の譲渡・転貸の許可)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
123-11-4建物競売時の借地権譲渡の許可は、競落した第三者が申立て可能。
209-11-3建物競売時の借地権譲渡の許可は、競落した第三者が申立て可能。
306-11-2建物競売時の借地権譲渡の許可は、代金支払後2カ月以内に限り可能。
405-10-2借地上の建物を抵当権の目的とした場合、競売により建物を取得した者は、土地の賃借権も当然に取得し、土地所有者に対抗することができる。×
505-10-3土地所有者の許可がない限り、対抗手段がない。×

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Written by 家坂 圭一 in: 平成23年過去問,借地借家法 |

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