【宅建過去問】(平成07年問37)業務上の規制
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、他の宅地建物取引業者に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせ、又は宅地建物取引業を営む目的をもってする広告をさせてはならない。
- 宅地建物取引業の免許を受けようとして免許申請中の者は、免許を受けた場合の準備のためであれば、宅地建物取引業を営む予定である旨の表示をし、又は営む目的をもって広告をすることができる。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業を営まなくなった後においても、本人の承諾のある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
- 宅地建物取引業者が宅地建物取引業以外の事業を併せて営もうとする場合は、その事業の種類について免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出た後でなければ、当該事業を開始してはならない。
正解:1
2 正しい
宅建業者は、自己の名義をもって、他人に、宅建業を営む旨の表示をさせ、又は宅建業を営む目的をもつてする広告をさせてはならない(宅地建物取引業法13条2項)。
※もちろん、自己の名義をもって、他人に宅地建物取引業を営ませることも禁止されている(同法同条1項)。
■類似過去問
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名義貸しの禁止(宅建業法[01]6(2))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-26-1 | 宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、他人に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせてはならないが、宅地建物取引業を営む目的をもってする広告をさせることはできる。 | × |
2 | 22-28-3 | 自己の名義をもって他人に宅建業を営ませる行為は、その他人が免許を受けているとしても、名義貸しに該当する。 | ◯ |
3 | 08-50-3 | 甲県知事免許の宅建業者Aが乙県知事免許の宅建業者Bの名義でマンションの分譲の広告をしたとき、甲県知事は、Aに対し必要な指示をすることができる。 | ◯ |
4 | 07-37-1 | 宅建業者は、自己の名義をもって、他の宅建業者に、宅建業を営む旨の表示をさせ、又は宅建業を営む目的をもってする広告をさせてはならない。 | ◯ |
5 | 04-49-3 | 自己の名義をもって他人に宅建業を営ませた場合、その他人が免許を受けた者であっても、罰則の適用を受けることがある。 | ◯ |
2 誤り
宅建業の免許を受けていない者は宅建業を営むことができないし、宅建業を営む旨の表示をしたり、宅建業の広告をすることもできない(宅地建物取引業法12条)。
※「免許申請中」であることを明示したとしても、許されるはずがない。
■類似過去問
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無免許事業等の禁止(宅建業法[01]6(1))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-26-3 | 宅地建物取引業の免許を受けていない者が営む宅地建物取引業の取引に、宅地建物取引業者が代理又は媒介として関与していれば、当該取引は無免許事業に当たらない。 | × |
2 | R01-26-4 | 宅地建物取引業者の従業者が、当該宅地建物取引業者とは別に自己のために免許なく宅地建物取引業を営むことは、無免許事業に当たる。 | ◯ |
3 | 29-36-2 | Bは、新たに宅地建物取引業を営むため免許の申請を行った。この場合、Bは、免許の申請から免許を受けるまでの間に、宅地建物取引業を営む旨の広告を行い、取引する物件及び顧客を募ることができる。 | × |
4 | 26-27-4 | 免許申請中の者が広告を行った場合でも、売買契約の締結を免許取得後に行うのであれば、宅建業法に違反しない。 | × |
5 | 22-28-4 | 免許取得・供託完了後、供託届出前の広告は無免許事業。 | × |
6 | 20-32-1 | 「免許申請中」を明示すれば広告は可能。 | × |
7 | 15-30-4 | 宅建士Eが、E名義で賃貸物件の媒介を反復継続して行う場合、Eが宅地建物取引業者Fに勤務していれば、Eは免許を受ける必要はない。 | × |
8 | 07-37-2 | 宅建業の免許申請中の者は、免許を受けた場合の準備のためであれば、宅建業を営む予定である旨の表示をし、又は営む目的をもって広告をすることができる。 | × |
9 | 06-49-4 | 宅建業者が免許を取り消された場合でも、取消し前に締結した宅地の売買契約に基づき行う債務の履行については、無免許事業の禁止規定に違反しない。 | ◯ |
10 | 04-49-4 | 宅建業者でない者は、宅建業の免許を受けないで宅建業を営んだ場合はもとより、その旨の表示をした場合も罰則の適用を受けることがある。 | ◯ |
3 誤り
宅建業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。この義務は、宅建業の廃業後も免除されない(宅地建物取引業法45条)。
「正当な理由がある場合」の代表例は、以下のようなものである(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)。
- 法律上秘密事項を告げる義務がある場合(例:裁判の証人として証言を求められたとき、税務署等の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたとき)
- 取引の相手方に真実を告げなければならない場合
- 依頼者本人の承諾があった場合
- 他の法令に基づく事務のための資料として提供する場合
必ずしも、「本人の承諾のある場合」に限られるわけではない。
■類似過去問
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宅建業者の守秘義務(宅建業法[09]6)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-27-ウ | 宅地建物取引業者は、いかなる理由があっても、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。 | × |
2 | 24-40-イ | 個人情報取扱事業者でなければ守秘義務なし。 | × |
3 | 19-36-3 | 秘密を守る義務に違反した場合、業務停止・罰則の対象となる。 | ◯ |
4 | 16-45-2 | 宅建業者は守秘義務を負い、その従業員も、専任の宅建士でなくとも、守秘義務を負う。 | ◯ |
5 | 13-45-ア | 正当な理由なく秘密を漏らすことは宅建業法で禁止されていない。 | × |
6 | 09-30-4 | 取引関係者から従業者名簿の閲覧を求められたが、守秘義務を理由に、申出を断った場合、宅建業法に違反しない。 | × |
7 | 07-37-3 | 宅建業者は、宅建業を営まなくなった後においても、本人の承諾のある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。 | × |
4 誤り
「宅建業以外の事業を行なっているときは、その事業の種類」は、宅建物業者名簿の記載事項に含まれているが(宅地建物取引業法8条2項8号、同法施行規則5条2号)、変更の際に届出が必要な事項の中には含まれていない(宅地建物取引業法9条参照)。
したがって、宅建業者があらたに宅建業以外の事業を始める場合であっても、それについて届出をする必要はない(もちろん、「届出ないと事業を開始できない」という制限もありえない)。
■類似過去問
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変更の届出(兼業の種類)(宅建業法[04]1(3))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 29-36-3 | 宅地建物取引業者Cは、宅地又は建物の売買に関連し、兼業として、新たに不動産管理業を営むこととした。この場合、Cは兼業で不動産管理業を営む旨を、免許権者である国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。 | × |
2 | 21-28-4 | 建設業を営むことになった場合→変更の届出が必要 | × |
3 | 07-37-4 | 宅建業以外の事業を併営する場合→変更の届出が必要 | × |
4 | 03-38-2 | 建設業を営むことになった場合→変更の届出が必要 | × |
5 | 02-41-3 | 宅建業以外の事業の種類の変更→変更の届出が必要 | × |
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