6月
14
2013

【宅建過去問】(平成24年問07)物上代位(抵当権)

【過去問本試験解説】発売中

物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象とする目的物について、その払渡し又は引渡しの前に差し押さえるものとする。

  1. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Bの一般債権者が差押えをした場合には、Aは当該賃料債権に物上代位することができない。
  2. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Aが当該建物に抵当権を実行していても、当該抵当権が消滅するまでは、Aは当該賃料債権に物上代位することができる。
  3. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物が火災によって焼失してしまった場合、Aは、当該建物に掛けられた火災保険契約に基づく損害保険金請求権に物上代位することができる。
  4. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。

正解:1

【1】 X 誤り

–â10‘I‘ðŽˆ‚P【一般債権者の差押えは「払渡し又は引渡し」にあたるか】
一般債権者の差押えは「払渡し又は引渡し」にあたらない(最判平10.3.26)。

【物上代位の対抗要件】
物上代位と差押債権者の優劣は抵当権設定登記と一般債権者による差押命令の第三債務者に対する送達の先後関係による(最判平10.3.26)。

【本肢では】
Aが抵当権設定登記をしているので、Aの差押えの方が優先し、Aは賃料債権に物上代位することができる。

■類似過去問(賃料に対する物上代位)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
125-05-1賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。×
224-07-1抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、抵当権者は物上代位できない。×
324-07-2抵当権実行中でも、抵当権が消滅するまでは、賃料債権に物上代位が可能。
424-07-4Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。
520-04-1抵当権実行を申し立てた抵当権者は、賃料への物上代位と賃貸借契約の解除が可能。×
617-05-2抵当権者は、賃料債権に物上代位することができる。
715-05-1(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権が第三者に譲渡され対抗要件を備えた場合、賃借人が当該第三者に弁済する前であっても、抵当権設定者は、物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。×
815-05-2(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、差押命令が賃借人に送達された後は、抵当権者は物上代位できない。×
911-04-1抵当権者は、抵当権に基づく差押えの前であっても、賃料債権の差押えが可能。
1001-07-2抵当権の効力は、被担保債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

【2】 ◯ 正しい

–â10‘I‘ðŽˆ‚P目的不動産に対し て抵当権が実行されている場合でも、抵当権実行の結果抵当権が消滅するまでは、賃料債権に対して抵当権を行使することができる(最判平01.10.27)。

■類似過去問(賃料に対する物上代位)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
125-05-1賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。×
224-07-1抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、抵当権者は物上代位できない。×
324-07-2抵当権実行中でも、抵当権が消滅するまでは、賃料債権に物上代位が可能。
424-07-4Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。
520-04-1抵当権実行を申し立てた抵当権者は、賃料への物上代位と賃貸借契約の解除が可能。×
617-05-2抵当権者は、賃料債権に物上代位することができる。
715-05-1(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権が第三者に譲渡され対抗要件を備えた場合、賃借人が当該第三者に弁済する前であっても、抵当権設定者は、物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。×
815-05-2(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、差押命令が賃借人に送達された後は、抵当権者は物上代位できない。×
911-04-1抵当権者は、抵当権に基づく差押えの前であっても、賃料債権の差押えが可能。
1001-07-2抵当権の効力は、被担保債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

【3】 ◯ 正しい

–â10‘I‘ðŽˆ‚P抵当権は、その目的物の売却、賃貸、滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる(民法372条・304条1項)。これを物上代位という。
抵当権の目的である建物が火災によって焼失したが、それにより抵当権設定者が火災保険金請求権を取得した場合に、保険金請求権に対する物上代位を認めるのが判例である(大判明40.03.12)。

■類似過去問(火災保険金に対する物上代位)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-04-2
[Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定]甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。
×
224-07-3火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。
322-05-2火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。
421-05-1火災保険に基づく損害保険金請求権は、抵当権・先取特権による物上代位の対象となる。
517-05-3火災保険に基づく損害保険金請求権は、物上代位の対象となる。
607-06-3第三者の不法行為により建物が焼失したので抵当権設定者がその損害賠償金を受領した場合、抵当権者は、損害賠償金に対して物上代位をすることができる。×

【4】 ◯ 正しい

抵当権者は、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない(最判平12.04.14)。
本肢では「賃借人を所有者と同視」できるような特別な事情は示されていない。したがって、物上代位は不可能である。

■類似過去問(賃料に対する物上代位)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
125-05-1賃料債権に対して物上代位をしようとする場合には、被担保債権の弁済期が到来している必要はない。×
224-07-1抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、抵当権者は物上代位できない。×
324-07-2抵当権実行中でも、抵当権が消滅するまでは、賃料債権に物上代位が可能。
424-07-4Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。
520-04-1抵当権実行を申し立てた抵当権者は、賃料への物上代位と賃貸借契約の解除が可能。×
617-05-2抵当権者は、賃料債権に物上代位することができる。
715-05-1(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権が第三者に譲渡され対抗要件を備えた場合、賃借人が当該第三者に弁済する前であっても、抵当権設定者は、物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。×
815-05-2(抵当建物を抵当権設定者が賃貸しているケース)抵当権設定登記後に、賃料債権につき一般債権者が差押えした場合、差押命令が賃借人に送達された後は、抵当権者は物上代位できない。×
911-04-1抵当権者は、抵当権に基づく差押えの前であっても、賃料債権の差押えが可能。
1001-07-2抵当権の効力は、被担保債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

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Written by 家坂 圭一 in: 平成24年過去問,民法 |

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