【宅建過去問】(平成23年問09)【問題不成立】売主の瑕疵担保責任(判決文の読取り問題)

【注意】

本問で出題されている判決文(最判平22.06.17)は、令和2年改正前の民法が採用していた瑕疵担保責任を巡るものです。しかし、現在の民法は、契約不適合担保責任という、かなり違ったアプローチをしています。この判決文を勉強しても、今後の試験の対策にはならないわけです。判決文をベースにした問題ですから、文章を書き換えるわけにもいきません。ここでは、参考のため、出題当時の姿のままで掲載しました。


次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、明らかに誤っているものはどれか。

(判決文)
売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において、当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには、上記建物の買主がこれに居住していたという利益については、当該買主からの工事施工者等に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできないと解するのが相当である。

  1. 売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合、買主は、工事施工者に対して損害賠償請求をすることができる。
  2. 売買の目的物である新築建物に、建て替えざるを得ないような重大な隠れた瑕疵があって契約の目的を達成できない場合には、買主は売買契約を解除することができる。
  3. 売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、当該建物が現実に倒壊していないのであれば、買主からの工事施工者に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において、買主の居住利益が損害額から控除される。
  4. 売買の目的物である新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、同建物が社会通念上社会経済的な価値を有しないと評価すべきものである場合、買主が当該建物に居住したまま工事施工者に対して建て替え費用相当額を請求しても、買主の居住利益が損害額から控除されることはない。

正解:3


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【宅建過去問】(平成23年問09)【問題不成立】売主の瑕疵担保責任(判決文の読取り問題)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 早寝早起き朝ごはん より:

    肢2では「建て替えざるを得ないような重大な隠れた瑕疵があって契約の目的を達成できない場合には、買主は売買契約を解除することができる」とあり、正しい肢とされていますが、契約の目的物が建物等土地の工作物である場合には解除できないというものと矛盾していないでしょうか。

    0
    1. 家坂 圭一 より:

      早寝早起き朝ごはん様

      御質問ありがとうございます。

      「売買契約における売主の瑕疵担保責任」
      「請負契約における請負人の瑕疵担保責任」

      の2つを混同されているように思います。

      請負契約の場合、瑕疵のために契約目的を達成できない場合でも、土地の工作物については契約の解除が許されません(民法635条)。これは、せっかくできあがった建物を取り壊すのは、社会経済的に損失である、という理由に基づきます。
      一方、売買契約の場合、契約を解除したとしても、その建物を売主に返還するだけで、取り壊すわけではありません。社会経済的な損失を考える必要がないので、建物その他の土地の工作物についても、契約の解除が可能です(同法570条、566条1項)。
      本問は、売買契約に関する問題です。従って、契約の解除が可能です。

      売買契約と請負契約のそれぞれについて【講義編】の参照ページを挙げておきます。
      こちらで御確認ください。
      【講義編】民法[27]売買契約
      【講義編】民法[31]請負契約

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