【宅建過去問】(平成01年問43)営業保証金

宅地建物取引業者Aは、主たる事務所aとその他の事務所b及びcの3事務所を設けて、B県知事から、宅地建物取引業の免許を受けた。この場合の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

  1. Aは、先ず1,500万円を供託して届け出た後、a及びbで業務を開始し、その後500万円を供託して届け出た後、cでも業務を開始した。
  2. Aは、2,000万円を供託して届け出た後、a、b及びcで業務を開始し、更にその後新事務所dを設置して業務を開始した後、500万円を供託した。
  3. Aは、2,000万円を供託して届け出た後、a、b及びcで業務を開始したところ、Aと宅地建物取引業に関し取引をしたCが、その取引により生じた1,000万円の債権に関し、Aの供託した営業保証金から弁済を受けたので、Aは、営業保証金の不足額を供託する代わりに、b及びcの業務を停止した。
  4. Aは、2,000万円を供託して届け出た後、a、b及びcで業務を開始したが、その後宅地建物取引業保証協会の社員となったので、直ちに、営業保証金として供託していた2,000万円を取り戻した。

正解:4

1 誤り

主たる事務所aとその他の事務所b及びcの3事務所を有する宅建業者として免許を受けた以上、合計2,000万円の営業保証金を供託し、その旨の届出をする必要がある(宅地建物取引業法25条2項・4項)。この手続を完了しない限り、いずれの事務所でも業務を開始することはできない(宅地建物取引業法25条5項)。

■類似過去問
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事業開始までの流れ(免許取得時)(宅建業法[06]1(3))
 年-問-肢内容正誤
130-43-3宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の開始後1週間以内に、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、営業保証金を供託した旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。×
226-29-1供託→免許申請。×
321-30-2供託した旨は供託所が免許権者に通知。宅建業者からの届出は不要。×
418-34-1免許取得→事業開始→供託→届出。×
514-36-2供託→免許申請。×
613-33-2供託→免許申請。×
706-45-2供託→届出→事業開始、違反すると6月以下の懲役。
805-46-1宅地建物取引業者は、免許を受けた場合において、主たる事務所と2ヵ所の従たる事務所を開設するときは、営業保証金2,000万円を、いずれかの事務所のもよりの供託所に供託した上、その旨宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
×
905-46-4免許取得→供託→届出、それ以前は売買契約も広告もできない。
1004-43-1主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合、主たる事務所について営業保証金を供託し、その旨を届け出ても、従たる事務所の営業保証金を供託し、その旨を届け出ない限り、主たる事務所で営業を開始してはならない。
1102-36-1金銭又は有価証券で主たる事務所のもよりの供託所に供託→免許申請。×
1201-43-1本店と2支店a・bで免許取得→1,500万供託→届出→本店と支店aで開業→500万供託→届出→支店bで開業。×

2 誤り

宅建業者が新たに支店を新設する場合、以下のプロセスを踏む必要がある(宅地建物取引業法26条、25条)。

  1. 営業保証金(500万円)を主たる事務所のもよりの供託所に供託
  2. 供託した旨を免許権者に届出
  3. 事業の開始

本肢では、事業の開始後に、供託をしている。これは宅建業法に違反する。

■類似過去問
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事業開始までの流れ(免許取得時)(宅建業法[06]1(3))
 年-問-肢内容正誤
130-43-3宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の開始後1週間以内に、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、営業保証金を供託した旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。×
226-29-1供託→免許申請。×
321-30-2供託した旨は供託所が免許権者に通知。宅建業者からの届出は不要。×
418-34-1免許取得→事業開始→供託→届出。×
514-36-2供託→免許申請。×
613-33-2供託→免許申請。×
706-45-2供託→届出→事業開始、違反すると6月以下の懲役。
805-46-1宅地建物取引業者は、免許を受けた場合において、主たる事務所と2ヵ所の従たる事務所を開設するときは、営業保証金2,000万円を、いずれかの事務所のもよりの供託所に供託した上、その旨宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
×
905-46-4免許取得→供託→届出、それ以前は売買契約も広告もできない。
1004-43-1主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合、主たる事務所について営業保証金を供託し、その旨を届け出ても、従たる事務所の営業保証金を供託し、その旨を届け出ない限り、主たる事務所で営業を開始してはならない。
1102-36-1金銭又は有価証券で主たる事務所のもよりの供託所に供託→免許申請。×
1201-43-1本店と2支店a・bで免許取得→1,500万供託→届出→本店と支店aで開業→500万供託→届出→支店bで開業。×

3 誤り

営業保証金の還付により、営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなった場合、宅建業者は、免許権者から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日(図の⑤)から2週間以内にその不足額を供託しなければならない(図の⑥。宅地建物取引業法28条1項、営業保証金規則3条・4条)。

