【宅建過去問】(平成23年問17)都市計画法


都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

  1. 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議しなければならないが、常にその同意を得ることを求められるものではない。
  2. 市街化調整区域内において生産される農産物の貯蔵に必要な建築物の建築を目的とする当該市街化調整区域内における土地の区画形質の変更は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
  3. 都市計画法第33条に関する開発許可の基準のうち、排水施設の構造及び能力についての基準は、主として自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為に対しては適用されない。
  4. 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為は、当該開発行為が市街化調整区域内において行われるものであっても都道府県知事の許可を受けなくてよい。

正解:4

1 誤り

開発許可を申請しようとする者は、開発許可を申請する前にあらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得る必要があります(都市計画法32条1項)。
協議するだけでは足りません。同意を得ることが要求されます。

※開発行為により設置される公共施設については、「協議」が必要ですが、同意までは求められていません(同条2項)。

■類似過去問
内容を見る
開発行為に関係がある公共施設の管理者(都市計画法[06]3(2)②)
 年-問-肢内容正誤
123-17-1あらかじめ協議が必要、同意は不要。×
220-19-2開発許可取得後、開発行為完了前に協議・同意。×
316-18-4開発許可取得後、開発行為着手前に協議・同意。×
411-19-2協議し、同意を得たことを証する書面の提出が必要。
510-19-1あらかじめ協議し、同意を得る必要。
604-19-2あらかじめ協議し、協議の経過を示す書面を申請書に添付しなければならない。×

2 誤り

■農林漁業用建築物

市街化区域以外の区域において、農林漁業用の建築物又は農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為については、面積を問わず、開発許可は不要です(都市計画法29条1項2号、2項1号)。

ここでいう「農林漁業用の建築物」とは、以下のものをいいます。
(1). 農林水産物の生産・集荷の用に供する建築物(畜舎、温室など)
(2). 農林漁業の生産資材の貯蔵・保管の用に供する建築物(サイロ、農機具収納施設など)
本肢で出題されているのは、「農産物の貯蔵に必要な建築物」です。これは、(1)にも(2)にも該当しません。したがって、「農林漁業用の建築物」として、例外扱いを受けることはできません。

■許可不要の小規模開発

続いて面積要件をチェックします。しかし、市街化調整区域においては、「一定規模未満の開発行為は許可不要」という一律の基準は設定されていません(同法29条1項1号参照)。
したがって、いかに小規模の開発であっても、開発許可が必要です。

