【宅建過去問】(平成18年問23)盛土規制法


宅地造成及び特定盛土等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとする。

  1. 宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、法第12条第1項の工事の許可を受けなければならない場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
  2. 宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項の工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
  3. 都道府県知事は、法第12条第1項の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、許可の処分をしたときは許可証を交付し、不許可の処分をしたときは文書をもってその旨を通知しなければならない。
  4. 都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、土地の所有者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。

正解:1

1 誤り

宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、高さが2mを超える擁壁又は地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする者は、工事に着手する日の14日前までに、知事に届け出なければなりません(盛土規制法21条3項、令26条1項)。
本肢は、「工事に着手する日まで」とする点が誤りです。

■参照項目&類似過去問
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工事等の届出(高さ2m超の擁壁or排水施設の除却工事を行おうとする者)(盛土規制法[02]3(2))
年-問-肢内容正誤
1R05-19-4宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、雨水その他の地表水又は地下水を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となる。
2R04-19-1宅地造成等工事規制区域内において、雨水その他の地表水又は地下水を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となる。
3H29-20-4
宅地造成等工事規制区域内において、政令で定める技術的基準を満たす地表水等を排除するための排水施設の除却工事を行おうとする場合は、一定の場合を除き、都道府県知事への届出が必要となるが、当該技術的基準を満たす必要のない地表水等を排除するための排水施設を除却する工事を行おうとする場合は、都道府県知事に届け出る必要はない。×
4H28-20-3
宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、高さが2mを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
5H22-20-3宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、地表水等を排除するための排水施設の除却の工事を行おうとする者は、宅地造成等に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。×
6H20-22-2宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、高さが3mの擁壁の除却工事を行う場合には、宅地造成及び特定盛土等規制法に基づく都道府県知事の許可が必要な場合を除き、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならず、届出の期限は工事に着手する日の前日までとされている。×
7H18-23-1宅地造成等工事規制区域内の土地(公共施設用地を除く。)において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、法第12条第1項の工事の許可を受けなければならない場合を除き、工事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。×

2 正しい

宅地造成又は特定盛土等の許可を受けた工事が完了した場合、工事主は、知事の検査を受けなければなりません(盛土規制法17条1項)。

※工事が検査に合格した場合、知事は、工事主に対して検査済証を交付します(盛土規制法17条2項)。

完了検査

■参照項目&類似過去問
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完了検査(盛土規制法[02]2(3)①)
年-問-肢内容正誤
1R02s-19-4宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項本文の許可を受けた宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を申請しなければならない。
2H24-20-1宅地造成又は特定盛土等工事規制区域内において行われる宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を受けなければならない。
3H18-23-2宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項の工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
4H17-24-3工事主は、宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項の許可を受けた宅地造成又は特定盛土等に関する工事を完了した場合、都道府県知事の検査を受けなければならないが、その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない。×
5H08-26-4宅地造成等工事規制区域内において許可を受けて行われた宅地造成又は特定盛土等に関する工事が検査に合格した場合、都道府県知事は、工事主に対して検査済証を交付しなければならない。
6H07-25-4工事主は、都道府県知事の許可を受けた宅地造成等工事規制区域内の宅地造成又は特定盛土等に関する工事を完了した場合においては、一定の技術的基準に従い必要な措置が講じられているかどうかについて、都道府県知事の検査を申請しなければならない。
7H06-25-3宅地造成等工事規制区域内の宅地を購入した者は、都道府県知事の検査を申請しなければならない。×
8H01-25-2工事主は、宅地造成等工事規制区域内において宅地造成又は特定盛土等に関する工事を完了したときは、その工事が技術的基準に適合しているかどうかについて、市町村長の検査を申請しなければならない。×

3 正しい

知事は、宅地造成等工事の許可の申請があったときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分をする必要があります(盛土規制法14条1項)。
知事は、許可の処分をしたときは許可証を交付し、不許可の処分をしたときは文書でその旨を伝えなければなりません(同条2項)。

■参照項目&類似過去問
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許可証の交付・不許可の通知(盛土規制法[02]2(1)②(a))
年-問-肢内容正誤
1R03-19-2都道府県知事は、宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項本文の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、許可の処分をしたときは許可証を交付し、不許可の処分をしたときは文書をもってその旨を通知しなければならない。
2H18-23-3都道府県知事は、法第12条第1項の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、許可の処分をしたときは許可証を交付し、不許可の処分をしたときは文書をもってその旨を通知しなければならない。

4 正しい

宅地造成等に伴う災害防止のため必要がある場合、知事は、土地の所有者・管理者・占有者・工事主・工事施行者に対して、擁壁等の設置や改造など宅地造成等に伴う災害の防止のため必要な措置を勧告することができます(盛土規制法22条2項)。

■参照項目&類似過去問
内容を見る
勧告(盛土規制法[02]4(2)①)
年-問-肢内容正誤
1R05-19-3都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。
2H27-19-1都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害を防止するために必要があると認める場合には、その土地の所有者に対して、擁壁等の設置等の措置をとることを勧告することができる。
3H25-19-4都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、その土地の所有者、管理者、占有者、工事主又は工事施行者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。
4H18-23-4都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認める場合においては、土地の所有者に対し、擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。
5H06-25-4宅地造成等工事規制区域内の土地を購入した者は、宅地造成等に伴う災害の防止のため、都道府県知事から、必要な措置をとるよう勧告を受けることがあるほか、擁壁の改善等の工事を行うことを命ぜられることがある。
6H02-25-4都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、宅地造成等に伴う災害の防止のため必要があると認めるときは、その土地の占有者に対し、災害防止のため必要な措置をとることを勧告することができる。

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【宅建過去問】(平成18年問23)盛土規制法” に対して2件のコメントがあります。

  1. より:

    類似過去問が用意されていない肢は飛ばしても大丈夫なのでしょうか。
    今までは類似過去問が用意されていない肢も何回も解いていましたが、試験も近いので解かない方が良いかと思って質問しました。

    1. 家坂 圭一 より:

      智様

      ご質問ありがとうございます。

      類似過去問が存在する選択肢については、その一覧表を表示しています。
      「類似過去問がない。」ということは、その出題が唯一の出題であるという意味です。

      時間や脳の容量に余裕があれば、1回しか出題のない選択肢も勉強したほうがいいのは当然です。
      そうでない限り、このような選択肢は、「勉強不要」と考えるべきだと思います。

      もちろん、「今後出題されない」とか「今年は出題されない」という意味ではありません。
      あくまで確率論として、「過去の出題が少ない=今後の出題確率も低い」と考えています。

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