10月
20
2013

【宅建過去問】(平成25年問12)借地借家法(借地)

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賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

  1. ゴルフ場経営を目的とする土地賃貸借契約については、対象となる全ての土地について地代等の増減額請求に関する借地借家法第11条の規定が適用される。
  2. 借地権の存続期間が満了する際、借地権者の契約の更新請求に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する。
  3. 二筆以上ある土地の借地権者が、そのうちの一筆の土地上に登記ある建物を所有し、登記ある建物がない他方の土地は庭として使用するために賃借しているにすぎない場合、登記ある建物がない土地には、借地借家法第10条第1項による対抗力は及ばない。
  4. 借地権の存続期間が満了する前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を建築した場合、借地権設定者が異議を述べない限り、借地権は建物が築造された日から当然に20年間存続する。

正解:3

1 誤り

借地借家法による保護の対象となるのは、借地権である。そして、「借地権」とは、「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」という意味である(借地借家法2条2号)。
本肢に出てくるゴルフ場の経営を目的とする土地賃貸借契約は、建物の所有を目的とするものではない。したがって、その土地の利用権を「借地権」と扱うことはできない。そして、借地権に該当しないからには、借地借家法11条(地代等増減請求権)の類推適用をする余地もない(最判平25.01.22)。

2 誤り

借地権の当初の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(借地借家法5条1項本文)。
借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、法定更新を排除できる(同項但書)。しかし、借地権設定者は、正当事由がなければ、異議を述べることができない(借地借家法6条)。つまり、法定更新を拒むためには、「遅滞なく異議を述べたこと」に加えて、「正当事由があること」も必要なのである。
したがって、遅滞なく異議を述べたとしても、正当事由がなければ、借地契約は法定更新される。異議を述べさえすれば、借地契約が当然に終了する、とする本肢は誤りである。

21-11-2

 

■類似過去問(借地契約の更新請求等)
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 年-問-肢内容正誤
125-12-2借地権の存続期間が満了する際、借地権者の更新請求に対し、借地権設定者が遅滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する。×
221-11-2当初の存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べたとしても、異議の理由にかかわらず、借地契約を更新したものとみなされる。×
320-13-2存続期間満了後に、借地権者が土地使用を継続した場合、契約更新とみなされることがある。
419-13-3存続期間が満了した場合でも、借地権者が、建物収去・土地明渡しを請求できない場合がある。
510-11-2存続期間満了時に借地権者が更新を請求し、借地権設定者が異議を述べたがその異議に正当事由がない場合、契約は更新され、その存続期間は30年である。×
605-11-2「期間満了の際、借地権者に対し相当の一定額の交付さえ行えば、借地権設定者は更新を拒絶できる」と特約してもその特約は、無効である。
704-10-2当初の存続期間内に、建物が滅失し再築しない場合、期間満了時に、借地権者が更新請求しても、借地権設定者が異議を述べたときは、契約は更新されない。×
804-10-3存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、借地権設定者が異議を述べなければ、期間の定めのない借地権が設定されたとみなされる。
901-12-2存続期間満了時に、借地権者が更新請求し、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる。
1001-12-3存続期間満了後、借地権者が土地使用を継続しており、建物がある場合は、借地権設定者が異議を述べなければ、前の契約と同一条件で更新したものとみなされる。

3 正しい

25-12-3

借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる(借地借家法10条1項)。

本肢では、登記ある建物を所有している土地に関し、この条文の適用がある。つまり、借地権を第三者に対抗することができる。しかし、庭として使用している土地については、土地上に登記ある建物がないのだから、対抗要件が存在しない。このような土地については、対抗力が及ばないとするのが判例である(最判昭40.06.29)。

■類似過去問(借地権の対抗要件)
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 年-問-肢内容正誤
128-11-1
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。

