10月
20
2013

【宅建過去問】(平成25年問02)未成年者

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未成年者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。
  2. 営業を許可された未成年者が、その営業のための商品を仕入れる売買契約を有効に締結するには、父母双方がいる場合、父母のどちらか一方の同意が必要である。
  3. 男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。
  4. Aが死亡し、Aの妻Bと嫡出でない未成年の子CとDが相続人となった場合に、CとDの親権者である母EがCとDを代理してBとの間で遺産分割協議を行っても、有効な追認がない限り無効である。

正解:4

1 誤り

「不動産を所有することができる」、すなわち、法的権利の主体となるためには、その者が権利能力を有していることが必要である。
そして、権利能力を獲得するのは、出生の時である(民法3条1項)。つまり、乳児・幼児であろうと、この世に生まれ出た者はみな権利能力を有している。すなわち、乳児であっても、不動産を所有することができる。父母と意思疎通できるかどうか、は無関係である。

※権利能力とは、権利義務の主体となる地位・資格という意味である。例えば、イヌやネコには権利能力がない。だから、不動産を取得したり、飼主の遺産を相続したりすることができない。

■類似過去問(権利能力)
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 年-問-肢内容正誤
125-02-1父母と意思疎通できない乳児は、不動産を所有できない。×
217-01-3買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。

2 誤り

営業を許可された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する(民法6条1項)。例えば、文房具店を営むことを許可されたのであれば、その営業、すなわち文房具の仕入れや販売については、成年者として扱うのである。したがって、契約を締結するにあたって、法定代理人の同意は不要である。

■類似過去問(未成年者)
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 年-問-肢内容正誤
128-02-1古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
×
226-09-3未成年後見人は、自ら後見する未成年者について、後見開始の審判を請求することはできない。×
326-09-4成年後見人は家庭裁判所が選任する者であるが、未成年後見人は必ずしも家庭裁判所が選任する者とは限らない。
425-02-2営業を許可された未成年者が、その営業のための商品を仕入れる売買契約を有効に締結するには、父母双方がいる場合、父母のどちらか一方の同意が必要である。×
522-01-1土地の売却は、「単に権利を得、義務を免れる行為」に該当。×
620-01-2未成年者は、婚姻をしているときであっても、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為を取り消すことができる。×
714-02-3未成年者であっても、成年者を代理人とすれば、法定代理人の同意を得ることなく、土地の売買契約を締結することができ、この契約を取り消すことはできない。×
811-01-1満20歳に達した者は、成年とされる。
901-03-2未成年者の法律行為は取消しできるが、その取消しは、善意の第三者に対抗できない。×

3 誤り

男は18歳に、女は16歳になれば、婚姻(結婚のこと)をすることができる(婚姻適齢。民法731条)。
未成年のうちに婚姻する場合には、父母の同意が必要である(民法737条1項)。しかし、父母の一方が同意しない場合には、他の一方だけの同意で構わない(同条2項)。
本肢は、「必ず父母双方の同意が必要」とする点が誤り。

■類似過去問(未成年者の婚姻)
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 年-問-肢内容正誤
125-02-3男は18歳、女は16歳で婚姻できるが、必ず父母双方の同意が必要。×
217-01-4土地の買主が婚姻している未成年者であり、婚姻が父母の一方の同意を得ていない場合、売買契約を取り消すことができる。×
311-01-2満15歳に達した者は、父母の同意を得て、婚姻をすることができる。×

4 正しい

一人の親権者が、数人の子に対して親権を行う場合、子の間で利益が相反する行為については、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(民法826条2項)。つまり、親権者が子の双方を代理することは許されない。

25-02-4

本肢におけるCとDは 、遺産分割において、利害関係が対立する。このような場合に、親権者Eが共同相続人C・Dの双方を代理して遺産分割の協議をすると、例えば「Cに100%、Dは0%」というような偏った結論を出しかねない。つまり、双方を代理する行為は、利益相反行為なのである。したがって、親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をしたとしても、追認のないかぎり無効である(民法826条2項。最判昭48.04.24)。


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Written by 家坂 圭一 in: 平成25年過去問,民法 |

2 Comments »

  • 佐々木

    こんにちは。昨年不合格で2度目の今回合格に向け勉強している中、貴サイトと出会い大変役立たせて頂いております。素晴らしいサイトをありがとうございます。
    平成11年問01肢2(満15歳に達した者は、父母の同意を得て、婚姻をすることができる:◯)
    →×ですよね?(カーソル合わせて当該項にジャンプすると×となっております)

    Comment | 2014/01/13
  • 家坂 圭一

    佐々木様

    家坂です。
    おっしゃる通りで、「平成11年問01肢2」に関する正誤が入れ違っているため、訂正しました。
    ご指摘ありがとうございます。

    Comment | 2014/01/30

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