民法[29]賃貸借契約

賃貸借契約というのは、お金を払って他人の物を借りる契約のことをいいます。DVDのレンタルも賃貸借契約ですし、土地や建物を借りるのも賃貸借契約です。
賃貸借契約は、売買契約と並んで頻出の契約で、民法に加えて、借地借家法という法律からも出題されます。まずは、民法で賃貸借契約の構造・基本を理解し、その上で、借地借家法の知識を上乗せしていきましょう。

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学習項目&過去の出題例

1.賃貸借契約とは

(1).契約の成立


■諾成契約⇒[23]4(1)
★過去の出題例★

民法[29]1(1)
賃貸借:契約の成立
 年-問-肢内容正誤
127-03-3賃貸借契約は諾成契約である。
217-15-1動産の賃貸借契約は、当事者の合意のみで効力を生じるが、建物の賃貸借契約は、要式契約である。×
(2).契約の分類
①双務契約(⇒[23]2(1)

②有償契約(⇒[23]3(1)

2.賃貸借の存続期間

(1).民法上の賃貸借


★過去の出題例★

民法[29]2(1)
賃借権の存続期間(民法)
 年-問-肢内容正誤
129-11-2賃借権の存続期間を10年と定めた場合、賃貸借契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは存続期間は10年である。
226-11-1口頭による合意で存続期間を40年と定めた場合、期間は40年となる。×
320-13-1駐車場用地の賃貸借契約において、期間の上限は50年である。×
418-13-1駐車場用地の賃貸借契約で契約期間を35年とした場合、期限は定めなかったものとみなされる。×
(2).借地借家法上の制限
①借地権

②建物賃貸借
最短期間
(⇒借地借家法[05]1(1)
契約期間を1年未満と定めた場合
→期間の定めのない賃貸借とみなす
最長期間
(⇒借地借家法[05]1(2)
民法の適用を排除
=20年超の契約も可能

3.賃借権の対抗要件

(1).対抗問題・対抗要件とは(⇒[08]1

(2).民法上の対抗要件(⇒[08]1(1)③

賃借権の登記

★過去の出題例★

民法[29]3(2)
賃借権の対抗要件(民法)
 年-問-肢内容正誤
129-11-1(A所有の甲土地につき、平成29年10月1日にBとの間で賃貸借契約(本件契約)が締結された。)Aが甲土地につき、本件契約とは別に、平成29年9月1日にCとの間で建物所有を目的として賃貸借契約を締結していた場合、本件契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは、本件契約よりもCとの契約が優先する。
×
228-14-2登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。
326-11-2建物の所有を目的とせずに資材置場として借りている土地が第三者に売却された場合に賃借人であることを当該第三者に対抗する方法はない。×
420-13-4平置きの駐車場用地として利用するための土地の賃貸借契約を書面で行っても、賃借権の登記をしない場合、土地の譲受人に賃借権を対抗できない。
519-14-4賃借権登記も建物引渡しもないまま、建物が譲渡された場合でも、賃借権を所有者に主張できる。×
(3).借地借家法上の対抗要件
①借地権(⇒借地借家法[02]1(2))

借地上の建物の登記

②建物賃貸借借(⇒借地借家法[06]1(2))

建物の引渡し

4.賃貸人・賃借人の関係

(1).賃貸物の修繕

賃貸人:使用・収益に必要な修繕をする義務
賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするとき
→賃借人は、拒むことができない。
★過去の出題例★

民法[29]4(1)
賃貸物の修繕
 年-問-肢内容正誤
125-08-3建物の賃貸人が必要な修繕義務を履行しない場合、賃借人は賃料全額の支払を拒絶できる。×
225-08-4建物の賃貸人が賃貸物の保存に必要な修繕をする場合、賃借人は拒むことができない。
317-15-2動産の賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕を行う義務を負うが、建物の賃貸人は、そのような義務を負わない。×
401-06-1建物が老朽化してきたため、貸主が建物の保存のために必要な修繕をする場合、借主は、貸主の修繕行為を拒むことはできない。
(2).賃借人による費用の償還請求
①必要費

賃借人が支出した場合
→賃貸人に直ちに償還請求◯

②有益費

賃貸借契約終了時に価額の増加が現存する場合
→賃貸人は、支出金額or増加額(賃貸人が選択)を償還する義務を負う
★過去の出題例★

民法[29]4(2)
賃借人による費用の償還請求
 年-問-肢内容正誤
必要費
127-03-2借主は、賃貸借契約では、貸主の負担に属する必要費を支出したときは、貸主に対しその償還を請求することができる。
209-03-1建物の賃借人が、賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できる。
309-03-2建物の賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除された後に、賃借人が建物の修繕のため必要費を支出した場合、必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき建物の返還を拒否できる。×
409-03-4建物の賃借人は、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、さらに当該建物の修繕のため必要費を支出したとき、その必要費のためにも留置権を行使できる。
503-13-2借主は、貸主の負担すべき必要費を支出したときは、直ちに、貸主に対しその償還を請求することができる。
601-06-2建物が老朽化してきたため、借主が貸主の負担すべき必要費を支出して建物の修繕をした場合、借主は、貸主に対して、直ちに修繕に要した費用全額の償還を請求することができる。
有益費
103-13-3Aは、有益費を支出したときは、賃貸借終了の際、その価格の増加が現存する場合に限り、自らの選択によりその費した金額又は増加額の償還を請求することができる。×
(3).賃借物の一部滅失

賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失した場合

★過去の出題例★

民法[29]4(3)
賃借物の一部滅失による賃料の減額請求等
 年-問-肢内容正誤
128-07-ア
[AがBから賃借する甲建物が第三者の不法行為により一部損壊]AはBに対し、甲建物の滅失した部分の割合に応じ、賃料の減額を請求することができる。

228-07-イ
[AがBから賃借する甲建物が第三者の不法行為により一部損壊]Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合、Bとの賃貸借契約を解除することができる。

5.賃借権の譲渡・転貸

(1).賃借権の譲渡・転貸とは
①賃借権の譲渡

②転貸

③賃借権の譲渡・転貸にあたるか
借地上の建物の譲渡 借地上の建物の賃貸


★過去の出題例★

民法[29]5(1)③(a)
借地上の建物の譲渡
 年-問-肢内容正誤
117-13-1借地上の建物の譲渡には、土地所有者の承諾は不要である。×
207-07-2借地上の建物の譲渡には、土地所有者の承諾を必要とする。
305-10-2借地上の建物を抵当権の目的とした場合、競売により建物を取得した者は、土地の賃借権も当然に取得し、土地所有者に対抗することができる。×
民法[29]5(1)③(b)
借地上の建物の賃貸
 年-問-肢内容正誤
126-07-1借地上の建物を土地の所有者に無断で賃貸した場合、土地所有者は、無断転貸を理由に、土地の賃貸借契約を解除できる。×
218-14-1土地の貸主の承諾を得ることなく借地上の建物を賃貸しても、借地の無断転貸借とはならない。
307-07-4借地上の建物を賃借する場合、賃借人は、土地の貸主の承諾を得なければならない。×
(2).無断譲渡・転貸の禁止


★過去の出題例★

民法[29]5(2)
無断転貸借と解除
 年-問-肢内容正誤
127-09-2土地の賃貸人が転貸借について承諾を与えた場合には、賃貸人は、無断転貸を理由としては賃貸借契約を解除することはできないが、賃借人と賃貸借契約を合意解除することは可能である。
227-09-3土地の賃借人が無断転貸した場合、賃貸人は、賃貸借契約を解除できる場合とできない場合がある。
326-01-1賃借人の債務不履行を理由に、賃貸人が不動産の賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されていなければならない旨は、民法の条文に規定されている。×
425-11-1無断転貸があった場合、転貸の事情にかかわらず、貸主は賃貸借契約を解除できる。×
521-12-1無断転貸があっても、貸主に対する背信的行為でない場合は、解除できない。
618-10-1無断転貸があっても、貸主に対する背信的行為でない場合は、解除できない。
706-12-1転貸借が賃貸人の承諾を得ていない場合でも、その転貸借が背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人の解除権は発生しない。
(3).転貸の効果

転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う

★過去の出題例★

民法[29]5(3)
転貸の効果
 年-問-肢内容正誤
128-08-2
[AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸]BがAに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、AはCに対して、賃料10万円をAに直接支払うよう請求することができる。
223-07-1賃借人が賃貸人に対して賃料を支払わない場合、賃貸人は、賃借人に対する賃料の限度で、転借人に対し、賃借人に対する賃料を自分に直接支払うよう請求することができる。
318-10-3賃借権を譲渡する場合に必要とされる賃貸人の承諾は、賃借人に対するものでも、転借人に対するものでも、どちらでもよい。
416-13-1転借人は、賃貸人に対しても、賃料支払い義務を直接負担する。
510-06-2転借人は、賃貸人に対し、転借料の全額を直接支払義務を負う。×
601-06-4賃貸人は、転借人に対して直接賃料を請求できる。
(4).転貸の終了
①合意解除

