【宅建過去問】(平成26年問29)営業保証金


宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 新たに宅地建物取引業を営もうとする者は、営業保証金を金銭又は国土交通省令で定める有価証券により、主たる事務所の最寄りの供託所に供託した後に、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。
  2. 宅地建物取引業者は、既に供託した額面金額1,000万円の国債証券と変換するため1,000万円の金銭を新たに供託した場合、遅滞なく、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  3. 宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  4. 宅地建物取引業者が、営業保証金を金銭及び有価証券をもって供託している場合で、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更したときは、金銭の部分に限り、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。

正解:2

1 誤り

宅建業者は、事業を開始するまでに以下のプロセスを踏まなければならない(宅地建物取引業法25条1項、4項、5項)。

  1. 免許を取得
  2. 営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託
  3. 供託した旨を免許権者に届出
  4. 事業の開始

本肢では、(2)供託→ (1)免許取得、となっており、順序がおかしい。

■類似過去問(免許取得or支店新設→供託→届出→事業開始)
内容を見る
宅建業法[06]1(3)
事業開始までの流れ(免許取得時)

 年-問-肢内容正誤
126-29-1供託→免許申請。×
221-30-2供託した旨は供託所が免許権者に通知。宅建業者からの届出は不要。×
318-34-1免許取得→事業開始→供託→届出。×
414-36-2供託→免許申請。×
513-33-2供託→免許申請。×
606-45-2供託→届出→事業開始、違反すると6月以下の懲役。
705-46-1宅地建物取引業者は、免許を受けた場合において、主たる事務所と2ヵ所の従たる事務所を開設するときは、営業保証金2,000万円を、いずれかの事務所のもよりの供託所に供託した上、その旨宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
×
805-46-4免許取得→供託→届出、それ以前は売買契約も広告もできない。
904-43-1主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合、主たる事務所について営業保証金を供託し、その旨を届け出ても、従たる事務所の営業保証金を供託し、その旨を届け出ない限り、主たる事務所で営業を開始してはならない。
1002-36-1金銭又は有価証券で主たる事務所のもよりの供託所に供託→免許申請。×
1101-43-1本店と2支店a・bで免許取得→1,500万供託→届出→本店と支店aで開業→500万供託→届出→支店bで開業。×

2 正しい

国債 額面全額(100%)
地方債 額面金額の90%
その他 額面金額の80%

有価証券を営業保証金に充てる場合、価額は表のように評価される(宅地建物取引業法25条3項、同法施行規則15条1項)。すなわち、額面1,000万円の国債証券は、額面通り1,000万円として評価される(同法25条3項、同法施行規則15条1項1号)。したがって、額面1,000万円分の国債証券と1,000万円の金銭を変換することができる。この場合、遅滞なく、免許権者に届け出る必要がある(同法施行規則15条の4の2)。

※本肢のように、営業保証金の供託方法を変更することを「営業保証金の変換」という。

■類似過去問(有価証券の評価)
内容を見る
宅建業法[06]2(2)②
有価証券の評価
 年-問-肢内容正誤
126-29-2
国債を額面の100%と評価。
224-33-1地方債を額面の90%と評価。
320-34-3地方債を同額の国債証券と変換。×
417-33-1地方債を額面通りに評価。×
511-38-1国債は額面通り、地方債・その他は額面の90%と評価。×
608-47-2地方債を額面の90%と評価。
707-36-1地方債を額面の90%と評価。
806-45-1地方債を額面の80%と評価。×
■類似過去問(営業保証金の変換)
内容を見る
宅建業法[06]2(2)③
営業保証金の変換
 年-問-肢内容正誤
126-29-2額面金額1,000万円の国債証券と変換するため1,000万円の金銭を供託した場合、遅滞なく、免許権者に届け出なければならない。
220-34-3額面金額1,000万円の地方債証券を新たに供託すれば、既に供託している同額の国債証券と変換することができる。その場合、遅滞なく、営業保証金の変換の届出をしなければならない。×
307-36-1額面金額1,000万円の国債証券を取り戻すため、額面金額が同額である地方債証券及び100万円の金銭を新たに供託したときは、遅滞なく、甲県知事に営業保証金の変換の届出をしなければならない。

