6月
14
2013

【宅建過去問】(平成24年問34)手付金

【過去問本試験解説】発売中

宅地建物取引業者A社は、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、中古マンション(代金2,000万円)の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し、その際、代金に充当される解約手付金200万円(以下「本件手付金」という。)を受領した。この場合におけるA社の行為に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反するものはいくつあるか。

  • ア 引渡前に、A社は、代金に充当される中間金として100万円をBから受領し、その後、本件手付金と当該中間金について法第41条の2に定める保全措置を講じた。
  • イ 本件売買契約締結前に、A社は、Bから申込証拠金として10万円を受領した。本件売買契約締結時に、当該申込証拠金を代金の一部とした上で、A社は、法第41条の2に定める保全措置を講じた後、Bから本件手付金を受領した。
  • ウ A社は、本件手付金の一部について、Bに貸付けを行い、本件売買契約の締結を誘引した。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:2

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【ア】 X 違反する

Print工事完了後の物件なので、受領した手付金等が代金の10%(2,000万×10%=200万)を超える場合に、保全措置が必要となる。本肢では、中間金100万円を受領し、合計受領額が300万円になるときに保全措置をとる必要がある。そして、この保全措置は、手付金等を受領する前に講じなければならない(宅地建物取引業法41条の2第1項。同法施行令3条の3)。
本問では、中間金を受領したあとに保全措置を講じている。これではタイミングが遅すぎ、違法である。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了後の物件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
124-34-ア代金2,000万円/手付金200万円・中間金100万円→中間金受領後に保全措置×
224-34-イ代金2,000万円/代金に充当される申込証拠金10万円・手付金200万円→保全措置を講じた上で手付金を受領
324-38-ウ代金3,000万円/手付金300万円→保全措置を講じなければ受領できない×
420-41-2代金5,000万円/手付金700万円→保全措置を講じずに受領できる×
517-42-1代金4,000万円/手付金400万円→保全措置を講じずに受領できる
617-42-2代金4,000万円/手付金100万円・中間金600万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
715-38-2手付金20%→保全措置を講じた上で受領
814-40-3手付が代金の1/10を超え、かつ、1,000万円を超える→いかなる場合も保全措置が必要×
909-44-1手付金が代金の10%を超えるが、営業保証金の額の範囲内→保全措置は不要×
1009-44-4手付金が本体価額(税引価格)の10%を超えるが、売買代金(税込価格)の10%以下→保全措置は不要
1104-41-1代金4,500万円/手付金400万円・中間金2000万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
1202-42-4代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円/引渡し・登記の移転は中間金の支払いと同時→保全措置なしで、手付金を受領できない×
1301-42-2代金12,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円・残代金6,000万円/引渡し・登記移転は中間金の支払いと同時 →手付金の受領前に保全措置が必要
■類似過去問(「手付金等」の意味)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後、手付金と中間金について保全措置を講じた。
×
228-43-ウ
建築工事完了前のマンションで3,000万円/手付金150万円・中間金350万円→中間金受領の際に500万円について保全措置を講じなければならない。
326-33-3建築工事完了前の建物で5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
425-40-4建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
524-34-ア代金に充当される中間金→「手付金等」にあたる。
624-34-イ代金の一部となる申込証拠金→「手付金等」にあたる。
723-38-3代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
823-38-4中間金→「手付金等」にあたる。
913-41-1代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
1013-41-4中間金→「手付金等」にあたる。
1103-49-2手付金に充当される申込証拠金は保全措置の対象にならない。×
■類似過去問(保全措置と受領の順序)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
中間金受領後に、保全措置。
×
224-34-ア受領後に保全措置。×
323-37-2完成物件につき代金の20%の手付金を受領する前に保全措置。
422-41-エ受領後遅滞なく保全措置を講じる旨を買主に説明した上で、保全措置なしに手付金を受領。×
515-41-3手付金受領後直ちに、保全措置。×
609-44-2手付金受領後すみやかに、保全措置。×
703-49-1手付金受領後1週間以内に、保全措置。×

【イ】 ◯ 違反しない

Print売買契約締結前に受領した申込証拠金10万円は、売買契約締結時に代金の一部に充当したときに手付金等となる。したがって、解約手付金200万を受領したところで手付金等の合計が210万円となり、代金の額の10%(200万円)を超える。この時点で、保全措置を講ずる必要が出てくる。
本肢では、保全措置を講じた上で、手付金を受領しているから、宅建業法に違反するところはない。

