【宅建過去問】(平成25年問15)都市計画法

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都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者であっても、当該建築行為が都市計画事業の施行として行う行為である場合には都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可は不要である。
  2. 用途地域の一つである特定用途制限地域は、良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。
  3. 都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
  4. 一定の条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域である開発整備促進区を都市計画に定めることができる。

正解:2

1 正しい

「都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内」というのですから、計画段階における制限について問われています。この段階では、建築物の建築が制限されています。建築物を建築する場合、知事(市の区域内では市長)の許可が必要です(都市計画法53条1項本文)。ただし、以下の場合は例外であり、許可不要とされています(同項ただし書き)。

本肢のケースは、例外の3.に当たるので、知事等の許可は不要です。

※事業認可の告示後、すなわち計画の実行段階では、より厳しい制限が課されます(同法65条1項)。これについては、肢3参照。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
計画段階での制限(都市計画法[03]3(2))
年-問-肢内容正誤
1H29-16-ア都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
2H25-15-1都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者であっても、当該建築行為が都市計画事業の施行として行う行為である場合には都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可は不要である。
3H21-16-1市街地開発事業の施行区域内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。×
4H20-18-1都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、行為の種類、場所及び設計又は施行方法を都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)に届け出なければならない。
×
5H12-18-1都市計画施設の区域内において建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
6H12-18-2市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
7H09-17-3都市計画施設の区域内において建築物の新築をしようとする者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならないが、階数が2以下の木造建築物で、容易に移転し、又は除却することができるものの新築であれば、許可が必要となることはない。
×
8H07-18-3市街地開発事業の施行区域又は都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、非常災害のため必要な応急措置として行う行為についても、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
×
9H03-19-2都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
10H03-19-3都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)は、市街地開発事業の施行区域内において、木造2階建ての建築物を建築しようとする者から許可申請があった場合には、必ず許可しなければならない。
×

2 誤り

特定用途制限地域とは、用途地域が定められていない区域(市街化調整区域を除く)で、制限すべき建築物等の用途を定める地域をいいます(都市計画法9条15項)。
「用途地域の一つ」ではありません。

※特別用途地区と特定用途制限地域をゴチャゴチャにする問題が頻出です。比較・整理しておきましょう。

■参照項目&類似過去問
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特別用途地区・特定用途制限地域(都市計画法[02]3(2)建築基準法[04]4
年-問-肢内容正誤
特別用途地区
1R05-15-3
特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。×
2R02s-18-2
準都市計画区域については、都市計画に、特別用途地区を定めることができる。
3R02s-18-2
特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
4R01-15-4
特別用途地区は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地区とされている。×
5H26-18-3
特別用途地区内においては、地方公共団体は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
6H22-16-4特定用途制限地域は、用途地域内の一定の区域における当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定めるものとされている。×
7H21-19-4特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
8H18-18-4特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区である。
9H14-18-3特別用途地区は、文教地区、観光地区などの11類型の総称であり、主として用途地域による用途規制を強化したり、緩和することにより当該地区の特性にふさわしい特別の目的の実現を図るものである。×
10H11-17-3特別用途地区は、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るために定める地区であり、用途地域内においてのみ定めることができる。
11H10-17-2特別用途地区は、土地の利用の増進、環境の保護等を図るため定める地区であることから、その区域内においては、用途地域で定める建築物の用途に関する制限を強化することができるが、制限を緩和することはできない。×
12H07-18-1特別用途地区とは、一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため定める地区であり、用途地域が定められていない区域において定められるものである。×
13H03-18-2特別用途地区は、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区で、用途地域外であっても、定めることができる。×
特定用途制限地域
1R05-15-3
特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。×
2R03s-15-3
第一種低層住居専用地域については、都市計画に特定用途制限地域を定めることができる場合がある。×
3R01-15-4
特別用途地区は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地区とされている。
×
4H25-15-2用途地域の一つである特定用途制限地域は、良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。×
5H22-16-4特定用途制限地域は、用途地域内の一定の区域における当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定めるものとされている。×

3 正しい

「都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内」というのですから、事業段階での制限について問われています。この段階では、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある以下の行為について、知事(市の区域内では市長)の許可が必要です(都市計画法65条1項)。

  1. 建築物の建築
  2. 工作物の建設
  3. 土地の形質の変更

※この許可制度に例外はありません。

※「都市計画事業の認可の告示があった後」ということは、すでに都市計画は実行段階です。施行区域の段階、すなわち計画段階(都市計画法53条1項)よりも一層厳しい制限が課されます。「計画段階での制限」については、肢1を参照。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
事業段階での制限(都市計画法[03]3(3))
年-問-肢内容正誤
1H29-16-ウ都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
2H25-15-3都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該事業地内において、当該都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
3H20-18-2都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内において当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の建築、工作物の建設を行おうとする者は、当該事業の施行者の同意を得て、当該行為をすることができる。×
4H18-18-2都市計画事業の認可の告示があった後においては、当該都市計画事業を施行する土地内において、当該事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)及び当該事業の施行者の許可を受けなければならない。×
5H16-17-2都市計画事業の認可等の告示があった後においては、事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築等を行おうとする者は、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
6H14-24-3都市計画法によれば、都市計画事業の事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行う者は、原則として都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
7H12-18-4都市計画事業の認可等の告示があった後に、当該事業地内において都市計画事業の施行の障害となるおそれがある建築物の建築を行おうとする者は、一定の場合を除き、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受けなければならない。
8H10-17-4都市計画事業の認可の告示後、事業地内において行われる建築物の建築については、都市計画事業の施行の障害となるおそれがあるものであっても、非常災害の応急措置として行うものであれば、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)の許可を受ける必要はない。×

4 正しい

一定の条件に該当する地区計画については、特定大規模建築物の整備による商業などの利便増進を図るため、開発整備促進区を都市計画に定めることができます(都市計画法12条の5第4項)。

  • 特定大規模建築物=劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物
  • 開発整備促進区=一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域
■参照項目&類似過去問
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開発整備促進区(都市計画法[04])
年-問-肢内容正誤
1H27-16-1第二種住居地域における地区計画については、一定の条件に該当する場合、開発整備促進区を都市計画に定めることができる。
2H25-15-4一定の条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域である開発整備促進区を都市計画に定めることができる。

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