【宅建過去問】(平成12年問37)専任媒介契約
宅地建物取引業者Aが、B所有地の売買の媒介の依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 当該契約には、Bが、他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を定めなければならない。
- Aは、Bの申出に基づき、「契約の有効期間を6月とする」旨の特約をしたときでも、その期間は3月(専属専任媒介契約にあっては、1月)となる。
- 「当該B所有地についての売買すべき価額は指定流通機構への登録事項とはしない」旨の特約をしたときは、その特約は無効である。
- Aは、Bに対し、当該契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約にあっては、1週間に1回以上)報告しなければならない。
正解:2
通常の専任媒介契約と専属専任媒介契約との異同をまずまとめておく。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
契約の本質 | 他の業者に重ねて依頼不可 | +依頼者自らが相手方を探すこと不可 |
業務処理の 報告義務 |
2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構 への登録 |
7日以内 | 5日以内 |
契約の 有効期間 |
3ヶ月以内 | |
契約の更新 | 依頼者から申出があったときのみ可 | |
契約の成立後 | 遅滞なく指定流通機構に通知 |
1 正しい
専任媒介契約を締結した場合には、「依頼者が他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置」を媒介契約書面に記載しなければならない(宅地建物取引業法34条の2第1項7号、規則15条の7第1号)。
■類似過去問
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媒介契約書の記載事項(依頼者の契約違反に対する措置)(宅建業法[10]3(1)⑦)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 30-33-4 | [宅地建物取引業者Aは、Bから、Bが所有し居住している甲住宅の売却について媒介の依頼を受けた。]AとBの間で専任媒介契約を締結した場合、Aは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、BがA以外の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置について記載しなければならない。 | ◯ |
2 | 26-32-エ | [明示型の一般媒介契約]明示した以外の宅建業者の媒介・代理によって売買の契約を成立させたときの措置を媒介契約書に記載しなければならない。 | ◯ |
3 | 22-34-4 | [専属専任媒介契約]取り決めがなければ、記載する必要はない。 | × |
4 | 12-37-1 | [専任媒介契約]顧客が、他の宅建業者の媒介・代理によって売買・交換の契約を成立させたときの措置を定めなければならない。 | ◯ |
5 | 11-37-3 | [専属専任媒介契約]業者間取引でも記載が必要。 | ◯ |
6 | 11-37-4 | [専属専任媒介契約]「売買価格の3%が違約金」という特約は無効。 | × |
7 | 09-36-2 | [専任媒介契約]依頼者が宅建業者である場合でも、他の宅建業者の媒介・代理によって売買・交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならない。 | ◯ |
2 誤り
専任媒介契約の有効期間は3ヶ月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、契約期間が3ヶ月であることになる(宅地建物取引業法34条の2第3項)。
これは、専属専任媒介契約であっても同じである。
1ヶ月になるわけではない。
■類似過去問
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専任媒介契約(有効期間)(宅建業法[10]4(1))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | R01-31-イ | [宅地建物取引業者Aが、BからB所有の既存のマンションの売却に係る媒介を依頼され、Bと専任媒介契約を締結した。]AがBとの間で有効期間を6月とする専任媒介契約を締結した場合、その媒介契約は無効となる。 | × |
2 | 29-43-イ | 専任媒介契約の有効期間は、3月を超えることができず、また、依頼者の更新しない旨の申出がなければ自動更新とする旨の特約も認められない。ただし、依頼者が宅地建物取引業者である場合は、依頼者との合意により、自動更新とすることができる。 | × |
3 | 26-32-ウ | 有効期間を3月とする専任媒介契約を締結した場合、期間満了前に依頼者から更新をしない旨の申出がない限り、自動的に更新される。 | × |
4 | 22-33-3 | 一般媒介契約で、依頼者から有効期間6月との申出があっても、3月を超える有効期間を定めてはならない。 | × |