■類似過去問(手付金等の保全措置:工事完了後の物件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
124-34-ア代金2,000万円/手付金200万円・中間金100万円→中間金受領後に保全措置×
224-34-イ代金2,000万円/代金に充当される申込証拠金10万円・手付金200万円→保全措置を講じた上で手付金を受領
324-38-ウ代金3,000万円/手付金300万円→保全措置を講じなければ受領できない×
420-41-2代金5,000万円/手付金700万円→保全措置を講じずに受領できる×
517-42-1代金4,000万円/手付金400万円→保全措置を講じずに受領できる
617-42-2代金4,000万円/手付金100万円・中間金600万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
715-38-2手付金20%→保全措置を講じた上で受領
814-40-3手付が代金の1/10を超え、かつ、1,000万円を超える→いかなる場合も保全措置が必要×
909-44-1手付金が代金の10%を超えるが、営業保証金の額の範囲内→保全措置は不要×
1009-44-4手付金が本体価額(税引価格)の10%を超えるが、売買代金(税込価格)の10%以下→保全措置は不要
1104-41-1代金4,500万円/手付金400万円・中間金2000万円→中間金のみ保全措置を講じればよい×
1202-42-4代金1億円/手付金900万円・中間金4,100万円/引渡し・登記の移転は中間金の支払いと同時→保全措置なしで、手付金を受領できない×
1301-42-2代金12,000万円/手付金1,500万円・中間金4,500万円・残代金6,000万円/引渡し・登記移転は中間金の支払いと同時 →手付金の受領前に保全措置が必要
■類似過去問(「手付金等」の意味)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-28-ア
建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金200万円・中間金200万円→中間金受領後、手付金と中間金について保全措置を講じた。
×
228-43-ウ
建築工事完了前のマンションで3,000万円/手付金150万円・中間金350万円→中間金受領の際に500万円について保全措置を講じなければならない。
326-33-3建築工事完了前の建物で5,000万円/手付金100万円・中間金500万円→中間金受領前に500万円の保全措置を講じれば宅建業法に違反しない。×
425-40-4建築工事完了前のマンションで4,000万円/手付金100万円・中間金200万円→手付金が代金の5%以内であるから保全措置は不要。×
524-34-ア代金に充当される中間金→「手付金等」にあたる。
624-34-イ代金の一部となる申込証拠金→「手付金等」にあたる。
723-38-3代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
823-38-4中間金→「手付金等」にあたる。
913-41-1代金に充当される申込証拠金→「手付金等」にあたる。
1013-41-4中間金→「手付金等」にあたる。
1103-49-2手付金に充当される申込証拠金は保全措置の対象にならない。×

【ウ】 X 違反する

「手付けについて貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為」は禁止されている(宅地建物取引業法47条3号)。

■類似過去問(手付貸与による契約誘引)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
128-29-イ
宅建業者が、建物の売買の媒介に際し、買主に対して手付の貸付けを行う旨を告げて契約の締結を勧誘したが、売買は成立しなかった場合、宅建業法に違反しない。
×
228-34-4
宅建業者が、宅地の売買契約締結の勧誘に当たり、相手方が手付金の手持ちがないため契約締結を迷っていることを知り、手付金の分割払いを持ちかけたことは、契約締結に至らなかったとしても宅建業法に違反する。
327-41-イ「弊社と提携している銀行の担当者から、手付金も融資の対象になっていると聞いております。ご検討ください。」という発言は、宅建業法に違反しない。
426-43-1手付金を複数回に分けて受領することとし、契約締結を誘引するのは、宅建業法に違反しない。×
524-34-ウ手付の貸付により契約を誘引するのは、宅建業法に違反する。
624-41-ウ売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した場合、宅建業法に違反する。×
723-41-ア手付の貸付により契約を誘引するのは、宅建業法に違反する。
821-40-1手付の貸付を告知し契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
920-38-4手付を後日支払うこととして、売買契約を締結するのは、宅建業法に違反しない。×
1018-40-3手付の貸付を告知し契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
1115-38-3手付金の一部を貸付け、契約の締結を誘引することは、宅建業法に違反しない。×
1213-42-2業者間取引であれば、買主に対し手付金を貸し付けて契約の締結を誘引してもさしつかえない。×
1312-35-4手付金に関し買主と銀行との間の金銭の貸借のあっせんをして、売買契約を締結させたとしても、宅建業法に違反しない。
1412-40-3買主の要求に応じ、手付金を分割払とすることができる。×
1511-42-2手付の貸付を条件に契約を誘引したが、契約不成立だった場合、宅建業法に違反しない。×
1611-42-4手付金額を減額することで契約を誘引し、契約が成立した場合、宅建業法に違反しない。
1709-38-1「手付金の不足額は契約成立後に支払う」旨説明して契約を成立させたとしても、宅建業法に違反しない。×
1809-40-1手付金の不足額を宅建業者が立て替えて契約を成立させたとしても、宅建業法に違反しない。×
1904-44-1手付金を分割払としても、宅建業法に違反しない。×
2001-48-1手付の貸付により契約締結を誘引しても、宅建業法違反とならない。×

まとめ

宅建業法に違反するものは、アとウの2つである。正解は、肢2。


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