いくつかの事務所の業務を停止したとしても、営業保証金の供託の代わりにはならない。

■類似過去問
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営業保証金の不足額の供託(宅建業法[06]3(4))
 年-問-肢内容正誤
通知から2週間以内に供託
129-32-4宅地建物取引業者は、営業保証金の還付があったために営業保証金に不足が生じたときは、国土交通大臣又は都道府県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内に、不足額を供託しなければならない。
221-30-4[宅地建物取引業者A(国土交通大臣免許)]営業保証金の還付により、営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなった場合、Aは、国土交通大臣から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。
320-34-4[宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県内に本店Xと支店Yを設置して、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を営業保証金として供託して営業している。]Aは、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、その旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、免許取消の処分を受けることがある。
414-33-4[宅地建物取引業者B(国土交通大臣免許)は営業保証金を供託所に供託しており、宅地建物取引業者C(甲県知事免許)は宅地建物取引業保証協会に加入していた。]Aの権利実行により、還付がなされた場合は、Bは国土交通大臣から通知を受けてから、Cは甲県知事から通知を受けてから、それぞれ2週間以内に不足額を供託しなければならない。×
513-33-3宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、業務停止の処分を受けることがあるが、免許取消しの処分を受けることはない。×
611-38-2Aは、取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは、甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。
707-36-3[宅地建物取引業者Aは、甲県に本店aと支店bを設けて、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を供託して営業]Aは、営業保証金が還付されたため甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けたときは、その日から14日以内に不足額を供託しなければならない。
802-36-4宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、10万円以下の罰金に処せられることがある。×
供託期間の起算点
125-27-4宅地建物取引業者は、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事から、営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなった旨の通知を受けたときは、供託額に不足を生じた日から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。×
208-47-4宅地建物取引業者は、営業保証金が還付されたためその額に不足を生じた場合、不足が生じた日から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。×
306-45-4宅地建物取引業者Aは、Aの営業保証金の還付がなされたときは、その不足額を供託しなければならないが、その供託は、還付がなされれば、その旨の通知がなくても、行わなければならない。×
供託の方法
118-34-4宅地建物取引業者は、取引の相手方の権利の実行により営業保証金の額が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を金銭で供託しなければならない。×
214-44-1営業保証金の供託は、金銭のみならず、一定の有価証券をもって行うこともできるが、営業保証金の不足額の供託は、金銭により行わなければならない。×
301-43-3[宅地建物取引業者Aは、主たる事務所aとその他の事務所b及びcの3事務所を設けて、B県知事から、平成元年4月1日宅地建物取引業の免許を受けた。]Aは、2,000万円を供託して届け出た後、a、b及びcで業務を開始したところ、Aと宅地建物取引業に関し取引をしたCが、その取引により生じた1,000万円の債権に関し、Aの供託した営業保証金から弁済を受けたので、Aは、営業保証金の不足額を供託する代わりに、b及びcの業務を停止した。×
監督処分・罰則
120-34-4[宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県内に本店Xと支店Yを設置して、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を営業保証金として供託して営業している。]Aは、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、その旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、免許取消の処分を受けることがある。
213-33-3宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、業務停止の処分を受けることがあるが、免許取消しの処分を受けることはない。×
302-36-4宅地建物取引業者は、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったときは、通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、10万円以下の罰金に処せられることがある。×
免許権者への届出
128-40-2[宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。]Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。×
216-35-4[宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が本店と2つの支店を有する場合、]Aは営業保証金の還付がなされ、甲県知事から政令で定める額に不足が生じた旨の通知を受け、その不足額を供託したときは、2週間以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。

4 正しい

宅建業者は、保証協会の社員になったことにより、営業保証金を供託することを要しなくなったときは、供託した営業保証金を取りもどすことができる(宅地建物取引業法64条の14第1項)。
この場合には、公告手続は不要であるから、「直ちに」取り戻すことができる。

※保証協会に加入しているから、公告手続がなくても、還付請求権者に不利益を及ぼさない。

【公告不要で営業保証金が取り戻せるケース】

  1. 主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変更した場合(宅地建物取引業法30条2項カッコ書き)
  2. 営業保証金を取りもどすことができる事由発生から10年経過した場合(宅地建物取引業法30条2項ただし書き)
  3. 保証協会の社員となった場合(宅地建物取引業法64条の14第1項)
■類似過去問
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営業保証金の取戻し(公告が不要なケース)(宅建業法[06]4(2))
 年-問-肢内容正誤
主たる事務所移転時
128-40-4本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。×
事由発生から10年経過時
123-30-4廃業により免許が効力を失った後、取引が結了した場合、廃業から10年経過していれば、公告なしで営業保証金を取り戻すことができる。×
保証協会加入
1R01-33-2保証協会の社員となった宅地建物取引業者が、保証協会に加入する前に供託していた営業保証金を取り戻すときは、還付請求権者に対する公告をしなければならない。
×
222-31-4宅地建物取引業者は、宅地建物取引業保証協会の社員となった後において、社員となる前に供託していた営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
309-35-2(宅地建物取引業者Aが保証協会に加入している。)Aは、保証協会加入前に供託していた営業保証金を取り戻す場合、還付請求権者に対する公告をした旨を甲県知事に届け出なければならない。×
407-36-4宅地建物取引業者は、宅地建物取引業保証協会の社員となったときは、還付請求権者に対する公告をせず、直ちに営業保証金を取り戻すことができる。
503-48-4宅地建物取引業者は、保証協会の社員になったことにより営業保証金を供託することを要しなくなった場合において、当該営業保証金の取戻しをしようとするときは、6月を下らない一定の期間内に債権の申出をすべき旨の公告をしなければならない。×
601-43-4(宅地建物取引業者Aは、主たる事務所aとその他の事務所b及びcの3事務所を設けて、免許を受けた。)Aは、2,000万円を供託して届け出た後、a、b及びcで業務を開始したが、その後宅地建物取引業保証協会の社員となったので、直ちに、営業保証金として供託していた2,000万円を取り戻した。

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