5 | 17-36-ア | 専任媒介契約で、依頼者の申出により有効期間6カ月と定めると、契約は全て無効。 | × |
6 | 14-34-3 | 専任媒介契約で、3月超の期間を定めた場合、3月とされる。 | ◯ |
7 | 12-37-2 | 専任媒介契約で、依頼者の申出に基づき、「契約の有効期間を6月とする」旨の特約をしたときでも、その期間は3月(専属専任媒介契約にあっては、1月)となる。 | × |
8 | 08-48-1 | 専任媒介契約で、有効期間1年と定めた場合、期間の定めのない契約となる。 | × |
9 | 06-47-3 | 専任媒介契約で、有効期間2月とすることはできるが、100日とすることはできない。 | ◯ |
10 | 04-39-3 | 専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができない。 | ◯ |
11 | 03-44-2 | 専任媒介契約で、有効期間6月と定めた場合、3月とされる。 | ◯ |
3 正しい
専任媒介契約を締結した場合は、指定流通機構に登録して契約の相手方を探索することが義務づけられている(宅地建物取引業法34条の2第5項)。
(専属専任媒介契約でも同じ。)
これに反する特約は無効である(宅地建物取引業法34条の2第10項)。
■類似過去問
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指定流通機構への登録(登録事項)(宅建業法[10]4(3)②)
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
1 | 27-28-イ | 「依頼者の氏名」も、登録事項である。 | × |
2 | 21-32-1 | 「登記された権利の種類・内容」も、登録事項である。 | × |
3 | 12-37-3 | 「売買すべき価額を登録事項としない」旨の特約は無効である。 | ◯ |
4 | 10-35-1 | 「宅地の所在・規模・形質」は、登録事項に該当しない。 | × |
5 | 10-35-2 | 「所有者の氏名・住所」は、登録事項に該当しない。 | ◯ |
6 | 10-35-3 | 「売買すべき価額」は、登録事項に該当しない。 | × |
7 | 10-35-4 | 「法令に基づく制限で主要なもの」は、登録事項に該当しない。 | × |
4 正しい
専属でない専任媒介契約の場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上、、業務処理の状況を報告しなければならない(宅地建物取引業法34条の2第9項)。
■類似過去問
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業務処理状況の報告(宅建業法[10]4(4))
年-問-肢 | 内容 | 正誤 | |
---|---|---|---|
専任媒介契約 | |||
1 | R01-31-ウ | [宅地建物取引業者Aが、BからB所有の既存のマンションの売却に係る媒介を依頼され、Bと専任媒介契約を締結した。]Bが宅地建物取引業者である場合、Aは、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況の報告をする必要はない。 | × |
2 | 29-43-ア | 専任媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業者は、2週間に1回以上、業務の処理状況を依頼者に報告しなければならないが、これに加え、当該中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。 | ◯ |
3 | 27-30-エ | 宅地建物取引業者は、専任媒介契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。 | ◯ |
4 | 21-32-3 | 専任媒介契約の場合、「休業日を除き14日に1回報告する」という特約は有効。 | × |
5 | 16-39-4 | 専任媒介契約の場合、「5日に1度報告する」という特約は無効。 | × |
6 | 14-34-4 | 専任媒介契約の場合、「20日に1回以上報告する」という特約は有効。 | × |
7 | 12-37-4 | 専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上の報告が必要。 | ◯ |
8 | 03-44-3 | 専任媒介契約の場合、「10日に1回以上報告する」という特約は有効。 | ◯ |
9 | 01-46-1 | 専任媒介契約の場合、「報告日は毎日15日」という特約は有効。 | × |
専属専任媒介契約 | |||
1 | 24-29-2 | 電子メールでの報告は不可。 | × |
2 | 17-36-イ | 専属専任媒介の場合、2週間に1回以上報告しなければならない。 | × |
3 | 12-37-4 | 専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上の報告が必要。 | ◯ |
4 | 10-45-4 | 専属専任媒介契約の場合、「10日に1回以上報告する」という特約は有効。 | × |
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