【宅建過去問】(平成26年問16)都市計画法[組合せ問題]


次のアからウまでの記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のある、又は同法第34条の2の規定に基づき協議する必要のある開発行為の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、開発許可を受ける必要のある、又は協議する必要のある開発行為の面積については、条例による定めはないものとする。

ア 市街化調整区域において、国が設置する医療法に規定する病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為

イ 市街化区域において、農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる1,200㎡の開発行為

ウ 区域区分が定められていない都市計画区域において、社会教育法に規定する公民館の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる4,000㎡の開発行為

  1. ア、イ
  2. ア、ウ
  3. イ、ウ
  4. ア、イ、ウ

正解:1

ア 協議が必要

■開発行為の特例
国・都道府県等が行う開発行為については、国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなされる(都市計画法34条の2第1項)。開発許可を受ける必要はない。

■公益上必要な建築物
公益上必要な建築物を建築する目的での開発行為については、いかなる区域においても開発許可は不要である(都市計画法29条1項3号)。

■「公益上必要な建築物」に関する過去の出題例
該当するもの 駅舎・図書館・博物館・公民館・変電所
該当しないもの 診療所・病院・学校

しかし、病院は、このリストに含まれない。したがって、病院であること自体で開発許可又は協議が不要になることはない。

■許可不要の小規模開発(市街化調整区域)
市街化調整区域においては、「一定規模未満の開発行為は許可不要」という一律の基準は設定されていない(同法29条1項1号参照)。 したがって、いかに小規模の開発であっても、開発許可が必要である。

許可不要の小規模開発
市街化調整区域 面積要件なし
市街化区域 1,000m2未満
区域区分の定めのない都市計画区域
準都市計画区域
3,000m2未満
都市計画区域・準都市計画区域外 10,000m2未満

■まとめ
以上より、本肢のケースでは、開発行為について、国の機関が都道府県知事と協議する必要がある(同法34条の2第1項)。

■類似過去問(開発許可:公益上必要な建築物)
内容を見る
都市計画法[06]2(1)①
開発許可(公益上必要な建築物)
 年-問-肢内容正誤
129-17-3都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、変電所の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
226-16-ア市街化調整区域/国が設置する病院/1,500㎡→知事との協議が必要。
326-16-ウ区域区分が定められていない都市計画区域/公民館/4,000㎡→開発許可が必要。×
425-16-3市街化区域/診療所/1,500m2→開発許可が必要。
524-17-ア市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が必要。×
624-17-イ準都市計画区域/病院/4,000㎡→開発許可が必要。
719-20-イ市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が不要。
818-19-2市街化調整区域/図書館/1,000㎡→開発許可が必要。×
918-19-3準都市計画区域/専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
1017-18-4博物館→規模によっては開発許可が必要。×
1115-18-4準都市計画区域/公民館/5,000㎡→常に開発許可が不要。
1213-18-1図書館→開発許可が不要。
1313-18-4大学→開発許可が不要。×
1412-20-1市街化調整区域/図書館・公民館/規模問わず→開発許可が不要。
1509-18-1市街化区域/変電所/1,000㎡以上→開発許可が不要。
1609-18-4市街化調整区域/私立大学/1,000㎡以上→開発許可が不要。×
1705-18-2市街化調整区域/私立大学の野球場/1ha以上→開発許可が不要。×
1801-18-1市街化調整区域/公民館→開発許可が不要。
■類似過去問(開発許可:面積要件)
内容を見る
都市計画法[06]2(3)
開発許可(面積要件)
 年-問-肢内容正誤
市街化区域
129-17-2
市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
225-16-3
市街化区域において行う開発行為で、市町村が設置する診療所の建築の用に供する目的で行うものであって、開発行為の規模が1,500m2であるものについては開発許可は必要である。
321-17-2市街化区域内の土地において、700m2の開発行為を行おうとする場合に、都道府県知事の許可が必要となる場合がある。
418-19-1
市街化区域内で、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為(規模1,000m2)は、開発許可を受けなければならない。
513-25-1宅地(面積250m2)を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには、開発許可を受けなければならない。×
市街化調整区域
126-16-ア
市街化調整区域において、病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為には、開発許可が必要。
225-16-2市街化調整区域において行う開発行為で、その規模が300m2であるものについては、常に開発許可は不要。×
区域区分が定められていない区域
129-17-4区域区分の定めのない都市計画区域内において、遊園地の建設の用に供する目的で3,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
222-17-1分譲住宅新築のための5,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
321-17-1ゴルフコース建築のための10,000m2の開発行為には、開発許可が必要。
411-18-4農家が居住用住宅を建築するための開発行為には、開発許可は不要。
510-18-3野球場を建設するため2haの開発行為には、開発許可が必要。
605-18-4非線引都市計画区域200m2と都市計画区域及び準都市計画区域外の区域2,800m2にまたがる、開発区域の面積が3,000m2の住宅団地建設のための開発行為は、開発許可が必要。×
準都市計画区域
129-17-1準都市詩画区域内において、工場の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
224-17-イ病院/4,000㎡→開発許可が必要。
318-19-3専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
414-19-3都市計画事業としての住宅団地/3,000㎡→開発許可が不要。
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
129-17-3都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、変電所の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。×
218-19-4店舗/1,000㎡→開発許可が必要。×
315-18-3住宅団地/6,000㎡→開発許可は不要。
414-19-4住宅団地/5,000㎡→都市計画事業でない場合、開発許可が必要。×
506-19-11,000㎡以上→開発許可が必要。×
605-18-4住宅団地/都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域2,800㎡&非線引区域200㎡→開発許可が必要。×

