宅建士登録の欠格要件・登録の消除

1.今日のニュースから

「ニュースで学ぶ宅建」のネタ集めのため、「宅地建物取引業法」「宅地建物取引士」など、色々なキーワードでニュースを検索しています。
今日は、このニュース一色でした。

■浜名湖切断2遺体で死刑=強殺罪など34歳男判決-静岡地裁(時事ドットコムニュース)

強盗殺人事件のニュースが検索に引っかかってきたのは、被告人の肩書が「宅地建物取引士」だからです。「弁護士」などと違って、「宅地建物取引士」が肩書として使われるのは、あまり見たことのないケースです。

ではこの人は、いつまで「宅地建物取引士」の肩書を名乗ることができるのでしょうか?
宅建士登録の欠格要件とか、登録の消除という問題になります。

2.宅建士登録を受けるためには

宅建士登録の要件

宅建士登録をするためには、一定の要件をみたす必要があります。

  1. 宅建士試験に合格していること
  2. 2年以上の実務経験があること
    (又はr国交大臣指定の講習(登録実務講習)を受講すること)
  3. 欠格要件がないこと

【講義編】宅建業法[05]宅地建物取引士_3.宅建士登録

欠格要件

今回問題になるのは、欠格要件。そのうち、刑罰に関するものです。
「禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」は、宅建士の登録を受けることができません(宅建業法18条1項6号)。
死刑はもちろん、「禁錮以上の刑」です。したがって、このまま死刑判決が確定すれば、被告人は、宅建士登録の資格を失うわけです。

【講義編】宅建業法[05]宅地建物取引士_4.登録の欠格要件

3.死亡等の届出

届出事由・届出義務者・届出期間

宅建士登録を受けていた者が欠格要件に該当することになった場合、その旨を登録を受けている知事に届け出なければなりません(宅建業法21条)。
刑罰が確定した場合、届出義務者は本人で、届出期間は判決の確定日から30日以内です。

【講義編】宅建業法[05]宅地建物取引士_5(2).死亡等の届出

実際の手続

東京都庁のWebサイトを見ると、申請書類の実物と記入例が見られます。「禁錮以上の刑」と「罰金刑」のどちらかに◯するだけで、「死刑」と書く必要はありません。

登録を受けている方が所定の刑に処せられた場合(東京都都市整備局)

4.登録の消除

登録消除処分

欠格要件に該当すると、登録消除処分を受けることになります(宅建業法68条の2第1項1号)。そして、この時点で「宅地建物取引士」の肩書を失います。
(「宅地建物取引士」になるのでしょうか。)

【講義編】宅建業法[22]監督_3(3).登録消除処分

宅建士証の返納

登録消除処分を受けた場合、速やかに、宅建士証を返納しなければなりません(宅建業法22条の2第6項)。

【講義編】宅建業法[05]宅地建物取引士_6(4).宅建士証の返納、提出

5.まとめ

強盗殺人事件のニュースがキッカケでも、宅建業法の講義に持ち込めましたね。

この後に、本試験での出題例を並べようか、と思ったのですが、もはや長すぎるくらい長いです。
記事中にある、【講義編】へのリンクに飛ぶと、各項目について、「★過去の出題例★」を一覧表で整理してあります。お手数ですが、過去問は、そちらで御覧ください。

記事中の図や表は、すべて【講義編】からの引用です。このようなビジュアル・データを使って勉強したいというかたは、当社のスリー・ステップ講座の御利用を是非とも御検討ください。

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