【宅建過去問】(平成25年問16)都市計画法

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 開発行為とは、主として建築物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を指し、特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は開発行為には該当しない。
  2. 市街化調整区域において行う開発行為で、その規模が300m2であるものについては、常に開発許可は不要である。
  3. 市街化区域において行う開発行為で、市町村が設置する医療法に規定する診療所の建築の用に供する目的で行うものであって、当該開発行為の規模が1,500m2であるものについては開発許可は必要である。
  4. 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為であっても、当該開発行為が市街化調整区域において行われるものであって、当該開発行為の規模が3,000m2以上である場合には開発許可が必要である。

正解:3

1 誤り

開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう(都市計画法4条12項)。
つまり、特定工作物の建設目的で行う土地の区画形質の変更も、開発行為に該当する。

※「特定工作物」とは、以下の2種類のものをいう。

第一種特定工作物
  1. コンクリートプラント
  2. アスファルトプラントなど
第二種特定工作物
  1. ゴルフコース
  2. 1ha以上の野球場・庭球場・墓園など
■類似過去問(開発行為)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
125-16-1特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は開発行為には該当しない。×
221-17-1
区域区分の定められていない都市計画区域内の土地において、10,000m2のゴルフコースの建設を目的とする土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
319-20-ア市街化調整区域内における庭球場の建設の用に供する目的で行う5,000㎡の土地の区画形質の変更には、開発許可が不要である。
416-18-2建築物以外の工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は開発行為には該当しない。×
510-18-1市街化区域内の既に造成された宅地において、敷地面積が1,500㎡の共同住宅を建築する場合は、区画形質の変更を行わないときでも、原則として開発許可を受けなければならない。×
608-20-1建築物の建築を行わない青空駐車場の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更については、その規模が1ヘクタール以上のものであっても、開発許可を受ける必要はない。

2 誤り

市街化調整区域においては、「一定規模未満の開発行為は許可不要」という一律の基準は設定されていない(都市計画法29条1項1号参照)。
したがって、いかに小規模の開発であっても、開発許可が必要である。

許可不要の小規模開発
市街化調整区域 面積要件なし
市街化区域 1,000m2未満
区域区分の定めのない都市計画区域
準都市計画区域
3,000m2未満
都市計画区域・準都市計画区域外 10,000m2未満
■類似過去問(開発許可:面積要件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
市街化調整区域
126-16-ア
市街化調整区域において、病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為には、開発許可が必要。
225-16-2市街化調整区域において行う開発行為で、その規模が300m2であるものについては、常に開発許可は不要。×
市街化区域
125-16-3
市街化区域において行う開発行為で、市町村が設置する診療所の建築の用に供する目的で行うものであって、開発行為の規模が1,500m2であるものについては開発許可は必要である。
221-17-2市街化区域内の土地において、700m2の開発行為を行おうとする場合に、都道府県知事の許可が必要となる場合がある。
318-19-1
市街化区域内で、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為(規模1,000m2)は、開発許可を受けなければならない。
413-25-1宅地(面積250m2)を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには、開発許可を受けなければならない。×
区域区分が定められていない区域
122-17-1分譲住宅新築のための5,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
221-17-1ゴルフコース建築のための10,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
311-18-4農家が居住用住宅を建築するための開発行為には、開発許可は不要。
410-18-3野球場を建設するため2haの開発行為には、開発許可が必要。
505-18-4非線引都市計画区域200m2と都市計画区域及び準都市計画区域外の区域2,800m2にまたがる、開発区域の面積が3,000m2の住宅団地建設のための開発行為は、開発許可が必要。×
準都市計画区域
124-17-イ病院/4,000㎡→開発許可が必要。
218-19-3専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
314-19-3都市計画事業としての住宅団地/3,000㎡→開発許可が不要。
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
118-19-4店舗/1,000㎡→開発許可が必要。×
215-18-3住宅団地/6,000㎡→開発許可は不要。
314-19-4住宅団地/5,000㎡→都市計画事業でない場合、開発許可が必要。×
406-19-11,000㎡以上→開発許可が必要。×
505-18-4住宅団地/都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域2,800㎡&非線引区域200㎡→開発許可が必要。×

