【宅建過去問】(平成13年問15)区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。
  2. 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更、又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。
  3. 管理者は、規約の定め又は集会の決議があっても、その職務に関し区分所有者のために、原告又は被告となることができない。
  4. 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

正解:4

1 誤り

最初に建物の専有部分の全部を所有する者(マンションの分譲業者など)は、公正証書により、以下の事項に関する規約を設定することができる(区分所有法32条)。

「共用部分の持分割合を定める規約」は上の事項に含まれていないため、これに関する規約を設定することはできない。

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公正証書による規約の設定(区分所有法[03]2)
年-問-肢内容正誤
1R03s-13-2最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分(数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分)の規約を設定することができる。×
2H21-13-4他の区分所有者から区分所有権を譲り受け、建物の専有部分の全部を所有することとなった者は、公正証書による規約の設定を行うことができる。×
3H19-15-2最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる。
4H13-15-1最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。×
5H02-14-2規約は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議でのみ設定することができ、最初に建物の専有部分の全部を所有する分譲業者は、規約を設定することはできない。×

2 誤り

一部共用部分に関する事項について、区分所有者全員で規約を設定・変更・廃止する場合、一部共用部分を共用する区分所有者の1/4を超える者または議決権の1/4を超える議決権を有する者が反対したときにはすることができない(区分所有法31条2項)。
1/4超が反対しなければよいのであって、「全員の承諾」を得る必要はない。

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規約の設定・変更・廃止(区分所有法[03]1)
年-問-肢内容正誤
1R05-13-4一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8人である場合、3人が反対したときは変更することができない。
2H30-13-1規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない。×
3H13-15-2一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更、又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全員の承諾を得なければならない。×
4H07-14-4規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で、その区分所有者の承諾を得られないときは、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議を行うことにより、規約の変更ができる。×
5H06-14-3建物の管理に要する経費の負担については、規約で定めることができ、規約の設定は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によってなされる。
6H02-14-2規約は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議でのみ設定することができ、最初に建物の専有部分の全部を所有する分譲業者は、規約を設定することはできない。×

3 誤り

管理者は、規約または集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために原告または被告となることができる(区分所有法26条4項)。

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管理者の権限(区分所有法[02]2(3))
年-問-肢内容正誤
1R04-13-1管理者は、規約により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、その旨を各区分所有者に通知しなくてよい。×
2H24-13-3管理者は、その職務に関して区分所有者を代理するため、その行為の効果は、規約に別段の定めがない限り、本人である各区分所有者に共用部分の持分の割合に応じて帰属する。
3H13-15-3管理者は、規約の定め又は集会の決議があっても、その職務に関し区分所有者のために、原告又は被告となることができない。×
4H12-13-4管理者をその職務に関し区分所有者のために原告又は被告とする場合は、集会の決議の方法で決することが必要で、規約によっても、それ以外の方法による旨定めることはできない。×

4 正しい

管理者は少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない(区分所有法34条1項・2項)。
招集の通知は、集会日の1週間前までに区分所有者に発するのが原則であるが(区分所有法35条1項)、区分所有者全員の同意があるときは、招集手続を経ないで開くことも可能である(区分所有法36条)。

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集会の招集(区分所有法[04]1(1)(2))
年-問-肢内容正誤
1R04-13-2管理者がないときは、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
2H29-13-1管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
3H29-13-2区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は規約で減ずることはできない。×
4H21-13-1管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。また、招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
5H20-15-1管理者は、少なくとも毎年2回集会を招集しなければならない。また、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、集会の招集を請求することができる。×
6H13-15-4管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
7
H10-13-1区分所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有する者は、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は、規約によって減ずることができる。
招集手続の省略(区分所有法[04]1(4))
年-問-肢内容正誤
1R05-13-2集会は、区分所有者の4分の3以上の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。×
2H29-13-4集会は、区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ないで開くことができる。
3H20-15-2集会は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開くことができる。×
4H13-15-4管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないが、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

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