イ 許可が必要

■農林漁業用建築物(市街化区域内)
農林漁業用の建築物やそれらに従事する者の居住用建築物について開発許可が不要となるのは、「市街化区域以外の区域」に限られる(都市計画法29条1項2号)。具体的には、(1)市街化調整区域、(2)区域区分が定められていない都市計画区域、(3)準都市計画区域である。
一方、市街化区域においては、農業用の建築物だというだけで例外扱いはされない。

■許可不要の小規模開発(市街化区域)
(肢アの表参照。)
市街化区域内では、1,000m2以上の開発行為ついて、開発許可が必要になる(都市計画法29条1項1号、同法施行令19条)。

■まとめ
以上より、本肢のケースでは、開発行為について許可を受ける必要がある。

■類似過去問(開発許可:農業関係)
内容を見る
都市計画法[06]2(2)
開発許可(農業関係)
 年-問-肢内容正誤
129-17-2市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
226-16-イ市街化区域/農林漁業者の居住用建物/1,200㎡→開発許可が必要。
324-17-ウ市街化区域/農家の居住用建物/1,500㎡→開発許可が必要。
423-17-2調整区域/農産物貯蔵施設→開発許可が不要。×
519-20-ウ市街化区域/農家の居住用建物/1,500㎡→開発許可が必要。
618-19-1市街化区域/農家の居住用建物/1,000㎡→開発許可が必要。
717-18-1市街化区域/農家の居住用建物→開発許可が必要となる場合がある。
815-18-1調整区域/農産物加工施設/500㎡→開発許可が不要。×
914-19-1市街化区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。×
1014-19-2市街化区域/農業用建築物→開発許可が不要。×
1113-18-2区域に関わらず/農家の居住用建物→開発許可が不要。×
1212-20-2調整区域/農産物加工施設→開発許可が不要。×
1311-18-4区域区分の定めがない都市計画区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。
1410-18-4調整区域/農家の居住用建物→開発許可が必要。×
1509-18-2市街化区域/農家の居住用建物/1,000㎡以上→開発許可が不要。×
1606-19-2調整区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。
1705-18-3市街化区域/畜舎/1,100㎡→開発許可が必要。
1804-20-4市街化調整区域/農家の居住用建物→開発許可が必要。×

ウ 許可は不要

(肢アのリスト参照。)
公民館は、公益上必要な建築物に該当する。したがって、いかなる区域においても開発許可は不要である(都市計画法29条1項3号)。

■類似過去問(開発許可:公益上必要な建築物)
内容を見る
都市計画法[06]2(1)①
開発許可(公益上必要な建築物)
 年-問-肢内容正誤
129-17-3都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、変電所の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
226-16-ア市街化調整区域/国が設置する病院/1,500㎡→知事との協議が必要。
326-16-ウ区域区分が定められていない都市計画区域/公民館/4,000㎡→開発許可が必要。×
425-16-3市街化区域/診療所/1,500m2→開発許可が必要。
524-17-ア市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が必要。×
624-17-イ準都市計画区域/病院/4,000㎡→開発許可が必要。
719-20-イ市街化調整区域/図書館/3,000㎡→開発許可が不要。
818-19-2市街化調整区域/図書館/1,000㎡→開発許可が必要。×
918-19-3準都市計画区域/専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
1017-18-4博物館→規模によっては開発許可が必要。×
1115-18-4準都市計画区域/公民館/5,000㎡→常に開発許可が不要。
1213-18-1図書館→開発許可が不要。
1313-18-4大学→開発許可が不要。×
1412-20-1市街化調整区域/図書館・公民館/規模問わず→開発許可が不要。
1509-18-1市街化区域/変電所/1,000㎡以上→開発許可が不要。
1609-18-4市街化調整区域/私立大学/1,000㎡以上→開発許可が不要。×
1705-18-2市街化調整区域/私立大学の野球場/1ha以上→開発許可が不要。×
1801-18-1市街化調整区域/公民館→開発許可が不要。

まとめ

以上より、開発許可を受ける必要のある、又は協議する必要のある開発行為は、アとイである。正解は、肢1。


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