【宅建過去問】(平成29年問27)瑕疵担保責任についての特約


宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 売買契約において、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。
イ 売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
ウ Aが瑕疵担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし

正解:1

はじめに

瑕疵担保責任に関するルールについて、まとめておきましょう。

民法のルール

民法では、売主の瑕疵担保責任について、下の表のように定めています(民法570条、566条)。ただし、瑕疵担保責任について特約をすることが認められていて、極端な話、「瑕疵担保責任を一切負わない。」という特約も有効です。

対象 隠れた瑕疵(買主が善意無過失)
売主の帰責性 無過失責任
担保責任の内容 損害賠償請求
契約解除(契約目的を達成できないとき)
追及できる期間 買主が事実を知った時から1年以内
宅建業法のルール

これに対し、宅建業法は、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買契約について、民法に比べて買主に不利となる特約を禁止しています。唯一の例外は、瑕疵担保責任を負う期間を「引渡しの日から2年以上」と定める場合です(宅建業法40条1項)。これ以外の特約は、無効とされます(同条2項)。

ア 誤り

瑕疵担保責任を負う期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約は、例外として有効性を認められます。したがって、本肢の特約は、有効です。

■類似過去問
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宅建業法[16}2(1)②
瑕疵担保責任を負う期間
 年-問-肢内容正誤
129-27-ア売買契約において、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。×
229-27-イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
327-34-2「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
427-39-4引渡しを売買契約締結の1月後とし、瑕疵担保責任を負う期間を契約日から2年間とする特約を定めることができる。×
526-31-ア「引渡しから3年」とする特約は無効。×
624-39-3「引渡しから2年」という特約は有効。
723-37-4「瑕疵発見から2年」という特約は有効。
822-40-1「引渡しから3年」という特約は有効。
921-40-4「引渡しから2年」という特約は有効。
1020-40-4「引渡しから2年かつ瑕疵発見から30日」という特約は有効。×
1117-42-3「契約締結から2年」という特約は有効。×
1215-41-4「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
1314-41-1「引渡しから半年」という特約は有効。×
1412-40-1「引渡しから1年」という特約は無効で、「瑕疵発見から1年」となる。
1511-33-3「引渡しから2年、買主の知っている瑕疵は担保しない」という特約は有効。
1610-36-4損害賠償額を予定した場合、「瑕疵担保期間は引渡しから1年」という特約は有効。×
1709-41-1「引渡しから2年の期間内、契約を解除できないが、損害賠償を請求できる」旨の特約は無効。
1809-41-3「契約締結から2年、その期間内に瑕疵修補請求権も行使できる」という特約は有効。×
1909-41-4「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
2008-48-2「引渡しから1年」という特約は業者間では有効だが、業者以外を売主・業者を買主とする売買契約では無効。×
2107-43-1「引渡しから2年」という特約をしたときでも、瑕疵発見から1年は瑕疵担保責任を負う。×
2207-45-1「瑕疵発見から1年半」という特約は有効。
2306-43-1「瑕疵の事実を知ってから1年」と定めても、「引渡しから2年」は責任を負う。×

イ 正しい

売主の瑕疵担保責任の対象を「売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ」と限定する特約は、民法のルールよりも買主に不利であるため、許されません。また、瑕疵担保責任を負う期間についても、認められているのは、「引渡しの日から2年以上」とする特約のみです。本肢の特約は、「引渡しの日から1年間担保責任を負う」とする点でも、宅建業法に違反しています。
宅建業法に違反するこのような特約は、無効となります。