■類似過去問
内容を見る
開発許可:農林漁業関連(都市計画法[06]2(2))
 年-問-肢内容正誤
区域を問わない
113-18-2区域に関わらず/農家の居住用建物→開発許可が不要。×
市街化区域
1R01-16-2市街化区域において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的とした1,500㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
×
229-17-2市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
326-16-イ市街化区域/農林漁業者の居住用建物/1,200㎡→開発許可が必要。
424-17-ウ市街化区域/農家の居住用建物/1,500㎡→開発許可が必要。
519-20-ウ市街化区域/農家の居住用建物/1,500㎡→開発許可が不要。×
618-19-1市街化区域/農家の居住用建物/1,000㎡→開発許可が必要。
717-18-1市街化区域/農家の居住用建物→開発許可が必要となる場合がある。
814-19-1市街化区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。×
914-19-2市街化区域/農業用建築物→開発許可が不要。×
1009-18-2市街化区域/農家の居住用建物/1,000㎡以上→開発許可が不要。×
1105-18-3市街化区域/畜舎/1,100㎡→開発許可が必要。
市街化調整区域
123-17-2市街化調整区域/農産物貯蔵施設→開発許可が不要。×
215-18-1市街化調整区域/農産物加工施設/500㎡→開発許可が不要。×
312-20-2市街化調整区域/農産物加工施設→開発許可が不要。×
410-18-4市街化調整区域/農家の居住用建物→開発許可が必要。×
506-19-2市街化調整区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。
604-20-4市街化調整区域/農家の居住用建物→開発許可が必要。×
非線引き区域
111-18-4区域区分の定めがない都市計画区域/農家の居住用建物→開発許可が不要。
準都市計画区域
130-17-4準都市計画区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的とした1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。×
開発許可:面積要件(都市計画法[06]2(3))
 年-問-肢内容正誤
市街化区域
1R01-16-2
市街化区域において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的とした1,500㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
×
229-17-2
市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
326-16-イ
市街化区域において、農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる1,200㎡の開発行為を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
425-16-3
市街化区域において行う開発行為で、市町村が設置する診療所の建築の用に供する目的で行うものであって、開発行為の規模が1,500m2であるものについては開発許可は必要である。
524-17-ウ
市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為については開発許可は必要である。
621-17-2市街化区域内の土地において、700㎡の開発行為を行おうとする場合に、都道府県知事の許可が必要となる場合がある。
718-19-1
市街化区域内で、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為(規模1,000㎡)は、開発許可を受けなければならない。
813-25-1宅地(面積250㎡)を盛土したうえで住宅を建築しようとするときには、開発許可を受けなければならない。×
市街化調整区域
1R01-16-3
市街化調整区域において、野球場の建設を目的とした8,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
2R01-16-4
市街化調整区域において、医療法に規定する病院の建築を目的とした1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
×
326-16-ア
市街化調整区域において、病院の用に供する施設である建築物の建築の用に供する目的で行われる1,500㎡の開発行為には、開発許可が必要。
425-16-2市街化調整区域において行う開発行為で、その規模が300㎡であるものについては、常に開発許可は不要。×
523-17-2市街化調整区域内において生産される農産物の貯蔵に必要な建築物の建築を目的とする当該市街化調整区域内における土地の区画形質の変更は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。×
非線引区域
129-17-4区域区分の定めのない都市計画区域内において、遊園地の建設の用に供する目的で3,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
222-17-1分譲住宅新築のための5,000㎡の開発行為には、開発許可が必要。
321-17-1ゴルフコース建築のための10,000㎡の開発行為には、開発許可が必要。
411-18-4農家が居住用住宅を建築するための開発行為には、開発許可は不要。
510-18-3野球場を建設するため2haの開発行為には、開発許可が必要。
605-18-4非線引都市計画区域200㎡と都市計画区域及び準都市計画区域外の区域2,800m2にまたがる、開発区域の面積が3,000㎡の住宅団地建設のための開発行為は、開発許可が必要。×
準都市計画区域
1R01-16-1
準都市計画区域において、店舗の建築を目的とした4,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
230-17-4準都市計画区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的とした1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。×
329-17-1準都市計画区域内において、工場の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。
×
424-17-イ病院/4,000㎡→開発許可が必要。
518-19-3専修学校/1,000㎡→開発許可が必要。×
614-19-3都市計画事業としての住宅団地/3,000㎡→開発許可が不要。
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域
130-17-3都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、8,000㎡の開発行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
229-17-3都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、変電所の建築の用に供する目的で1,000㎡の土地の区画形質の変更を行おうとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。×
318-19-4店舗/1,000㎡→開発許可が必要。×
415-18-3住宅団地/6,000㎡→開発許可は不要。
514-19-4住宅団地/5,000㎡→都市計画事業でない場合、開発許可が必要。×
606-19-11,000㎡以上→開発許可が必要。×
705-18-4住宅団地/都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域2,800㎡&非線引区域200㎡→開発許可が必要。×

3 誤り

「排水施設の構造及び能力についての基準」は、自己居住用・自己業務用・その他、いずれの区分の開発行為についても適用されます(都市計画法33条1項3号)。

■類似過去問
内容を見る
開発許可の基準:排水施設
 年-問-肢内容正誤
123-17-3排水施設の構造・能力についての基準は、自己居住用住宅には適用されない。×
217-20-3排水施設の構造・能力についての基準は、自己居住用住宅にも適用される。

4 正しい

以下の目的で行う開発行為については、区域・面積を問わず、開発許可は不要です(都市計画法29条1項)。

  1. 公益上必要な建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
  2. 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業の施行として行う開発行為
  3. 非常災害のための応急措置として行う開発行為
  4. 通常の管理行為、軽易な行為

本肢は、3.に該当しますから、開発許可を受ける必要はありません。

■類似過去問
内容を見る
開発許可:非常災害のための応急措置(都市計画法[06]2(1)③)
 年-問-肢内容正誤
130-17-1非常災害のため必要な応急措置として開発行為をしようとする者は、当該開発行為が市街化調整区域内において行われるものであっても都道府県知事の許可を受けなくてよい。
225-16-4非常災害のための応急措置でも、市街化調整区域で3,000㎡以上である場合には開発許可が必要。×
323-17-4非常災害のための応急措置には、開発許可は不要。
408-20-2非常災害のための応急措置にも、一定の場合には開発許可が必要。×

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