民法[22]相殺
「AがBに100万円貸していて、逆に、BはAに対して100万円の売買代金債権を持っている。」としましょう。この場合、AがBに100万円返してその後にBがAに100万円支払う、というのでは、手順として無駄ですし、先に弁済する側にリスクが生じます。
この場合、一方からの意思表示だけで、両方が債務を免れられることになっています。このシステムを「相殺」と呼びます。
Contents
[Step.1]基本習得編講義
【動画講義を御覧になる方法】 | |
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DVD通信講座「基本習得編講座」(全16巻) | 16,000円(税別) |
ニコニコチャンネル | 1講義100円or月額1,500円(税別) |
[Step.2]実戦応用編講義
「一問一答式問題集」を解き、自己採点をしたうえで、解説講義を御覧ください。
【動画講義を御覧になる方法】 | |
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【必須資料】『一問一答式問題』(権利関係) | |
DVD通信講座「実戦応用編講座」(全22巻) | 22,000円(税別) |
ニコニコチャンネル | 1講義100円or月額1,500円(税別) |
学習項目&過去の出題例
1.相殺とは
(1).意味
二人が互いに同種の債務を負担する場合に、
一方の意思表示により、
各債務者が、対当額の範囲で債務を免れること
(2).具体例
2.相殺適状
相殺に適する状態
(1).二人が互いに債務を負担していること
(2).債権が同種の目的を有すること
(3).双方の債務が弁済期にあること
①双方の債務が弁済期にあるケース
②一方の債務が弁済期にないケース
民法[22]2(3)
弁済期と相殺
弁済期と相殺
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 16-08-1 | 賃貸人が支払不能に陥った場合、賃借人は、自らの敷金返還請求権を自働債権として、賃料債権と相殺することができる。 | × |
2 | 07-08-2 | Aの債権について弁済期の定めがなく、Aから履行の請求がないときは、Bは、Bの債権の弁済期が到来しても、相殺をすることができない。 | × |
3.相殺ができるケース
(1).弁済期未到来の債権を受働債権とする相殺
(2).時効消滅した債権を自働債権とする相殺
民法[22]3(2)
時効消滅した債権を自働債権とする相殺
時効消滅した債権を自働債権とする相殺
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 17-04-3 | 時効完成前に相殺適状に達していた債権を自働債権として、時効消滅後に相殺することはできない。 | × |
2 | 16-08-3 | 時効完成前に相殺適状に達していた債権を自働債権として、時効消滅後に相殺することはできない。 | × |
3 | 07-08-1 | 時効完成前に相殺適状に達していた債権を自働債権として、時効消滅後に相殺することができる。 | ◯ |
4 | 01-02-4 | 債権が既に時効により消滅している場合、時効完成前に相殺適状にあったとしても、その債権を自働債権として、相殺することはできない。 | × |
4.相殺ができないケース
(1).不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺
①不法行為による債権が自働債権であるケース(被害者からの相殺)
②不法行為による債権が受働債権であるケース(加害者からの相殺)
民法[22]4(1)
不法行為債権と相殺
不法行為債権と相殺
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 28-09-3 | 買主に対して債権を有している売主は、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を買主に提供しなかった売主に対する買主の損害陪償請求権を受働債権とする相殺をもって、買主に対抗することができない。 | ◯ |
2 | 18-11-3 | 加害者が、被害者に対して損害賠償責任を負う場合、被害者は、不法行為に基づく損害賠償債権で相殺できる。 | ◯ |
3 | 16-08-2 | 賃借人が賃貸人に対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、賃借人は、この債権を自働債権として、賃料債務と相殺することはできない。 | × |
4 | 07-08-3 | 不法行為による損害賠償債権を受働債権として相殺することはできない。 | ◯ |
5 | 04-09-1 | 不法行為の被害者は、損害債権を自働債権として、加害者に対する金銭返還債務と相殺することができない。 | × |
(2).支払差止債権を受働債権とする相殺
①差押えとは
②自働債権の取得が差押えより後だったケース
③自働債権の取得が差押えより先だったケース
民法[22]4(2)
支払差止債権と相殺
支払差止債権と相殺
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 23-06-1 | 差押前に取得した債権を自働債権とする場合、受働債権との弁済期の先後を問わず、相殺が可能。 | ◯ |
2 | 23-06-2 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後でも、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができる。 | × |
3 | 16-08-4 | 差押前に取得した債権を自働債権とした相殺が可能。 | ◯ |
4 | 15-05-3 | 抵当権者が物上代位により賃料債権を差押した後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の前に取得した債権を自働債権として相殺の主張ができない。 | × |
5 | 07-08-4 | 差押後に取得した債権を自働債権とした相殺は不可。 | ◯ |
(3).自働債権に同時履行の抗弁権が付着している場合
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[Step.2]実戦応用編
最初に一問一答式の問題集を解き、その後に解説講義を見ます。これにより、「Step.1で勉強した基礎知識が実際の本試験ではどのように出題されるか」、「選択肢の◯×を決める基準は何か」を身に付けます。
[Step.3]過去問演習編
年度別の本試験過去問を解き、その後に解説講義を見ます。学習の総仕上げとして、基本知識や解法テクニックを一層確実に、そして本試験で使えるレベルに仕上げます。
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