3 正しい

市街化区域で、面積が小規模であるという点から開発許可が不要とされているのは、1,000㎡未満の場合である(都市計画法29条1項1号、同法施行令19条1項)。

本肢は、1,500㎡の開発行為であるから、開発許可が必要である。

※診療所は、「公益上必要な建築物」に該当しない(都市計画法29条1項3号、同法施行令21条)。

■「公益上必要な建築物」に関する過去の出題例

該当するもの 駅舎・図書館・博物館・公民館・変電所
該当しないもの 診療所・病院・学校
■類似過去問(開発許可:面積要件)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
市街化調整区域
126-16-ア
市街化調整区域において、病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為には、開発許可が必要。
225-16-2市街化調整区域において行う開発行為で、その規模が300m2であるものについては、常に開発許可は不要。×
市街化区域
125-16-3
市街化区域において行う開発行為で、市町村が設置する診療所の建築の用に供する目的で行うものであって、開発行為の規模が1,500m2であるものについては開発許可は必要である。
221-17-2市街化区域内の土地において、700m2の開発行為を行おうとする場合に、都道府県知事の許可が必要となる場合がある。
318-19-1
市街化区域内で、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為(規模1,000m2)は、開発許可を受けなければならない。
413-25-1宅地(面積250m2)を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには、開発許可を受けなければならない。×
区域区分が定められていない区域
122-17-1分譲住宅新築のための5,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
221-17-1ゴルフコース建築のための10,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
311-18-4農家が居住用住宅を建築するための開発行為には、開発許可は不要。
410-18-3野球場を建設するため2haの開発行為には、開発許可が必要。
505-18-4非線引都市計画区域200m2と都市計画区域及び準都市計画区域外の区域2,800m2にまたがる、開発区域の面積が3,000m2の住宅団地建設のための開発行為は、開発許可が必要。×
準都市計画区域
124-17-イ病院/4,000㎡→開発許可が必要。
218-19-3専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
314-19-3都市計画事業としての住宅団地/3,000㎡→開発許可が不要。
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
118-19-4店舗/1,000㎡→開発許可が必要。×
215-18-3住宅団地/6,000㎡→開発許可は不要。
314-19-4住宅団地/5,000㎡→都市計画事業でない場合、開発許可が必要。×
406-19-11,000㎡以上→開発許可が必要。×
505-18-4住宅団地/都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域2,800㎡&非線引区域200㎡→開発許可が必要。×
■類似過去問(開発許可:公益上必要な建築物)
内容を見る
 年-問-肢内容正誤
126-16-ア市街化調整区域/国が設置する病院/1,500㎡→知事との協議が必要。
226-16-ウ区域区分が定められていない都市計画区域/公民館/4,000㎡→開発許可が必要。×
325-16-3市街化区域/診療所/1,500m2→開発許可が必要。
424-17-ア市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が必要。×
524-17-イ準都市計画区域/病院/4,000㎡→開発許可が必要。
619-20-イ市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が不要。
718-19-2市街化調整区域/図書館/1,000㎡→開発許可が必要。×
818-19-3準都市計画区域/専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
917-18-4博物館→規模によっては開発許可が必要。×
1015-18-4準都市計画区域/公民館/5,000㎡→常に開発許可が不要。
1113-18-1図書館→開発許可が不要。
1213-18-4大学→開発許可が不要。×
1312-20-1市街化調整区域/図書館・公民館/規模問わず→開発許可が不要。
1409-18-1市街化区域/変電所/1,000㎡以上→開発許可が不要。
1509-18-4市街化調整区域/私立大学/1,000㎡以上→開発許可が不要。×
1605-18-2市街化調整区域/私立大学の野球場/1ha以上→開発許可が不要。×
1701-18-1市街化調整区域/公民館→開発許可が不要。

4 誤り

以下の目的で行う開発行為については、区域・面積を問わず、開発許可は不要である(都市計画法29条1項3~10号)。

  1.  公益的施設(駅舎・図書館・公民館など)
  2. 都市計画と調和するもの (土地区画整理事業、市街地再開発事業など)
  3. 非常災害のために必要な応急措置

本肢は、(3)に該当するから、開発許可は不要である。

■類似過去問(非常災害のための応急措置)
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 年-問-肢内容正誤
125-16-4非常災害のための応急措置でも、市街化調整区域で3,000㎡以上である場合には開発許可が必要。×
223-17-4非常災害のための応急措置には、開発許可は不要。
308-20-2非常災害のための応急措置にも、一定の場合には開発許可が必要。×

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【宅建過去問】(平成25年問16)都市計画法” に対して 2 件のコメントがあります

  1. きち より:

    選択肢3 で市町村が設置する医療法に規定する診療所とは(都市計画法34条の2第1項)の都道府県等が行う開発行為に該当しませんか?

    許可でなく協議が必要では?

    解説をお願いします。

    1. 家坂 圭一 より:

      きち様

      講師の家坂です。
      御質問ありがとうございます。
      さっそくお答えしましょう。

      「都道府県等」の中に全ての「市町村」が含まれるわけではありません。
      ここに含まれるのは、
      (1)都道府県
      (2)指定都市等
      (3)事務処理市町村
      などに限られます(都市計画法34条の2)。
      簡単に言えば、「都道府県と都道府県並みの権限を有する市町村」という意味です。

      逆から言うと、一般の「市町村」は、「都道府県等」に含まれません。したがって、開発行為を行う場合に、この特例の適用を受けることができません。原則通り、開発許可を受ける必要があります。

      【さらに細かい説明】
      (1)~(3)のうち、本肢に関係がありそうなのは、(3)の「事務処理市町村」です。
      「事務処理市町村」とは、「地方自治法第252条の17の2第1項の規定に基づきこの節の規定により都道府県知事の権限に属する事務の全部を処理することとされた市町村」を意味します(同法33条6項)。
      本肢では、このような事情は示されていません。したがって、本肢の「市町村」は、事務処理市町村に該当しない、一般的な市町村と考えるべきでしょう。

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