転借人には対抗できない

★過去の出題例★

 年-問-肢内容正誤
128-08-4
[AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸]AがBとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、Bとの合意解除に基づいて、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。
227-09-1土地の賃借人が無断転貸した場合において賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるため賃貸人が無断転貸を理由に賃貸借契約を解除できないときであっても、賃貸借契約を合意解除したときは、賃貸人は転借人に対して賃貸土地の明渡しを請求することができる。×
327-09-4土地の賃借人が無断転貸した場合、転借人は、賃貸人と賃借人との間で賃貸借契約が合意解除されたとしても、賃貸人からの賃貸土地の明渡し請求を拒絶することができる場合がある。
423-07-3賃貸人は、賃借人との合意解除の効果を転借人に対抗できない。
516-13-3賃貸借契約を合意解除しても、転借人に不信行為があるなど特段の事情がない限り、賃貸人は、転借人に明渡しを請求できない。
610-06-1賃貸借契約が合意解除された場合、転貸借契約も当然終了する。×
706-12-2賃貸借契約が合意解除により終了すれば、転貸借も終了し、転借人の権利は消滅する。×
804-11-4賃貸借契約が合意解除されても、転借人の権利は、消滅しない。
②債務不履行による解除

転貸借も終了
転借人に賃料代払いの機会を与える必要なし

★過去の出題例★

民法[29]5(4)②
債務不履行解除と転借人
 年-問-肢内容正誤
128-08-1
[AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸]Aは、Bの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するには、Cに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。
×
228-08-3
[AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸]AがBの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合、CのBに対する賃料の不払いがなくても、AはCに対して、甲建物の明渡しを求めることができる。
326-07-3賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除した場合でも、賃貸人は、転借人に解除を対抗できない。×
425-11-2賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除したとしても、転借人に明渡しを請求できない。×
523-07-4賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除するときは、転借人に賃料代払いの機会を与えることが必要。×
618-10-2賃貸借契約が賃借人の債務不履行を理由に解除されても、転貸借契約は終了しない。×
716-13-4賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除するときは、転借人に賃料代払いの機会を与えることが必要。×
810-06-3賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除するときは、転借人に賃料代払いの機会を与えることが必要。×
910-06-4賃借人の債務不履行を理由に賃貸借契約を解除した場合、転借人は転借権を賃貸人に対抗できない。

6.賃貸人の地位の移転

(1).状況

(2).建物使用権の主張

Bの賃借権vsCの所有権
→対抗問題として解決

(3).賃貸人の地位の主張

家賃を請求するためには
→Cに対抗要件が必要

7.賃貸借契約の終了

(1).期間の定めのない賃貸借

各当事者は、いつでも解約の申入れ可能

(2).契約終了までの期間

8.敷金

(1).敷金契約の性質


★過去の出題例★

民法[29]8(1)
敷金契約の性質
 年-問-肢内容正誤
128-01-2
賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨が、民法の条文に規定されている。
×
213-09-1賃貸借契約期間中でも、貸主の返済能力に客観的な不安が生じた場合は、借主は、賃料支払債務と敷金返還請求権とを対当額にて相殺することができる。×
313-09-4貸主は、借主の、賃貸借契約終了時までの未払賃料と契約終了後明渡しまでの期間の賃料相当損害額の双方を、敷金から控除できる。
410-03-1賃借人は、建物賃貸借契約が終了し、建物の明渡しが完了した後でなければ、敷金返還請求権について質権を設定することはできない。×
510-03-4敷金返還請求権に質権を設定した者が、賃借人に対し質権実行通知をしたとき、賃借人は、通知受領後明渡し完了前に発生する賃料相当損害金については敷金から充当することができなくなる。×
606-10-1借主は、貸主に対し、未払賃料について敷金からの充当を主張することができる。×
706-10-2借主の債権者が敷金返還請求権を差し押さえたときは、貸主は、その範囲で、未払賃料の弁済を敷金から受けることができなくなる。×
(2).同時履行の抗弁権(⇒[24]2(3)①(b)

(3).当事者の変更と敷金
①賃貸人の変更

敷金返還義務を承継

②賃借人の変更

敷金返還請求権は承継されない

★過去の出題例★

民法[29]8(3)②
賃貸人の変更と敷金
 年-問-肢内容正誤
120-10-2賃貸中の建物が譲渡された場合、賃借人の承諾がなくても、敷金返還債務は新所有者に承継される。
215-11-2賃貸借契約期間中に建物が譲渡された場合で、譲受人が賃貸人たる地位を承継したとき、敷金に関する権利義務も当然承継される。
315-11-4賃貸借契約が終了した後、借主が建物を明け渡す前に、貸主が建物を第三者に譲渡した場合で、貸主と譲受人との間で譲受人に敷金を承継させる旨を合意したとき、敷金に関する権利義務は当然に譲受人に承継される。×
411-14-4賃貸借契約期間中に建物が売却され、賃貸人たる地位を譲受人に承継した場合、賃借人の承諾がない限り敷金返還債務は承継されない。×
506-10-3貸主が第三者に建物を譲渡し、譲受人が賃貸人となった場合、貸主に差し入れていた敷金は、借主の未払賃料を控除した残額について、権利義務関係が譲受人に承継される。
602-13-2賃借人が賃貸人に敷金を差し入れていた場合、建物の譲受人は、賃貸人からその敷金を受領しない限り、賃借人に対する敷金返還債務を引き継がない。×

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