■類似過去問
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宅建業法[16]2(1)
瑕疵担保責任に関する特約
 年-問-肢内容正誤
隠れた瑕疵
121-38-イ「重要事項として説明した瑕疵については担保責任を負わない」という特約は有効。
211-33-3「引渡しから2年、買主の知っている瑕疵は担保しない」という特約は無効。×
売主の帰責性
129-27-イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
219-41-3「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
317-42-4「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は宅建業法に違反しない。×
409-41-2「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
505-45-1「瑕疵担保責任は売主の責めに帰するものに限る」という特約は有効。×
担保責任の内容の限定
129-27-ウ宅地建物取引業者が瑕疵担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。×
224-39-4「損害賠償のみ可能、解除不可」という特約は宅建業法に違反する。
311-33-2「契約解除できるのは、瑕疵により契約目的が達成できないときに限る」という特約は無効。×
409-41-1「契約は解除できないが、損害賠償請求はできる」という特約は無効。
525-38-ア引渡後2年以内に発見された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の瑕疵についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。×
「瑕疵担保責任を負わない」旨の特約
127-39-2買主が建物を短期間使用後取り壊す予定である場合、瑕疵担保責任を負わない旨の特約を定めることができる。×
221-38-ア「瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
321-38-ウ「瑕疵担保責任を負わない」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
420-09-1「瑕疵担保責任を負わない」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
その他
124-39-1瑕疵担保責任を負う期間に関し、特約を定めないことは宅建業法に違反する。×
宅建業法[16}2(1)②
瑕疵担保責任を負う期間
 年-問-肢内容正誤
129-27-ア売買契約において、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。×
229-27-イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
327-34-2「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
427-39-4引渡しを売買契約締結の1月後とし、瑕疵担保責任を負う期間を契約日から2年間とする特約を定めることができる。×
526-31-ア「引渡しから3年」とする特約は無効。×
624-39-3「引渡しから2年」という特約は有効。
723-37-4「瑕疵発見から2年」という特約は有効。
822-40-1「引渡しから3年」という特約は有効。
921-40-4「引渡しから2年」という特約は有効。
1020-40-4「引渡しから2年かつ瑕疵発見から30日」という特約は有効。×
1117-42-3「契約締結から2年」という特約は有効。×
1215-41-4「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
1314-41-1「引渡しから半年」という特約は有効。×
1412-40-1「引渡しから1年」という特約は無効で、「瑕疵発見から1年」となる。
1511-33-3「引渡しから2年、買主の知っている瑕疵は担保しない」という特約は有効。
1610-36-4損害賠償額を予定した場合、「瑕疵担保期間は引渡しから1年」という特約は有効。×
1709-41-1「引渡しから2年の期間内、契約を解除できないが、損害賠償を請求できる」旨の特約は無効。
1809-41-3「契約締結から2年、その期間内に瑕疵修補請求権も行使できる」という特約は有効。×
1909-41-4「引渡しから1年」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
2008-48-2「引渡しから1年」という特約は業者間では有効だが、業者以外を売主・業者を買主とする売買契約では無効。×
2107-43-1「引渡しから2年」という特約をしたときでも、瑕疵発見から1年は瑕疵担保責任を負う。×
2207-45-1「瑕疵発見から1年半」という特約は有効。
2306-43-1「瑕疵の事実を知ってから1年」と定めても、「引渡しから2年」は責任を負う。×

ウ 誤り

民法は、買主が売主に追及することができる瑕疵担保責任として、損害賠償請求と契約解除を認めています。そして、宅建業法は、これよりも買主に不利な特約を禁止しています。したがって、「損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできない」とする特約は、無効です。

■類似過去問
内容を見る
宅建業法[16]2(1)
瑕疵担保責任に関する特約
 年-問-肢内容正誤
隠れた瑕疵
121-38-イ「重要事項として説明した瑕疵については担保責任を負わない」という特約は有効。
211-33-3「引渡しから2年、買主の知っている瑕疵は担保しない」という特約は無効。×
売主の帰責性
129-27-イ売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
219-41-3「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
317-42-4「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は宅建業法に違反しない。×
409-41-2「売主に帰責性がない場合、瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
505-45-1「瑕疵担保責任は売主の責めに帰するものに限る」という特約は有効。×
担保責任の内容の限定
129-27-ウ宅地建物取引業者が瑕疵担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。×
224-39-4「損害賠償のみ可能、解除不可」という特約は宅建業法に違反する。
311-33-2「契約解除できるのは、瑕疵により契約目的が達成できないときに限る」という特約は無効。×
409-41-1「契約は解除できないが、損害賠償請求はできる」という特約は無効。
525-38-ア引渡後2年以内に発見された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の瑕疵についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。×
「瑕疵担保責任を負わない」旨の特約
127-39-2買主が建物を短期間使用後取り壊す予定である場合、瑕疵担保責任を負わない旨の特約を定めることができる。×
221-38-ア「瑕疵担保責任を負わない」という特約は有効。×
321-38-ウ「瑕疵担保責任を負わない」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
420-09-1「瑕疵担保責任を負わない」という特約は無効で、「引渡しから2年」となる。×
その他
124-39-1瑕疵担保責任を負う期間に関し、特約を定めないことは宅建業法に違反する。×

まとめ

正しい記述はイだけなので、正解は肢1です。


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