【宅建過去問】(平成01年問01)土地に関する知識

地形に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 地表がほとんど平坦で、近くの河、湖、海などの水面との高低差がきわめて小さく、古い集落や街道がないような地形は、軟弱地盤であることが多い。
  2. 断層とは、地層がある面を境として互いに上下・左右にずれているものであり、断層面周辺の部分の地層強度は著しく低下している。
  3. 崩壊跡地は、周辺と異なる植生を示し、徴地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く、一度崩壊しているので安定した土地である。
  4. 地図の上で等高線が密な所は、その地形の傾斜が急であり、疎の所は、その地形の傾斜が緩やかである。

正解:3

1 正しい

地表が平坦で、付近の水面との高低差が低いということは、洪水や津波の被害を受けやすいということである。このような地形では、地盤中に多くの水分が含まれ、軟弱地盤となりやすい。
また、「古い集落や街道がない」点から見ても、災害が常習的に発生しており、宅地として不適切であることが想像できる。

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低地(免除科目[03]5(1))
年-問-肢内容正誤
1R04-49-2低地は、一般に洪水や地震などに対して強く、防災的見地から住宅地として好ましい。×
2R03s-49-3低地は、大部分が水田や宅地として利用され、大都市の大部分もここに立地している。
3R02s-49-2低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。
4R02s-49-4台地は、一般に地盤が安定しており、低地に比べ自然災害に対して安全度が高い。
5H30-49-3大都市の大部分は低地に立地しているが、この数千年の間に形成され、かつては湿地や旧河道であった地域が多く、地震災害に対して脆弱で、また洪水、高潮、津波等の災害の危険度も高い。
6H27-49-1我が国の低地は、ここ数千年の間に形成され、湿地や旧河道であった若い軟弱な地盤の地域がほとんどである。
7H27-49-2臨海部の低地は、洪水、高潮、地震による津波などの災害が多く、住宅地として利用するには、十分な防災対策と注意が必要である。
8H26-49-3沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。
9H25-49-4低地は、国土面積の約25%であり、洪水や地震による液状化などの災害危険度は低い。×
10H23-49-3低地は一般に津波や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。
11H21-49-3低地は、大部分が水田として利用され、地震災害に対して安全である。×
12H21-49-4臨海部の低地は、水利、海陸の交通に恵まれているが、住宅地として利用するためには十分な防災対策が必要である。
13H07-01-3自然堤防に囲まれた低地は、地盤が安定していることが多い。×
14H01-01-1地表がほとんど平坦で、近くの河、湖、海などの水面との高低差がきわめて小さく、古い集落や街道がないような地形は、軟弱地盤であることが多い。

2 正しい

断層とは、地下の岩盤が周囲から押されることによってできるズレのことをいう。地層が断ち切られているため、断層と呼ぶのである。
断層によってできた地形を断層地形という。ここでは、直線上の谷(構造谷)や滝など、地形の急変が連続して見られる。
断層地形やその周辺では、地盤が安定しておらず、地層強度は非常に低い。したがって、地すべりの危険性が高くなっている。

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断層地形(免除科目[03]6(4))
年-問-肢内容正誤
1H22-49-4断層地形は、直線状の谷など、地形の急変する地点が連続して存在するといった特徴が見られることが多い。
2H15-49-2断層は、ある面を境にして地層が上下又は水平方向にくい違っているものであるが、その周辺では地盤の強度が安定しているため、断層に沿った崩壊、地すべりが発生する危険性は低い。×
3H11-49-4断層地形は、直線状の谷、滝その他の地形の急変する地点が連続して存在するといった特徴が見られることが多い。
4H01-01-2断層とは、地層がある面を境として互いに上下・左右にずれているものであり、断層面周辺の部分の地層強度は著しく低下している。

3 誤り

大雨・雪解け・地震などの作用により、山の斜面が崩れ落ちることを斜面崩壊という。山の表面の土壌やその下の岩盤が崩壊するのである。この作用により、形成された地形が崩壊跡地である。
崩壊跡地は、一般に馬蹄形(U字型・凹地形)となる。
表面の土壌や岩盤が失われているため、地下水位が高く、そのため、好湿性の植物が繁茂するなど、周囲と異なる植生を示す。

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崩壊跡地(免除科目[03]6(1)②)
年-問-肢内容正誤
1H28-49-3山麓や火山麓の地形の中で、土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く、住宅地として好適である。×
2H10-50-4崩壊跡地は、徴地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く、また地下水位が高いため竹などの好湿性の植物が繁茂することが多い。
3H01-01-3崩壊跡地は、周辺と異なる植生を示し、徴地形的には馬蹄形状の凹地形を示すことが多く、一度崩壊しているので安定した土地である。×

4 正しい

地表面の傾斜は、等高線の密度で読み取ることができる。
等高線の密度が高い(間隔が密)ということは、少しの水平距離を進むだけで、標高が急激に上がることを意味する(図の左側)。つまり、傾斜が急である。逆に、等高線の密度が低い(間隔が疎)の場合は、多くの水平距離を進まないと、標高を稼ぐことができない(図の右側)。すなわち、傾斜が緩い。
以下の図と照らしながら、しっかり理解しておこう。

20-49-1

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等高線の読みかた(免除科目[03]7)
年-問-肢内容正誤
1H20-49-1地表面の傾斜は、等高線の密度で読み取ることができ、等高線の密度が高い所は傾斜が急である。
2H20-49-2扇状地は山地から平野部の出口で、勾配が急に緩やかになる所に見られ、等高線が同心円状になるのが特徴的である。
3H20-49-3等高線が山頂に向かって高い方に弧を描いている部分は尾根で、山頂から見て等高線が張り出している部分は谷である。×
4H20-49-4等高線の間隔の大きい河口付近では、河川の氾濫により河川より離れた場所でも浸水する可能性が高くなる。
5H15-49-1地形図の上では斜面の等高線の間隔が不ぞろいで大きく乱れているような場所では、過去に崩壊が発生した可能性があることから、注意が必要である。
6H15-49-4地形図で見ると、急傾斜地は等高線の間隔は密になり、傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔は疎になっている。
7H11-49-1地形図で見ると、急傾斜地では等高線の間隔は密になっているのに対し、傾斜が緩やかな土地では等高線の間隔が疎となっている。
8H11-49-2地すべり地については、上部は急斜面、中部は緩やかな斜面、下部には末端部に相当する急斜面があり、等高線は乱れて表れることが多い。
9H11-49-3崖錐は、谷の出口付近において傾斜の緩い扁平な円錐形状の地形を形成しており、谷出口を頂点とする同心円状の等高線で表されることが多い。×
10H01-01-4地図の上で等高線が密な所は、その地形の傾斜が急であり、疎の所は、その地形の傾斜が緩やかである。

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