【宅建過去問】(平成26年問01)民法に規定されているもの

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「民法の条文に規定されているかどうか」を問う問題は、民法改正を控えた平成24年~29年の6年間に渡り出題されました。令和2年に改正民法が施行されたため、今後この形式で出題される可能性は低いです。ここでは、改正後の民法に合うように問題を修正して掲載しています。


次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

  1. 賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が不動産の賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されていなければならない旨
  2. 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨
  3. 債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨
  4. 債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見すべきであった損害のみが賠償範囲に含まれる旨

正解:2

1 条文に規定されていない

民法は、賃貸借契約の解除理由につき、特別な条文を設けていません。したがって、契約の一般原則通り、債務不履行があった場合には、契約を解除できることになります(民法540条1項)。
これに対し、判例は、賃貸借契約を解除できるケースを限定しています。信頼関係が破壊されていない限り、契約を解除することができない、と解釈しているのです(最判昭41.04.21)。

2 条文に規定されている

債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる旨は、民法の条文に規定されています(同法420条1項)。

■類似過去問
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損害賠償額の予定(民法[15]3(2))
年-問-肢内容正誤
1H26-01-2当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
2H16-04-3手付金相当額を損害賠償の予定と定めた場合、損害がその額を超えていても、その額以上に損害賠償請求することはできない。
3H14-07-1賠償額の予定条項があっても、債務者が履行遅滞について帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
4H14-07-3裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合に限り、賠償額の減額をすることができる。×
5H14-07-4賠償額の予定条項がある場合、債権者は履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額を主張・立証する必要はない。
6H06-06-4実際の損害額が違約金より少なければ、違約金の減額を求めることができる。×
7H04-07-4賠償額の予定がない場合、売主から解除する場合の損害賠償額は手付の倍額とされる。×
8H02-02-2賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。×
9H02-02-3賠償額の予定は、金銭以外のものですることができる。
10H02-02-4賠償額を予定した場合、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

3 条文に規定されていない

民法の条文では、債務者に債務不履行があった場合に、債権者が損害賠償を請求することができる旨を定めているだけです(同法415条)。被用者の不注意による損害について、使用者である債務者に債務不履行責任を負わせるのは、判例による解釈です(大判昭04.03.30)。

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損害賠償(債務者の帰責事由)(民法[15]3)
年-問-肢内容正誤
1R02s-04-4
契約に基づく債務の履行が契約の成立時に不能であったとしても、その不能が債務者の責めに帰することができない事由によるものでない限り、債権者は、履行不能によって生じた損害について、債務不履行による損害の賠償を請求することができる。
2R02s-07-2
甲土地の売買契約における売主Aが買主Bに甲土地の引渡しをすることができなかった場合、その不履行がAの責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、BはAに対して、損害賠償の請求をすることができる。
3H26-01-3債務の履行のために債務者が使用する者の故意又は過失は、債務者の責めに帰すべき事由に含まれる旨が、民法の条文に規定されている。×
4H23-02-4Aは、自己所有の甲不動産を3か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Bとの間でB所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。停止条件が成就しなかった場合で、かつ、そのことにつきAの責に帰すべき事由がないときでも、AはBに対し売買契約に基づき買主としての債務不履行による損害賠償責任を負う。
×
5H14-07-1AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする。賠償請求を受けたBは、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
6H11-10-4Bが、甲建物の引渡し後、建物の柱の数本に、しろありによる被害があることを発見した場合は、AがAB間の契約締結時にこのことを知っていたときでないと、Bは、Aに損害賠償の請求をすることはできない。×

4 条文に規定されていない

民法の条文は、特別損害につき、「当事者がその事情を予見すべきであったとき」に賠償請求ができるとしているに過ぎません(同法416条2項)。この「当事者」を「債務者」の意味だとし、予想可能性の判断時点を「債務不履行時」だとするのは、判例による解釈です(大判大07.08.27)。

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損害賠償の範囲(民法[15]3(1))
年-問-肢内容正誤
1H26-01-4債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見し、又は予見することができた損害のみが賠償範囲に含まれる旨は、民法の条文に規定されている。×
2H22-06-1債権者は、債務の不履行によって通常生ずべき損害のうち、契約締結当時、両当事者がその損害発生を予見していたものに限り、賠償請求できる。×
3H22-06-2債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。×

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