228-11-2
[Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借]Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
×
326-07-2借地権者が借地上の建物につき自己名義で保存登記をしている場合、借地の不法占拠者に対し、賃借権に基づいて妨害排除を求めることができる。
426-11-2借地上の建物の登記があれば、土地が第三者に売却されても、借地権を対抗可。
525-12-3二筆ある土地の借地権者が、一筆の土地上に登記ある建物を所有し、他方の土地は庭として使用している場合、後者の土地には対抗力が及ばない。
624-11-1借地上の建物の表示登記があれば、借地権を対抗可。
724-11-3土地の転借人は、転貸人たる賃借人が対抗力ある建物を所有していれば、賃借権を対抗可。
820-13-4口頭の借地契約でも、借地上の建物の登記があれば、借地権を対抗可。
918-13-4公正証書で借地契約をしても、対抗力が認められない場合がある。
1015-13-1借地上の建物の保存登記があれば、借地権を対抗可。
1111-13-1自己名義の保存登記があっても、居住していなければ対抗不可。×
1211-13-2配偶者名義の保存登記があっても、対抗不可。
1311-13-3一筆の土地上にある2棟の建物のうち1棟について自己名義の保存登記があれば、全体について借地権を対抗可。
1411-13-4所在地番が多少相違しても同一性が認識できれば対抗可。
1508-13-1長男名義の保存登記があれば、対抗可。×
1608-13-2自己名義の保存登記があれば、強制競売の競落者にも対抗可。
1708-13-4定期借地権の場合、公正証書で契約締結していれば、建物の登記がなくても対抗可。×

4 誤り

25-12-4借地権の存続期間満了前に建物が滅失した場合、借地権設定者の承諾があれば、借地権は築造された日(または承諾の日)から20年存続することになる(借地借家法7条1項)。また、借地権者の通知に対し、借地権設定者が2月以内に異議を述べなかった場合にも、承諾があったものとみなされる(同条2項)。
この場合、借地権は、承諾日または築造日のいずれか早い日から20年間存続する(同条1項)。つまり、承諾があったとみなされる日の方が早ければ、その日から20年間存続することになる。
本肢のいうように、「築造された日から当然に20年間存続」するわけではない。

■類似過去問(当初の契約期間内における建物の滅失)
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 年-問-肢内容正誤
125-12-4借地権の存続期間満了前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を建築した場合、借地権設定者が異議を述べない限り、借地権は築造日から当然に20年間存続する。×
221-11-1当初の存続期間内に建物が滅失し、借地権者が借地権設定者の承諾を得ずに残存期間を超えて存続すべき建物を築造→借地権設定者は解約の申入れが可能。×
321-11-3借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。×
410-11-1当初の存続期間内に、借地権者が、借地権設定者に通知することなく、建物を取壊し残存期間を超えて存続すべき建物を築造→借地権設定者は契約の解除が可能。×
504-10-1木造建物の所有を目的とする借地契約において、期間満了前に借地権者が鉄筋コンクリート造りの建物を無断で増築した場合、借地権設定者が遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、増築のときから20年となる。×
604-10-4期間満了前に建物が火災により滅失し、借地権者が同等の建物を再築した場合、土地所有者が遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、建物滅失の日から20年となる。×
703-12-1借地権者は、家屋が火災により減失したときは、新築することができ、その建物が借地権の残存期間を超えて存続するものであっても、土地所有者は異議を述べることができない。×
802-12-3建物の所有を目的とする土地の賃貸借において、当該建物が借地人の失火により滅失したときは、賃貸人は、解約の申入れをすることができる。×
902-12-4建物の所有を目的とする土地の賃貸借において、その存続期間の定めがなく、建物が滅失したときは、当該賃貸借は終了する。

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Written by 家坂 圭一 in: 平成25年過去問,借地借家法 |

3 Comments »

  • 3度目の正直

    細かいことで恐縮ですが(試験にはあまり関係ないとおもいます)、肢4において、借地権者の通知に対し、借地権設定者が2月以内に異議を述べなかった場合にも、承諾があったものとみなされるということで図には”みなし承諾”と表現されていると思いますが、この”みなし承諾”は借地権者の通知があった日を基準として考えればよいでしょうか。〔通知後2月を経た日ではない?〕

    Comment | 2014/03/29
  • 家坂 圭一

    >3度目の正直さま

    「通知のあった日」ではなく、「通知後2月を経た日」を基準にします。
    ただし、この点をテーマにした出題は、過去に一度もありません。

    Comment | 2014/05/07
  • 美濃源氏

    問3で示されている判例は、家の敷地と庭の土地が別々の所有者から、別々の契約で借りられているケースでしたが、敷地と庭の土地を同一の所有者から同一の契約で賃借しているケースでも庭の土地については借地借家法の適用はありえないのでしょうか。

    Comment | 2016/05/28

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