3 誤り

宅建業者は、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない(宅地建物取引業法25条1項)。従たる事務所を新設した場合であっても、追加供託する先は、主たる事務所の最寄りの供託所である。
本肢は、「従たる事務所の最寄りの供託所」とする点が誤り。

※供託後に、その旨を免許権者に届ける必要がある点は、正しい(肢1参照。宅地建物取引業法26条2項、25条4項、5項)。

■類似過去問(免許取得or支店新設→供託→届出→事業開始)
内容を見る
宅建業法[06]1(3)
事業開始までの流れ(免許取得時)

 年-問-肢内容正誤
126-29-1供託→免許申請。×
221-30-2供託した旨は供託所が免許権者に通知。宅建業者からの届出は不要。×
318-34-1免許取得→事業開始→供託→届出。×
414-36-2供託→免許申請。×
513-33-2供託→免許申請。×
606-45-2供託→届出→事業開始、違反すると6月以下の懲役。
705-46-1宅地建物取引業者は、免許を受けた場合において、主たる事務所と2ヵ所の従たる事務所を開設するときは、営業保証金2,000万円を、いずれかの事務所のもよりの供託所に供託した上、その旨宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
×
805-46-4免許取得→供託→届出、それ以前は売買契約も広告もできない。
904-43-1主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合、主たる事務所について営業保証金を供託し、その旨を届け出ても、従たる事務所の営業保証金を供託し、その旨を届け出ない限り、主たる事務所で営業を開始してはならない。
1002-36-1金銭又は有価証券で主たる事務所のもよりの供託所に供託→免許申請。×
1101-43-1本店と2支店a・bで免許取得→1,500万供託→届出→本店と支店aで開業→500万供託→届出→支店bで開業。×
■類似過去問(供託すべき供託所)
内容を見る
宅建業法[06]2(1)
供託すべき供託所(免許取得時)
 年-問-肢内容正誤
124-33-2本店・支店それぞれ最寄りの供託所×
221-30-1主たる事務所またはその他の事務所いずれかの最寄りの供託所×
313-33-1主たる事務所の最寄りの供託所に必ず金銭で供託×
410-37-1本店・支店それぞれ最寄りの供託所×
505-46-1主たる事務所またはその他の事務所いずれかの最寄りの供託所×

4 誤り

営業保証金の保管替え手続が利用できるのは「金銭のみをもって営業保証金を供託しているとき」に限られる(宅地建物取引業法29条1項)。
本問のように、金銭と有価証券を合わせて供託している場合には、保管替え手続を利用することはできない。いったん二重供託した上で取り戻しの手続をしなければならない。

供託しているもの 必要な手続
・金銭のみ 保管替え
・金銭+有価証券
・有価証券のみ
二重に供託→取戻し
20-34-2
■類似過去問(営業保証金の保管替え)
内容を見る
宅建業法[06]2(5)
主たる事務所が移転した場合
 年-問-肢内容正誤
129-32-1
宅地建物取引業者は、主たる事務所を移転したことにより、その最寄りの供託所が変更となった場合において、金銭のみをもって営業保証金を供託しているときは、従前の供託所から営業保証金を取り戻した後、移転後の最寄りの供託所に供託しなければならない。
×
228-40-1
[Aは甲県内に本店と支店を有し、営業保証金を供託している宅建業者]Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。

326-29-4金銭と有価証券で供託している場合、金銭の部分に限り、保管替えを請求できる。×
425-27-3国債のみで供託していた場合、遅滞なく、保管替えを申請しなければならない。×
520-34-2金銭と国債で供託していた場合、金銭の部分に限り、保管替えを請求できる。×
618-34-3金銭のみで供託していた場合、遅滞なく、保管替えを申請しなければならない。
712-44-4営業保証金を金銭のみで供託している場合で、免許換えにより主たる事務所のもよりの供託所が変更したとき、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
811-38-4金銭と有価証券で供託していた場合、金銭の部分に限り、保管替えを請求できる。×
907-36-2金銭と国債で供託していた場合、金銭の部分に限り、保管替えを請求できる。×
1006-45-3現金と国債で供託していた場合、保管替えを請求できる。×
1102-36-2金銭と有価証券で供託していた場合、保管替えを請求しなければならない。×

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