【宅建過去問】(平成11年問40)広告・契約時期の制限
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、建物を販売する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
- Aは、建物を新築するため建築確認の申請中であったので、「建築確認申請済」と表示して、その建物の販売に関する広告を行い、販売の契約は建築確認を受けた後に締結した。
- Aが、建物を新築するため建築確認の申請中であったので、宅地建物取引業者Bに対し、その建物を販売する契約の予約を締結した。
- Aは、中古の建物を、その所有者Cから停止条件付きで取得する契約を締結し、当該条件の未成就のまま、その建物を宅地建物取引業者Dに対し販売する契約を締結した。
- Aは、都道府県知事から業務の全部の停止を命じられ、その停止の期間中に建物の販売に関する広告を行ったが、販売の契約は当該期間の経過後に締結した。
正解:3
1 違反する
宅地造成・建物建築に関する工事の完了前においては、開発許可・建築確認があった後でなければ、宅地・建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない(宅地建物取引業法33条)。
「建築確認申請中」である旨を明示したとしても、広告を開始することはできない。
※販売の契約が建築確認後であっても、結論に変わりはない。
■類似過去問
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広告開始時期の制限(宅建業法[09]2(1)(2))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-30-ア | 建築基準法第6条第1項に基づき必要とされる確認を受ける前において、建築工事着手前の賃貸住宅の貸主から当該住宅の貸借の媒介を依頼され、取引態様を媒介と明示して募集広告を行った。 | × |
2 | R01-30-エ | 建築工事着手前の分譲住宅の販売において、建築基準法第6条第1項に基づき必要とされる確認を受ける前に、取引態様を売主と明示して当該住宅の広告を行った。 | × |
3 | 30-26-3 | 建築基準法第6条第1項の確認を申請中の建物については、当該建物の売買の媒介に関する広告をしてはならないが、貸借の媒介に関する広告はすることができる。 | × |
4 | 28-32-1 | 宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行うことができる。 | ◯ |
5 | 28-32-2 | 新築マンションを分譲するに当たり、建築確認申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した。 | × |
6 | 27-37-2 | 建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として建物を販売する広告をすることができる。 | × |
7 | 27-37-3 | 建築確認を受けた後でなければ、建物の貸借の代理を行う旨の広告をしてはならない。 | ◯ |
8 | 26-30-1 | 建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。 | × |
9 | 25-32-ア | 建築確認前の賃貸住宅の貸主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。 | × |
10 | 25-32-エ | 建築確認前の建売住宅の売主から媒介を依頼された場合、取引態様を明示すれば広告ができる。 | × |
11 | 24-28-イ | 建築確認申請中の建物について、貸借の媒介の依頼を受けた場合、広告はできない。 | ◯ |
12 | 24-28-エ | 建築確認申請中である旨を表示すれば、広告ができる。 | × |
13 | 23-36-1 | 開発許可・建築確認を受けなければ、売買その他の業務の広告はできない。 | ◯ |
14 | 20-32-2 | 工事完了前は、開発許可・建築確認を申請した後でなければ、売買その他の業務の広告をしてはならない。 | × |
15 | 19-38-2 | 建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。 | ◯ |
16 | 19-38-3 | 開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。 | × |
17 | 17-34-2 | 宅地造成工事の完了検査を受けるまで、広告はできない。 | × |
18 | 16-36-1 | 開発許可を受けていれば、検査済証の交付を受けていなくても、広告ができる。 | ◯ |
19 | 14-32-3 | 「建築確認申請中のため、建築確認を受けるまでは、売買契約はできません」と表示すれば広告ができる。 | × |
20 | 13-34-ウ | 「建築確認を受けることができるのは確実である」旨表示した広告は宅建業法に違反する。 | ◯ |
21 | 12-38-1 | 開発許可を必要とする宅地の分譲をする場合、許可を受ける前であっても、許可申請中である旨表示して、広告することができる。 | × |
22 | 11-40-1 | 「建築確認申請済」と表示して広告を行い、販売の契約は建築確認後に締結した場合、宅建業法に違反しない。 | × |
23 | 10-42-4 | 宅建業者が、広告開始時期の制限に違反した場合、免許権者は、必要な指示ができ、その指示に従わないとき業務停止処分ができる。 | ◯ |
24 | 09-43-2 | 「契約は、建築確認を受けた後に締結」と明記して広告を行った場合、宅建業法に違反する。 | ◯ |
25 | 08-45-1 | 国土法の事前届出をする必要がある場合、届出後でなければ、分譲の広告をしてはならない。 | × |
26 | 08-50-4 | 建築確認を受ける前にマンション分譲の広告をした場合、指示処分の対象になる。 | ◯ |
27 | 06-40-1 | 契約締結時期を建築確認後にするのであれば、「建築確認申請中」であることを表示して広告ができる。 | × |
28 | 06-44-2 | 開発許可取得後に分譲パンフレットを郵送することは宅建業法に違反する。 | × |
29 | 05-42-4 | 建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告した場合、50万円以下の罰金に処せられることがある。 | × |
30 | 04-37-2 | 建築確認を受ける前に「建築確認申請済」と広告し、契約は建築確認後だった場合、宅建業法に違反しない。 | × |
31 | 02-47-1 | 「建築確認前」である旨を表示すれば、販売広告が可能である。 | × |
2 違反する
契約締結時期の制限は、業者間取引にも適用される(宅地建物取引業法36条、宅地建物取引業法78条2項参照)。
したがって、建築確認申請中に売買契約を締結することは、宅建業法に違反する。
※「契約の予約」であったとしても、結論に変わりはない。
■類似過去問
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契約締結時期の制限(宅建業法[09]3)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-35-4 | 宅地建物取引業者Aは、宅地の貸借の媒介に際し、当該宅地が都市計画法第29条の許可の申請中であることを知りつつ、賃貸借契約を成立させた。 | ◯ |
2 | 30-28-ア | 宅地建物取引業者が、買主として、造成工事完了前の宅地の売買契約を締結しようとする場合、売主が当該造成工事に関し必要な都市計画法第29条第1項の許可を申請中であっても、当該売買契約を締結することができる。 | × |
3 | 28-32-2 | 新築マンションを分譲するに当たり、建築確認申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。 | × |
4 | 27-37-1 | 建築確認を受けた後でなければ、貸借の媒介をしてはならない。 | × |
5 | 27-37-4 | 建築確認の申請中は、建築確認を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。 | × |
6 | 26-30-1 | 建築確認前のマンションにつき、売買契約は締結できないが、広告をすることはできる。 | × |
7 | 25-32-イ | 建築確認を受ける前であっても、住宅の貸借の代理をすることができる。 | ◯ |
8 | 25-32-ウ | 建築確認後であれば建築工事完了前であっても、売主と専任媒介契約を締結し、媒介業務を行うことができる。 | ◯ |
9 | 19-38-2 | 建築確認を受ける前においては、マンションの売買の広告も契約締結もできない。 | ◯ |
10 | 19-38-3 | 開発許可を受ける前においては、貸借の広告はできるが、貸借の媒介をすることはできない。 | × |
11 | 19-38-4 | 業者間取引であれば、開発許可を受けていない場合でも、売買契約が可能。 | × |
12 | 19-43-1 | 開発許可を受けていない場合でも、許可を停止条件とする特約を付ければ、売買契約が可能。 | × |
13 | 18-38-2 | 業者間取引であれば、建築確認を受けていない場合でも、売買契約が可能。 | × |
14 | 13-42-3 | 業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約が可能。 | × |
15 | 11-40-2 | 業者間取引であれば、建築確認申請中であっても、売買契約の予約が可能。 | × |
16 | 07-41-3 | 建築工事着手前でも、確認を受けることを停止条件とした売買契約が可能。 | × |
17 | 05-39-2 | AB間の売買契約において、開発許可を受けることを停止条件とする特約がある場合、Aは、その条件が成就するまでの間は、宅地建物取引業者であるCと、売買契約を締結してはならない。 | ◯ |
18 | 04-37-1 | 業者間取引において、建築確認の取得を条件とした売買契約をすることは宅建業法に違反する。 | ◯ |
19 | 04-37-2 | 建売住宅の分譲に際し、「宅地造成完了、建築確認申請済」と表示した広告を出して、その広告を見た者と、建築確認後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。 | × |
3 違反しない
自己の所有に属しない不動産を売るときの規制は、業者間取引には適用されない(宅地建物取引業法33条の2、宅地建物取引業法78条2項)。
したがって、停止条件付の契約しかしていない建物について売買契約を締結しても、宅建業法には違反しない。
■類似過去問
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業者間取引と他人物売買(宅建業法[15]5)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 28-41-3 | 宅建業者Aは、宅建業者でないCが所有する宅地について、自らを売主、宅建業者Dを買主とする売買契約を締結することができる。 | ◯ |
2 | 18-38-3 | 業者間取引で自己の所有に属しない建物の売買契約を締結することは、宅建業法に違反する。 | × |
3 | 17-35-1 | 売買契約済だが未登記の土地を、宅建業者に売却した。 | ◯ |
4 | 15-35-4 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却した。 | ◯ |
5 | 11-40-3 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却したとしても、宅建業法に違反しない。 | ◯ |
6 | 09-45-1 | 売買契約済だが代金を完済していない土地を、宅建業者に売却することができる。 | ◯ |
7 | 09-45-3 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却することができる。 | ◯ |
8 | 06-44-1 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却したとしても、宅建業法に違反しない。 | ◯ |
9 | 05-39-2 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却してはならない。 | × |
10 | 04-37-4 | 停止条件付きで取得する予定の宅地を、宅建業者に売却したとしても、宅建業法に違反しない。 | ◯ |
11 | 03-42-3 | 取得契約も予約もしていない土地を、宅建業者に売却したとしても、宅建業法に違反しない。 | ◯ |
4 違反する
広告も業務の一部であるから、業務全部停止期間中に、販売広告等をすることはできない。
※販売契約が業務停止期間経過後であっても、結論に変わりはない。
■類似過去問
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業務停止期間中の行為(宅建業法[09]2(3))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 28-32-4 | 業務の全部停止処分を受け、停止の期間中に未完成の土地付建物の販売に関する広告を行ったが、売買契約は期間経過後に締結した場合、宅建業法に違反しない。 | × |
2 | 14-32-2 | 業務停止処分の前に印刷した広告の配布活動のみが認められる。 | × |
3 | 12-38-2 | 業務停止期間経過後に契約する宅地については、停止期間中でも広告することができる。 | × |
4 | 11-40-4 | 業務停止期間中に広告を行ったが、販売契約は期間経過後に締結した場合、宅建業法に違反しない。 | × |
5 | 05-42-3 | 業務停止処分を受けた場合、宅地建物の販売はできないが、処分期間経過後の販売に関し、あらかじめ広告をすることはできる。 | × |
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